2018/10/16(火)06:28
オヤフェス報告10~早々に終わらせるつもりが
さて私の講演の番です。
実質上イベントのトリですので盛り上げて終わらせなきゃ・・・のプレッシャーと、ちゃんと意味通じるようにトルコ語が話せるかが心配のタネでした。
公式カタログ本に講演内容を掲載するために、事前に原稿も用意していましたし、他の2名の先生方は原稿を読まれましたが、私の場合はただでさえたどたどしいトルコ語です。
つまり原稿を読むということは文面の文字を追うだけで精一杯になり、聴いてくださるみなさまを退屈させちゃうのが関の山。
で、読まずに思ったことをそのままおしゃべりしちゃおう・・・と決めました。
笑いをとるためのネタだけ仕込んで、でも予定通りにはストーリーが展開せず、不発のものもありましたが、たぶん最後まで退屈しないで聞いてもらえたかと思います。
このイベントは私にとっても誰にとってもコレクションを見せびらかして自慢したり、競ったりするためのものではありませんでした。
コレクション展示は単なるきっかけであり、トルコのイーネオヤコレクター、研究者、作り手の女性たち、ただイーネオヤが好きな人たち、今まで知り合うことも、集まる理由もなかったイーネオヤに関わる様々な人たちが出会う場所だったと思います。
ケネというイーネオヤ同様の伝統手芸があるブルガリアから、そしてトルコのイーネオヤとして学び、独自に作品展開をしていった日本の人たち、トルコのコレクターたち・・・・。コレクターというのは実にややこしいもので(笑)、誰もが自分が一番だと思っていますから(もちろん私も含めて)、一同に集うということは考えられなかったと思います。
結果的には、トルコにある素晴らしいイーネオヤを一度に見る機会になりましたし、いろんな方とのお話の中で、今まで一人で孤独にやってきたことが、同じ視点でこの伝統手芸を見ている人たちがいるということも知れたし、本当に私にとっては実りの多いイベントでした。
ありがとうございました。
ところで・・・。
嫉妬心というのは物事の進展を阻みます。
あいつに負けるわけがない、自分が上でいたい、一番でいたい。
そのために人をこき下ろしたり、見下したり、無視したり、時には嘘の作り話で陥れようとする人がいます。
でも違いますよね。
心からトルコのこと、イーネオヤのことが大切ならば、ライバルとの競争でなく、同じ方向を見ている人たちと共有することで広がりを見せるだろうし、それが本当の意味での「普及」だったり「保護」だったりするのではないでしょうか。
そうは言っても人間です。
理想通りに自分をコントロールできないかもしれません。
そんな時は基本に戻りたいと思います。
その昔、女性たちが針と糸を操ってどんな環境で何を思い、このイーネオヤを作ったのか。
少なくとも今、私は2000人以上の過去を生きた女性たちの思いを預かっています。
一目一目に気持ちが込められた美しいイーネオヤの現在の持ち主として、後世に繋げる語り部の一人として相応しい自分でいたいと思います。
ということを直接的にお話したわけではありませんが、そんな気持ちを含めて語らせていただきました。
郊外ワークショップで疲れている人が多かったので、5-10分で終わらせようと思っていたら、意外とウケていたので調子に乗って長々と壇上にいましたことをお許しください。
そして、最終日へ。
いよいよフィナーレです。
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イベントは終わりましたが、コレクション展示、日本人作家さん、愛好家さんのオヤ作品の一部は、11月末日までブルサ市のメリノス・テキスタイル・サナイ博物館で続けて展示されていますので、イベント期間中にいらっしゃれなかった方もぜひ見に行ってみてくださいね。
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