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カテゴリ:トルコの手工芸
プリントスカーフのヤズマの語源は、
トルコ語の「YAZMAK、YAZMA:書くこと」ということだと容易に想像できます。 布にモチーフを描いていたことから始まったのでしょう。 だから無地のシルク生地のスカーフは「ヤズマ」と区別して「クレープ」と言います。 書いていないから、描かれているものがないから・・・。 以前にも書いているけど、オヤスカーフについては地方や個人により言い方がいろいろ。 スカーフそのものだったり、 用途によってだったり・・・。 今回は別の言い方があるって話じゃないですよ。 ヤズマそのものの話。 ヤズマにも年代による変化があり、一般的に木版を使ったハンドプリントものは1950年代以前に作られたと言われています。 木版プリントはトルコ語でタシュ・バスクス、またはアウシャップ・バスクスと言います。 ![]() 上の写真はトカットはもちろん、その後も各地で制作されてきた「チェンゲルキョイ」モデル。 色ごとに木版を変えて重ねて押していくエルヴァンと呼ばれるテクニックによるものです。 その後の時代はシルクスクリーンを使ったプリント。 一応手作業だから機械で押していくものと違って、手間もかかるけど、一回引けば布全体に型ごとに色をつけていくことができます。 だから木版に比較すれば1枚のバスクを仕上げる時間も作業も短縮されるのです。 一方の木版は一度に布全体を押すわけではなく、モチーフごとに型を押し、色を付けるために、色の数だけ版を重ねていくので、1枚のバスクを仕上げるのに何回版を押すのか・・・・。 例えばボーダーで20個のモチーフ、中央に10個のモチーフがあり、それぞれ5色染めとした場合、30モチーフ×5回=150回 押すわけです。 しかもズレたらいけない、精神統一しながらだから、作業的にはかなりきついです。 上のチェンゲルキョイだって作業工程を知らなければ、1枚完成させるのがどんなに大変か想像できないですよね。 さて作業が大変な上にさらに気を遣いながら押すのがオヤスカーフ用のヤズマの木版プリント。 サイズが小さく、生地が薄いから。 そして古い時代のみにあった「キャート・ヤズマ」になるともっと大変。。。! これはキャート(紙)のように薄いヤズマと言う意味で呼ばれるもので、普通のヤズマと比べると厚みを感じず、しかも軽い。 うかつに開こうとするとその薄さと繊細さから簡単に破れてしまうことから、息を吹きかけながらそっと開くもの・・・と女性たちの間で伝えられてきています。 実際に扱いにはとても気を遣います。 破ってしまったものもあります。 そんなキャートヤズマに木版を押す・・・・。 ガサツな私には考えられない。 だからこそ特殊でもあるのです。 キャートヤズマは年代も古い、特別なヤズマ・・・ということから、もちろん一般的な木版も押されましたが、特別なデザインのものが多いのも特徴です。 私は昔からハンドプリントもののヤズマのオヤを意識的に集めていましたが(単に古いものだけが好きってだけなんですけど)、当時はモデルやデザインまでそれほど気にしていませんでした。 でも最近コレクションの処分もあって1枚1枚見る機会があったのですが、「おっ!」と思うものもいくつかありました。 以下、見せるだけで売りモノでなくて申し訳ありませんが。 いずれも極薄のキャート・ヤズマです。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() イメージ的にはオヤが主役でヤズマは主役を支える脇役なんですけど。 それに女性たちが自分で作るわけではありませんからね。 たかがヤズマ・・・なんですけど、されどヤズマ。 立派な芸術品だと思うのですが、いかがでしょう。 オヤの楽しみ方はオヤだけじゃなかった・・・・のです。 まだまだあります。 instagramでフォロワー限定で公開しているものですが、もし興味がある方がいらっしゃいましたらお気軽に申請してください。「mihri193」 です。 ミフリのショッピングサイトはコチラ↓ ![]() ミフリ&アクチェ ![]() にほんブログ村 ![]() 手芸(その他・全般) ブログランキングへ ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 23, 2017 02:46:05 PM
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