特養入所の順番がついにくる!?気が付けば3年
認知症の母は3年前に自宅で転び骨折をして入院しました。高齢で歩けるようになるのが難しいということで病院からそのまま介護老人保健施設(老健)へ入所しました。老健は、リハビリをして自宅へ戻ることを目標とする施設で3~6か月程度での退所が基本です。空きが出やすいので、特別養護老人ホーム(特養)が満床で入れない人が老健に入って空くのを待つこともあります。まさに老健で特養の空きを待っていたのですが、いくつか申し込んでいた特養はどこも100人以上待ちでまったく空く気配がないまま、なんと3年が過ぎていました。でも実は。それで困ることはなく。むしろ老健は週に2回以上リハビリをしてくれてガリガリにやせ細っていた体も少しふっくらし体調が良さそうな母を見ていると特養が空かずにこのままでもいいなと私たち兄弟は思っていたのです。施設もきれいで場所もよかったしスタッフさんたちも優しかったしね。なので、特養から連絡が来た時は「ついに来ちゃったか~」と私たちは思ったのでした。連絡がきて、すぐに移動かと思いきやもうすぐ空きそうな状況とのことで、本当に入所するかどうかの意思確認も兼ね入所の説明を受けに行ってきました。3年ほど前に特養にいくつか行って申し込みをしたのですが、コロナ禍だったので部屋などは見られなかったのです。なので、今回は施設見学もちゃんとさせてもらいました。特養に入る方は要介護度3以上で寝たきりの方も多いのかと思っていました。ですがそんなこともなく共用スペースでテレビを観たりくつろぐ人が多く部屋で寝ている人はあまりいなかったので(そのフロアがそうだったのかもですが)ちょっとほっとしました。ただ、老健のようにリハビリはないので老健と比較すると、どうしても衰えの早さは早いかも……と案内してくれた社会福祉士さんは正直にお伝えしてくれました。生活の面倒をみてくれるだけでもありがたいですよね。入所する意思を伝えたので次に空きが出たら特養へ移動することになりました。話ている中でここが終の棲家にもなるので……という言葉も出ました。終の棲家かぁ……まだ自宅にいた頃に母が「なんだか死ぬのを待っているみたい」と言っていたことも思い出しました。母は8月で87歳になります。身体は元気ですが、認知症が進行し言葉も忘れてもう会話もほとんどできません。にこにこ笑ってうなずくだけ。それでもね、やっぱり母だから。終の棲家で死ぬのを待つのではなくていつまでも元気でいて欲しいなと願わずにはいられないのでした。母と私。老健にて。