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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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May 5, 2015
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カテゴリ:トルコの手工芸

嫁入り道具として用意されたたくさんの布たち。
それぞれに思いや祈りを込めて、地方や部族、独特の文様を縫い込みます・・・・・。
「布支度」シリーズ。
第3回はベルガマの衣装


エーゲ海地方のイズミルを中心とした周辺の町や村などで長持ちを開けてもらうと、中にコットン製の白地のシャツが入っていることが多い。

面白いのが、胴体に袖がついて、なぜか首の部分が開けられていないというものである。

これには理由があり、この状態で嫁入り先に持っていき、実際に使う段になって、首の部分をカットして処理するのだそう。なぜそんなことをするかというと表向きの語り部もあるのだろうが、現実的には使用されたものか、そうじゃないものかというのを一目で区別するため
この処理をする衣装は、下着に相当するものが多いので、直に身に付けたものが他人の手に渡らないようにするためじゃないかと想像する。
日本人だって上着などは人に譲ったり、売ったりすることはあっても、一度でも着たり履いたりした下着類や靴下は廃棄するよね、そんな感じ。


R-P1150570.jpg


これはベルガマの衣装。
首の部分が開いていません。
未使用品の証です。(このままでは着ようがないもんね)

この衣装が一体何かというと、いろいろ考えたのですが、日本の着物の長襦袢にあたるものかなあ・・・・・と。
話によると寝着なんだそうです。
ドレスの下に来たりもするそうです。
現代西洋式ならスリップ?
やっぱり長襦袢。

この衣装の特徴的なところは、実は他にもあって、下の画像の刺繍部分。

R-P1150571.jpg

別パーツでできているのです。
このパーツの刺繍部分は手で紡いだ細いウール糸を草木染めしたもので、一見素朴に見えますが、結構細かく、手が込んでいます。
寝着だけど、これだけ手を掛けたら捨てるのは勿体ないよね。

だからこの刺繍部分はカットして、とっておき、また別の寝着を作るときに付けるのです。

お母さんが作って、お嫁入り道具として持ってきたものを、娘に譲り、またその娘が自分の娘に譲って、代々同じパーツを譲り受けて、首の開いていない寝着を作る・・・そんな話なのでしょうね。


こちらは首の部分が開けられて、着られるようにいなっているもの

R-P1150574.jpg

刺繍部分のパーツがないじゃない・・・と思うでしょ。

R-P1150576.jpg


実は後ろにあります。

この衣装も継ぎ接ぎだらけです。
刺繍が施されている部分は古く、首や袖や脇の部分は新しい布で作られています。

R-P1150577.jpg


刺繍はこれはかなり細かいもので、とても特別です。
普通はもっと太い糸を使っています。

基本は赤と紺(緑もあります)。
ベルガマの遊牧系の人たちが好んで使う組み合わせですね。
この地域では絨毯やキリムもこの色の組み合わせが多いです。

モチーフは上の衣装のようにコの字型になっているものもあれば、
こんなのもあります。

R-P1150621.jpg


いずれにしても赤・紺の組み合わせです。
彼らが美しいと思う色なのか、染色の際の手に入る染材の都合だったのか・・・・・。

そして通常の古い刺繍がシルク糸を使うのに対して、ウール糸を使用している点。
それは彼らが遊牧民だからです。
シルクはお金を出して買わなければなりませんが、ウールは手に入りますから。

それからウール糸にした理由に、寝着ですので、夜、この刺繍部分で夫の肌を刺激するため・・・・なんて話も聞いています。
本当かどうかはわかりません。


最後にお約束。
着れるものは着る・・・・。

R-P1150594.jpg


ミフリ社長の個人的趣味なので我慢してください。(衣装の回はたいてい登場しますので)


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Last updated  May 5, 2015 07:39:25 PM
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