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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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July 1, 2018
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ひとつ前のブログで「カラカレム」という白地に黒(薄い緑から黒に変化)の版でモチーフを押すというテクニックの解説をしました。
では逆に黒地に白抜きのバスクはいったいどうやって作るのでしょう・・・・?




普通に考えると木版で「マスキング」してから、布を染めるんでしょう・・・と答えますよね。
ところが違うのです。
もちろんバスクのテクニックには後から出てきますが、マスキングしてから染めるタイプの技術もあります。しかし黒地に白抜きの場合は例外なのです。

黒地に白抜きのバスク・テクニックは「ソクトゥルメ」と呼ばれます。
「剥がす」という意味です。
「アールトマ」、つまり「漂白する」という言い方をする職人さんもいます。

結論から先に言ってしまうと、先に布を無色に近い状態に染めて、そこに薄いピンク色の版を押します。
それを規定の方法に沿って乾かすと無色の布が黒になり、薄いピンク色の部分が白になるのです。

今回は材料の準備について説明します。

1.布を染める染料
18~20リットルの水に対して
アニリン 1.250kg
ギョズタシュ(硫酸銅) 300g
ギュヘルチレ(硝酸カリウム) 300gを加えて、青緑っぽい色をした溶液を作ります。




あれっ、どこかで見たような材料だな・・・と思われたことでしょう。
そうです。
「カラカレム」に使われる「シヤ・ノルス」のレシピと同じです。
「シヤ・ノルス」に比べると水の量が増え、濃度が薄いだけの違いです。 

2.木版に使う染料
5リットルの水に対して
キレチ(石灰) 1kg
アラップザムクまたはザムク・アラビ(ガム・アラビック) 300g を用意します。




水に溶かしたキレチに、液体状にしたアラップザムクを少しずつ加え、よく混ぜます。
それを布袋に入れ、3~4回濾します。
最後にチャイ(ティ―)スプーンにほんの少しのチンゲネペンべと呼ばれる蛍光色素を加えて色を付けます。薄いピンク色の粘り気のある液体ができます。
チンゲネペンべはローダミンBで、最初トカットでは使われていなかったそうですが、イスタンブルの職人さんたちに勧められて使用するようになったそうです。
キレチが白色のため、布に押した版がわかりやすいように色をピンクに染めるということです。

上のレシピにある「アラップザムク」は褐色の結晶で、エジプト産の木の樹液です。
咳止めなどにも使われますが、高価だったり、手に入りにくいため、近年では代用品として砂糖を使うそうです。

その場合は、1.25kgの砂糖を熱して液体状にし、そこに2分の1のレモンを絞ったものをアラップザムクの代わりとします。

さあ、準備はできました。
次回はこれらの染料を使ってソクトゥルメ・テクニックを使ったバスクを作ります。
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Last updated  July 1, 2018 05:38:13 AM
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