トルコ・イーネオヤの旅・黒海マルマラ海地方編~割礼のベットと儀式その1
今日は朝からムシュクレ村。私の本「トルコのちいさなレース編みオヤ」のイズニック編に登場するイーネオヤの村である。本の写真の村の女性たちと一緒に道端でイーネオヤを編む・・・という目的。もちろん村入りのユニフォーム「モンペ」に着替えて、いざ出陣。村ではお母さんたちが待っていてくれました。村での名前「Hatice」との再会。そして「Emine」との初めまして。この娘たちを明日にはもう連れて行ってしまうのかい?また泣き続けなければならないじゃないか。この前もあの4人が村を去っていってからも、涙が止まらなくて止まらなくて。あの子たちは元気にしているかい? 恋しくて仕方がないよ。お母さん、今から涙モードである。さて、前回の7月に来たときは村では実に2年ぶりというイーネオヤで装飾された「割礼式のベット」を見ることができた。ただあの時は日程の都合で式まで見ることができなかったのです。さすが今回はないだろうな・・・と思っていたら、ついた早々、「今日は上の家で割礼式の披露宴があるよ」と。ってことは当然なんだけど、割礼式のベットも見れるわけである。で、見ることができました。本当にラッキーとしか言いようがありません。この村の慣習とはいえ、実際に割礼式のベットを組み、伝統的な儀式をする家庭が減ってきているので、かならず行われるとは限らないからです。装飾に使われるイーネオヤスカーフも少なくなっているし、ベットを見れば、過去のものに比べて簡素になっているのも事実です。それでもお母さん、おばあさん、ひいおばあさん、おばさん、近所の女性たちのイーネオヤを持ち寄って、今の精一杯で飾りつけされています。もちろんこの村の花嫁の必需品「ナスの花」のオヤもありました。さて、儀式の方を追跡してみましょう。実は木曜日から始まって、今日が4日目。初日に家で作られたロクムというお菓子が振舞われ、2日目にご近所さんに夕食が用意されたそうです。3日目は披露クナを手に塗る儀式が行われ今日の4日目は村全員にお昼ご飯がごちそうされ、割礼の男の子の公開散髪、ご祝儀、着替えの儀式、家から馬に乗り村中を行進。明日から子供たちは新学期。割礼自体は昔と違って、儀式の前に病院で施術済です。そしてどのシーンでも太鼓と縦笛などの楽隊がついて歩き、太鼓での景気付けやダンスのための演奏が行われます。まず村内アナウンスが流れます。「本日1時に○○の家で割礼式の食事が振舞われます。村のみなさんはどうぞお出かけください」大きな鍋で用意された食事が、横にずらっと並んだ若者たちの手によりリレー方式でテーブルに運ばれます。最初に男性たちがテーブルに座り、女性たちは男性が残っているため、なかなかテーブルの方まで出てこず、庭の隅や自宅に持ち帰って食べていました。男女同席が好まれない村の風習です。披露宴を男女別会場で行うのが一般的です。もちろん都市部などでは混合ですけど。私たちもごちそうになりました。それが終わるころ、割礼の主役の子供たちが、わざわざ運ばれてきた「床屋の椅子」に座って、散髪されながら、村の人たちからお祝いの金貨やお金を付けてもらいます。子供たちとご両親との間に入れてもらって記念撮影。実は今日の割礼の男の子。お父さんが兄弟同士の息子が2人ずつ、合計4人の合同割礼式です。上の子は12歳ぐらいかな、下の子は3歳ぐらい。村人全員に食事を振舞ったり、なにかと費用のかかる行事です。兄弟、従弟同士で一緒にするのも効率的なのでよくあることです。散髪とご祝儀付けが終わると、ダンスです。いったんお開きになり。それから王子様のような割礼式の白い衣装をお盆に載せて、村の若者たちが歌と踊りの変わったパフォーマンスを繰り広げながら広場まで運びます。長くなったので続きは次回。(次回なんて・・・ミフリ社長のブログにそんなものはあるのか・・・!?)にほんブログ村 手芸(その他・全般) ブログランキングへ