布支度~第9回アイドゥンのダスタル/刺繍入りシルクショール
嫁入り道具として用意されたたくさんの布たち。それぞれに思いや祈りを込めて、地方や部族、独特の文様を縫い込みます・・・・・。 「布支度」シリーズ。 第9回はアイドゥンのダスタル。アイドゥンからデニズリ県にかけて見られる女性用の大判ショールである。外出の際にさっと纏うことができる。全身を覆うマント代わり。女性たちが纏っているものは、安価な化繊布で機械織りのもの。それでも伝統的な地元の柄の布を未だに日常的に使用してるって、いいね。本来の古いものがこちら。アイドゥン、デニズリ付近で出会うことがあったけど、地味なので、あまり興味を持ったことがなかった。でも本物のシルクの良いものを見てからは、その素晴らしさがわかって蒐集するようになった。古いものはシルクの手織り布に、シルク糸で手刺繍をしている。色の落ち着き、布の繊細さもあって、和装にも合わせやすい。シルクは年代とともにダメージを受けやすいので、状態がよく残っているものは意外と少ない。特に刺繍の針が入っている部分から裂けてしまうのである。知らなければミシン刺繍かと思われてしまうかもしれないほどの綿密さ、でもしっかり手仕事。年代もののノーダメージのものとの奇跡との出会い。にほんブログ村 手芸(その他・全般) ブログランキングへ