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カテゴリ:トルコの手工芸
嫁入り道具として用意されたたくさんの布たち。 それぞれに思いや祈りを込めて、地方や部族、独特の文様を縫い込みます・・・・・。 「布支度」シリーズ。 第11回はスパンコールで装飾した花嫁のベール。 今回は私の個人コレクションからではなく、またアンティークものではないのだけど、今でも作られているアイドゥン地方の花嫁のベールのお話。 (先日、アイドゥンのイ―ネオヤを作るおばあちゃんたちに会ってきたので・・・・) 花嫁のベールは今でもクナゲジェシ(花嫁サイドのお別れ会で伝統的な衣装を着ることがある)などで各地で使われることがあるので、新しいものは結構目にすることはできる。 といってもそこらで売っているものではなく、田舎などではお家の人、特にお母さんが娘のために用意しておく、というのが基本。 このお家はおばあちゃん、おじいちゃん、息子、孫娘2人、という家族構成。 孫娘はまだ上が高校生、下が小学生であるが、おばあちゃんはこの二人のために、今からチェイズ(花嫁の持参品)を用意している。 そのひとつ、ブルル・ゲリン・ウルトゥス。 スパンコール刺繍の花嫁のベールである。 薄い赤い布の上に、たくさんのスパンコールが縫い付けられている。 広げてみると、スパンコールがとても均一できれいについている。 大きいので普通の刺繍枠じゃできないよね・・・・と思っていたら、出てきた、出てきた。 コレ用のテズギャーフ(機とか木枠とかの意味)。 組み立て式で両側に布をピンなどで留めて、枠に巻きつけた状態で張る。 刺繍をした部分はさらに手前に巻き取って、作業を続ける。 両サイドの板は枠間を調整するもの・・・・。 絨毯やキリムの機と刺繍枠の中間みたいな仕組み。 ひと針、ひと針、思いを込めて作っていくわけだね。 こんな風に、頭に花嫁用のイ―ネオヤ用スカーフを付け、その上に被せる。 花嫁のベールは伝統的に赤色が多いのだけど、古いものなどでも白いトゥルにテルクルマ(金属リボン刺繍)などのものもある。 昔は地域により、例えばイズニックのように、ベールの代わりに特定のモチーフ(ナスの花)のオヤスカーフを被ったりもしたけど。 いずれにしても花嫁のベールは、嫁入り持参品になければならないもののひとつ、ということ。 このおばあちゃんの娘の娘が8月に結婚するそうで、その準備にもいそしんでいる。 2日間にわたる婚礼儀式が村で行われる。 「泊まるところならいくらでもあるから、孫娘の結婚式には必ずおいでよ」 (という言葉での)招待状を受け取って帰宅した。 にほんブログ村 手芸(その他・全般) ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 11, 2015 08:15:07 PM
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