絨毯屋へようこそ  トルコの絨毯屋のお仕事記

2006/09/22(金)20:12

トルコとの貿易あれこれ(1)

絨毯屋の仕事(98)

弊社の柱は大きく2本である。 1つはキリム欲しさとキリムへの興味だけでもっている絨毯屋の部分。 もうひとつは何度か書いているけど、実は会社の基盤である貿易会社の部分。 絨毯屋としては正直言って、お金を稼ぐことはあまり考えていない。 いまや、自分が古いキリムや手工芸品を安く手にいれるため、たくさん見るため、商売にかこつけて村周り、調査をしたいがため・・・・・の存在である。 これは実際、今の私を支えているものになっている。 キリムの現場を見続けるため、いいキリムをチャンスを逃さず手に入れるためだけにトルコに住んでいるといっても過言ではない。 これでお金を稼ぐことはあまり考えていないけど(というかたいして稼げない)、それなりにやっていると、大変ありがたいことにやはりキリムを好きで好きで、ただ好きで・・・というお客さんがついてくれる。 これはとにかくうれしいことである。 キリムを媒体に、そのすばらしさや喜びを分かち合うことになる。 もちろん、商売としてやっているのだから、キリムの売買も発生する。 それでもあの人ならこのキリムを気に入るだろうな、とか。そういえばこの手のキリムを欲しがっていたな・・・とか、顔を思い浮かべて、またそれが当たったりするとうれしくなる。 また個人所有のものは基本的に見せないが、これを見せたら驚くだろうな、とか羨ましがるだろうな、とか・・・・。1枚のキリムのために、そしてそれを買うお客さんのために、どこでも飛んでいくし、時間も費用も努力も惜しむつもりはない。いったいこれで儲けが出ているのかどうか・・・といわれると、全く儲けていないどころか、赤字だな・・ってことも多々ある。 トルコって物価高くなってしまったから、何かすると日本よりお金がかかっていると思う。 ガソリン代は300円近いし、燃費は悪いし、駐車場代は高いし、公的な費用とか依頼費は高いし、とにかくタダじゃすまない。 こちらの人の要求もそれに合わせて、ちょっとそれは多過ぎじゃない? っていうぐらい高い。 トルコで一番安くすむのは、ミフリ社長を動かすこと、だって自認してしまう・・・・(・・・そう思われ続けるのも困るのであるが・・・・)。 ・・・・・と話がそれてしまった。 さてそんなわけでどうもキリム業務だけだと、自分の趣味と興味だけで動いている気がして仕方がない。そりゃそうだ、トルコ各地の村のおばちゃんにモチーフの話を聞きにいったり、テクニック習ったり、一緒に草木染めをしたりしても、それは自分の知識として集めているだけで、商売とは言えないもんね。この部分ではお金も儲けてないし・・・・。これも商売にしたらと薦めてくれる人もいるけど、どうもお金を絡ませると私のなかでキリムへの愛がけがれてしまう気がして乗り気になれない・・・でもこれじゃ会社はつぶれるぞ・・・・。と。 そこで、私も一応仕事をしている証明(!?)として、貿易会社の方もときどき動かしている。 送っているものは絨毯、キリムもあるけど、その他いろいろ。 今回は最近問い合わせも多いし、実際の作業も多いので、トルコの輸出に関しての話を何回かでしたいと思う(気が変わらなければの話だけど・・・・・)。 ただし、難しい話ではなくて、例えば、ある日本人の個人が(もしくは法人が)トルコから何かを輸入したいと考えたときに、具体的にトルコサイドでは、どんな手続きをとって輸出しているか、日本にいながら、または現場で、それにどの部分でどう関わっていくか・・・などの実際を、例をとってわかりやすく紹介したい。 お断りをしておくが、私はこれらの作業をトルコへ来てから覚えたものだから、用語はトルコ語から直訳したもの、もしくはトルコで使われている外来語として使わせていただく。 日本ではどういう言い方をしているかわからない用語もたくさんある。日本のお客さんに説明するときに通訳でつまずくこともある。貿易システムは国によって大きく違うわけではないから、この程度のことは知っている人も多いだろう。 今回は難しい話はおいておいて、個人や、小ロッド、初めて正式な輸入経験する人たちの参考にと思っている。 すでに取引している人には現行の方法の見直し、もしくは情報の少ない現場での状況を知るためなどの参考にしてください。 だから貿易に詳しい人も、そう堅く考えないで、一例としてふ~ん、そうなんだ、と読んでくださることをお願いしたい。 と前書きが長くなってしまったので、続きは次回。 まずは絨毯、キリムの輸出に関する、具体的手続きから・・・・・。(あくまで気が変わらなければの話だけど・・・・)。 ・・・・どうして前フリがこんなに長いのか・・・・?

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