2011/03/10(木)23:33
19世紀のオスマン刺繍
一般的には「ペシキル」と言うこともあるが、
骨董業界では「ヤールック」と呼ぶ。
いわゆる飾り手ぬぐいである。
飾り手ぬぐいの用途はいろいろあるが、主には民俗衣装を着たときに、布ベルトに垂れ下がる状態での装飾品として知られる。
刺繍部分は両端のみになるので、ズラした形で二つに畳んだときに2段になってモチーフが見える。
そのため裏表のある刺繍もあるが、裏表がないテクニックで施されているものも多い。
写真は19世紀後半、1880年から1890年ごろと予想されるヤールック。
手織りのコットン布に、シルク糸と金属リボンで裏表がないように刺繍されている。
トルコ語で「ムシャバック」テクニック。
保管状態がよほどよかったのだろう。
色も褪めることなく、
布の多少の水シミやヤブレ以外はキズがない。
年代から見るコンディションは良好である。
トルコの西、エーゲ海地方のベルガマのコザック高原から出たもの。
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