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トルコでウスベク人からウズベク刺繍スザーニを習っています。
次回はウズベキスタンでの家庭での修行ツアーを計画していますが、スザーニの基本技術、現地でのスザーニを取り巻く状況と、これから何をすべきかは私なりに整理できたように思います。 オットマン刺繍とは全く逆の性質を持ったおおらかな手仕事です。 自由過ぎていろいろあるのも面白いし、気分次第という適当加減も、アナトリアの古いキリムと共通しているところもあり、テクニックや色遣い、モチーフの大雑把なところも、作り手の状況的、感情的な面などから個人的にはとてもよく理解ができ、ますます興味を魅かれます。 今回は縫い針を意味する「ニーナ・イシ」と、自転車のスポークなどを素材に手作りされたかぎ針「ビギス」にちなんで付けられた「ビギス・イシ」の両方を使って、ザクロのモチーフのクッションカバーサイズの作品を作っているところ。 ニーナはトルコ語では「イーネ」に該当する「針」を意味する単語。 枠を使わず、布を手持ちし、作業します。 多数のテクニックがあり、想像するに年代や地域により使われてきたテクニックも異なります。 また同じ刺し方でも、昔の方法と比較すると、現在の内職作業によりいかに効率的に表面を埋められるかを考えた結果、糸の太さや糸を渡す角度やスパンにより微妙に変化してきているものもあるようです。 ビギスは足付きの固定された枠に布を貼り付けて、テーブルに向って突き刺すように刺します。 利き手にペン持ちの形でかぎ針を持ち、もう一方の手で台の下で糸を調整していきます。 ビギスの方が慣れると作業も早いし、モチーフを埋めやすい。 コットン糸を使う場合はさほど問題ないけれど、本来のシルク糸を使う場合は、かなりしっかりと締めた糸を使わないとけば立つ。現在はシルク刺繍の場合は絨毯用のシルク糸を使うと聞いたが、確かに刺繍用のシルク糸では難しい。 古いスザーニを見ると、昔はニーナを使って作業されたことがわかる。 もちろん使われていた糸はシルクである。 現在はビギスで刺されるチェーンステッチも、もちろんニーナでも作れるから、その他のステッチを含めて、スザーニは本来はシルク糸を使いニーナで刺されていたと想像する。 ニーナであれば、作業台も不要である。 ビギスであれ、ニーナであれ、現在も現地で制作されているのだが、これだけの仕事量を想像以上の速さで作業していく様子を見ると、頭が下がる思いである。 さらに現行品の売値を考えると女性たちの工賃を単純計算して本当に驚くばかり。 私たちだったら、実際に作業してみて、手が慣れていないということもあるけれど、時間的にも作業内容的にも1点100万円でも売りたくないと思うことでしょう。 今回参加されたみなさまもそうですが、日本人は器用な方が多いです。 細い糸で細かく作られていくのを見て、ウズベクの女性たちも、スザーニ業者さんもとても驚かれます。スザーニ職人として即戦力になる力を持っています。 ただし商品としての生産効率性や価格面を考えると現実的には無理な話ですね。 もしかしたら近いうちにスザーニの体験ワークショップなどが都内で開催されるかもしれません。 そして、いつか私が持っているたくさんの古いスザーニやスザーニが施された民族小物などもみなさまにご覧いただける機会があったらいいなと思っています。 -------------------------------------------------------------------- 10月21日ー27日のトカット滞在のイーネオヤ&バスクツアーにもぜひご参加ください。 トカットツアーのお問合せは旅工房さんの秘境専門デスク TEL 03-5956-3148 まで。 オヤフェスのお問合せ・出展参加お申込みは私まで → ★ よろしくお願いいたします。 ------------------------------- ミフリのショッピングサイトはコチラ↓ ミフリ&アクチェ にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 その他・全般ランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 21, 2018 09:44:52 PM
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