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カテゴリ:イーネオヤとその他のオヤ
以前、たぶんかなり前のことだと思うけど、イズニック地方の風習で、嫁入りでかならず持っていかなければならいオヤがあることを書いた。
古いイズニック・オヤの特徴にもれない巨大オヤのひとつで「ナスの花」である。 花嫁になる女性が自分で作るのが本来の姿であるが、このレベルのイーネオヤは誰でも作れるわけではないので、母親が代理で作ったり、人に頼んで作ってもらったりして、持参したそうだ。 これを似たような話は、きっと各地にあるに違いないと思っていたが、やはりそうで、一例でイズミルの山里にも花嫁のオヤが存在した。 トルコ語で「カディフェ・チチェイ」と呼ばれるもので、示されるのは見間違いのない「マリーゴールド」である。オヤの形からはちょっと想像しにくいし、花の形だけみると、現代ものの「スミレ」に近いんだけど・・・・。 ここの出身の50歳代の女性の話では、結婚するときにこの「カディフェ・チチェイ」のイーネオヤスカーフを必ず1枚、花嫁道具の中に入れていかなければならなかったという。 この地方のイーネオヤの特徴は小ぶりながらも筒のあるしっかりした立体オヤであるが、その中でもこの筒の立ち上げといい、形のよい花びらといい、テクニックとしても難しいもののひとつであったようだ。 だからイズニック同様、誰もが作れるものではなく、人に頼むこともあったし、形として別のものになることもあったという。 共通していえることは、花嫁に与えられる課題は難しいもので、その技量を試されたということ。そして興味深いのが、花嫁のオヤはイズニックにしてもこの山里にしても「必ず1枚」持っていかなければならないもので、かつ「1枚だけ」持っていけるものということ。 「1枚だけ」にどういう意味が含まれていたのかを知ることも、ミフリ社長に課せられた今後の課題であるが、花嫁のオヤを編まされることを考えたら、なんてことはない・・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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