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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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May 23, 2015
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カテゴリ:トルコの手工芸

嫁入り道具として用意されたたくさんの布たち。
それぞれに思いや祈りを込めて、地方や部族、独特の文様を縫い込みます・・・・・。
「布支度」シリーズ。
第8回はマルマラ地方の赤ちゃんの揺り籠のカバー。



R-besik (2).jpg



用途を知らなければ、布のサイズといい、飾り手拭いである「ヤールック」かと思う。
極細の金属リボンとシルク糸が使われていることも共通している。

ヤールックはボーダー部分のモチーフの刺繍が施されているが、これは布全体に刺繍がある。
ちなみに布は麻の手織り布。

刺繍が全体にまんべんなく付いていることから、ヤールックのように、畳んでボーダーのモチーフを見せるためのものではないことがわかる。


しかも連続模様。

これはベシックと呼ばれる赤ちゃん用の揺り籠のカバーである。
揺り籠と言っても、アナトリアの遊牧民たちの生活でよく見られるような吊るすタイプのものではなく、床に置けるミニ・ベビーベット。
木製や金属製の揺り籠に赤ちゃんを寝かせ、その上に赤ちゃんがゆっくり休めるように布を掛けるのである。

たかが揺り籠の覆い布に、これだけの手間暇とお金を掛けるのだから、花嫁の将来、自分の腕に抱く我が子への特別な思いが込められているということである。



R-besik (1).jpg


モチーフは「馬」である。

これはブルサのゲミリックのお屋敷から回収したものであるが、実は「馬」の他に、同じ布と同じ材料で同じように作られた「花」のモチーフのものがあった。

作り手はもう亡くなっているから、聞くことはできなかったけど。
「馬」と「花」というモチーフから想像すると、男の子用と女の子用に用意したということなのだろう。

まだ産まれぬ、子供のために、お嫁入りのときに持参した「ベシック・ウルトゥス」。
コンディションがとてもよく残っていることから、もしかしたら使われることがなかったのかも・・・とも思う。

それか、あまりにも素晴らしい手芸品だったので、使うのが忍びなく、きれいな状態で保管されただけだったのかもしれない・・・って思うことにしよう。

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Last updated  May 24, 2015 02:09:22 AM
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