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カテゴリ:トルコの手工芸
というわけで、バラ工場のローズオイルの製造過程をお勉強。
このバラ工場では無農薬、有機肥料のバラのみを使って、オイルを抽出している。 ドイツの業者が独占権を持っていて、厳しい条件のもとに検査を重ね、オーガニックのピュアローズオイルを生産しているのである。 大量のバラから抽出されるオイルはほんのわずかで、取引価格はバラ組合により毎年決定されるが、オーガニックの場合はバラ栽培から困難なので1kg5000~6000ユーロだそう。 オーガニックでないものはもっと安くなる。 もうひとつの製造品が濃縮ローズオイル(固形ローズオイル)。 こちらは主にアルコール類を使用し、完全にクローズされた機械での生産。 化粧品、石鹸などに使われるクリーム状の原料である。 価格もピュアものに比べたら10分の1程度。 バラ工場の社長さんと担当スタッフと記念撮影。 ・・・・・で社長さんに質問。 ここから先がミフリ社長にとっての本題である。 ミフリ社長「今はこれらの過程を機械で全て行っているけど、機械がない時代はどうやって作っていたのですか?」 バラ工場の社長さん「薪を使って釜を火にかけてひたすら煮たんだよ。親父はずっとそうやっていたし、私も若いころは親父を手伝って全て手作業でやっていたんだよ」 ミフリ社長「釜? 釜ってよくある広口の普通の釜ですか? それとも特殊な釜ですか?」 バラ工場の社長さん「アポロ型の円錐形で口がついているものだ。蒸気を抽出しなければならないからね」 ミフリ社長「それって、いつごろまで使われていたんでしょうか? 社長さんも使ったということはそれほど前の話じゃないですよね」 バラ工場の社長さん「1990年代の始めまで使ったかなあ。現在の機械はその前後からだから」 釜で煮て作れるのはローズオイルとローズウォーター。 機械が導入されるまで固形のローズオイルは作れなかったそうである。 さて、現在の工場で使われている一般的なローズオイル抽出機。 原理としては後方の大きな釜でバラの花を煮ているのである。 その蒸気が上のパイプを伝わって降りてくる。 それを急激に冷やすことにより、水滴となって溜まる。 その水滴が上に油、下に水として分離したものを、それぞれ取り出すのである。 そして、これらの機械がなかったころに使われていたと言う釜がこちら。 元バラ農家の納屋にしまってあったものを出してきてもらったのである。 下と上の口の2パーツでできている単純なもの。 家の敷地にはこの釜を使うための釜戸も残っていた。 この道具を最後に使ったのは1991年の夏だと言った。 ほんの20年前の話である。 (つづく) ミフリからのお知らせ イーネオヤ体験会に参加しませんか? 「刺繍糸で作るイーネオヤ」 内容:イーネオヤのモチーフを各日、デザインを変えて1種ずつ作成します。 日時:2011年7月8日(金)・9日(土)・10日(日) 13:30~16:00 場所:清澄アートギャラリー 東京都江東区平野1-7-9 大江戸線・半蔵門線 清澄白河駅より徒歩5分 持ち物:糸切りハサミ 定員:各5名程度 参加費:3000円(材料費込み) 講師:小島優子氏 オヤの会講師 日本編物文化協会手編み指導員 日本手芸普及協会レース指導員 参加を希望される方は、参加希望日を記載の上、お名前と連絡先をミフリ野中までメール(mihri@infoseek.jp)でお知らせください。 初めての方でも少人数で行いますのでゆっくり、じっくり習えます。 お教室に通いたいとお考えの方もまずは体験会で試してみてください。 ミフリの展示会期間中になります。 古いイーネオヤやイーネダンテル、民族衣装、その他トルコの手工芸品を展示、販売もしておりますので、貴重な手工芸品を実際にお手にとってご覧いただけます。 みなさまの参加をお待ちしております。 また今回講師をしてくださる小島優子先生のイーネオヤ教室は以下の通りです。 現在、東京と京都で継続的に開催されています。 興味がある方は直接問い合わせしてみてください。 ■ オヤの会 イーネオヤ教室 ■ 縫い針1本で作るトルコのレース、イーネオヤとイーネダンテル専門の教室です。 初心者の方から丁寧にご指導します。 東京【越前屋】(東京都中央区京橋1-1-6) ・第1木曜(9:45~12:45) ・第1木曜(13:30~16:30) ・第1土曜(13:00~15:30) お問い合わせ先 小島優子 e-mail yunnta@u01.gate01.com 東京【自由が丘産経学園】(東京都目黒区自由が丘1-30-3 自由が丘東急ビル5階) ・第1火曜(18:30~20:30) ・第1土曜(17:00~19:00) お問い合わせ先 自由が丘産経学園 Tel 03-3718-4660 e-mail jiyugaoka@sankeigakuen.co.jp 京都【日本トルコ文化協会】(京都市中京区室町通錦小路上ル 三洋室町ビル505) ・第3水曜日(13:30~16:00) お問い合わせ先 日本トルコ文化協会 Tel 075-255-7530 e-mail nitto@silk.plala.or.jp にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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上の写真にあるバラ用の釜、確かウスパルタ市内にレプリカが飾ってあったような記憶があります。
カザンラクの博物館でも見ましたよ(^^) 「カザンラク」って言うのもトルコ語が語源だそうですね? 現地でトルコ系の人たちと出合いましたよ。 濃縮ローズオイル、一度香りを堪能してみたいです。 でも、高いんだろうなぁ~。 所でオヤの体験会、東京と京都ですかぁ( ̄▼ ̄) そうですかぁ。 まぁ、初心者ではないけど…。 他の先生のセミナーは札幌に上陸したと言うのに、西日本(関西より西)は今だオヤ空白地帯のような気が致します。 「毛糸だま」の特集のお陰で、認知度は上がって来ましたがね。 いっその事自分がやっちゃおうかと、ちょっとだけ思ったりもするのですが、独学だとどのレベルまでやればいいのか分からないので自信が持てないんです(。-´ェ`-) 製図も自分で作らないといけないし糸も仕入れなきゃいけない…。 オヤの技術意外にも、色々勉強しないといけませんね? 仲間作りへの道は、中々険しいです(´д`;) すみません<m(__)m> ちょいと愚痴ってしまいました。 (2011年05月26日 01時10分30秒)
みーちゃんさん
たしか、カフカス出身のカザン・トゥルクという民族がブルガリアに移住したという話がありますが、それと関係あるのかな・・・? カザンだし? 手芸でも何でも自分でできるのと、人に教えるのって全く次元の異なるものなんだと思います。 教えるのは技術も情報も常に新しいことを吸収して、身につけていないといけなかったり大変そうですよね。 でもお稽古ごとは仲間がいたり、集まる場所があるとまた楽しみが倍増しますね。自分の作品を人に見てもらう機会も増えるし・・・・。 独学でもいいのだと思います。トルコでだって、方法はこれが正しい・・・ってものはなく、地域や人によって針の持ち方や手の使い方、糸のかけ方など微妙に異なるのです。 チャンスがあったら西日本で先生への道、ぜひチャレンジしてください。 (2011年05月26日 03時52分29秒) |