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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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June 29, 2015
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アイドゥンの骨董イ―ネオヤの代表格。
「キク」のモチーフ。

P1160189.JPG


アイドゥンからお隣県のナージリリにかけて作られていた大きなオヤである。
細かい花びらを何層かに重ねる、とても手間のかかるもののひとつ。


さてこれはトルコ語で「カスムパトゥ」(KASIMPATI)という。
「キク属」のことである。(種類いっぱいあるからねー)

アイドゥンの村のお家に庭にもこんなのがたくさん咲いているわけで。

kas?mpat?.jpg

身近なお花だったことがよくわかる。

ところで村の女性たちにこの花の名前を聞くと

「キプリッキパトゥ」(KiPRiKPATI)と答えが返ってくる。

地方によって花の呼び方が違うことはよくあることなので、その類だと想像するけど
ただ、「キプリッキ」ってなんぞや? って思っていたわけである。

一般名の「カスムパトゥ」は「カスム」が「11月」のことで、パトゥは諸説があるけれど花の開花の様子から「はじけるように開く」(PATILAMA)から来る「パトゥ」だろうというのが今のところの私の説。

「キプリッキ」(KiPRiK)が何であるか・・・・と考えたときに、花の形態からもしかして「キルピッキ」(KiRPiK=まつげ)の方言ではないかと閃いてしまった。
案の定、まつげを指して「これは何?」と尋ねると、「キプリッキ」と返事が返ってくる。

ああ、「キプリッキパトゥ」の正体は「キルピッキパトゥ」、つまり「まつげのようなパトゥ」の意味なのである。
確かに花びらがまつげのようにクルンと跳ねあがっていたり、つきだしていたりする。

「カスムパトゥ」のこの地方での俗名が「キルピッキパトゥ」で、それが訛って(というかRとPの位置が入れ替わって)「キプリッキパトゥ」と呼ばれているのである。


P1160190.JPG


さて、この問題はひと段落したとして、長年の私の悩みはこの「キプリッキパトゥ」にステキな日本語訳名をつけてあげられないでいたこと・・・・・・・。

「キク」と言うしかなかったのだけど、
花のゴージャスさを思うと、なんだか味気ないなあ・・・・・・と。

で調べたらステキな名前が出てきた。
日本でもお花に詳しい人はご存じだろう。

キク属は「クリサンセマム」で、略して「マム」と呼ばれる。
いいじゃん「マム」で。


ところで、このマム。
どう考えたって東洋の花だよね。
歴史的には紀元前15世紀に中国で見られ、その後8世紀ごろに日本へ伝わったそうだ。
トルコを始め、西洋には17世紀ごろということ。

日本の花がトルコへ伝わり、そしてその花がトルコでイ―ネオヤのモチーフとなり、また日本に戻ってきている・・・・そう考えると、なんとも雄大で感動的なストーリーではないだろうか。

と一人でにんまりしているわけだけど、実はナウルハンの古いイーネオヤスカーフのモチーフを調べているところで、「Zarif」(エレガントな)とあるべき単語が「Zarin」になっていたもので、同様な例のアイドゥンの「KiRPiK」と「KiPRiK」を急に思い出してまとめてみました。

そして近く「ピスタチオの花」論争(別に論争になっていないけど)にも決着を。


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Last updated  June 29, 2015 09:06:05 PM
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