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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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May 2, 2015
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カテゴリ:トルコの手工芸
森薫氏のコミックス「乙嫁語り」。
手芸をされている方は気になっていることかと思います。

中央アジアの日用品や衣装として出てくる手芸品の数々。
主に刺繍ものが目をひきます。

私もウズベキスタン、トゥルクメニスタン、カザキスタンなど中央アジアの衣装や日用品、小物などをそれぞれ少しずつですが、コレクションしています。
それらの国に行ったことはありませんが、それらを手にすることができたのは、今から15~20年前のこと。
中央アジアからの門が解放され、トルコにたくさんのものたちが入ってきた時期があります。
現地よりも観光大国であり、流通の可能性の高いトルコ市場へと運ばれてきたのです。
その国に精通している担ぎ屋さんたちが出入りしていました。
彼らのおかげで中央アジア(当時は特にウズベキスタンとトゥルクメニスタンでしたが)の古い布ものを手にすることができました。
今出回っているものはお土産物としての手芸品ばかりになってしまいましたから。
当時、無理してでも集めておいて本当に良かったと思っています。


話を元に戻します。
「乙嫁語り」の2巻「布支度」の回。

「結婚する前に嫁入り道具で布を沢山持っていくんです。手拭いとか風呂敷とか布団の覆い掛けみたいな大きいものまで。全部に刺繍するので小さいうちから少しずつ作っておかないと」

そして材料を揃えなければなりませんが、ここでは
「絹地、金糸、銀糸、ビーズ、染料、絹糸」などがあげられています。

一族の娘、ティレケは先祖の女性たち代々のモチーフを見て感動します。
5代目が考えたモチーフ、ひいおばあさまのモチーフ、そしてそれを見よう見まねで再現していく子孫たち。

中央アジアの遊牧系の一族のお話ですが、これはトルコでも同じことが言えます。

トルコにはトルコなりの布支度があります。

R-DSC_0600.jpg


「ふんだんに刺繍の施された布は時に貨幣以上の価値を持つ。作り手の社会的地位と帰属を表し、その人となりを物語る。特別な1枚は特に念入りに仕上げられ、受け継がれるその家独特の文様には気が遠くなるほどの時間と手間とそして思いと祈りが込められている」

上記は物語に登場するイギリス人のスミス氏の記述であるが、全くその通りで、私がトルコの伝統手芸を伝えるにあたって、単なるテクニックの伝導ではなくその背景を含めて知ってもらいたいと願うのは、こういった部分に意味があると感じているからなのです。

そうは言っても現代の手芸は形を変えてしまっているので、それらを知るには不十分だということも承知しています。
ですから私自身は古いものに「作り手の思い」を探してしまうのかもしれません。

まえがきが長くなってしまいましたが、「布支度」をテーマに、私の現在及び過去のコレクションからトルコと中央アジアの嫁入り道具であった布ものをご覧いただきたいと思います。

第1回はトルコのバスタオル。

R-DSC_0004.jpg

こんなに刺繍してあって、実際にタオルとして使えるの? という疑問がまず湧くと思います。
嫁入り道具ですから。
実用というよりは、これだけのものを持ってきました・・・というのを見せないといけません。

キュタフュヤのお屋敷のものです。
これだけの刺繍ものは、庶民ではなくある程度お金持ちのお家でないと難しいです。
コットンの手織りのタオル地に、シルク、金属リボンで刺繍を施してあります。

R-DSC_0033.jpg


金属リボンを使う刺繍テクニックはトルコでは「テルクルマ」と言います。
金属リボンを折りながら作るため「テル」「金属の紐状のもの」を「クルマ」「折る」ので、「テルクルマ」。
専用の針を使うか、素手で作る人もいます。

金属を使って、これだけ細かい作業ができるのですから、作り手は腕が良いというしかありません。


先にも述べましたが、実用というよりは見せるためのものですので、もちろん使われていません。
そのため、170年経った今もコンディション良く残っています。

サイズ:100×200cm
場所:キュタフュヤ
年代:19世紀半ば

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Last updated  May 2, 2015 09:24:05 PM
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