2020/10/19(月)04:43
チェルケス人たちのイーネオヤ「麦の穂」
トルコには周知の通りトルコ国籍保持者として、多民族が暮らしている。
トルコ人以外ではクルド人が多いが、チェルケス人も推定100~300万人いるらしい。
オスマン帝国が衰退し、その後のロシア侵攻により国を失ったチェルケス人は世界各国に散らばったが、多くが19世紀半ばにトルコへ移民として入ってきた。
そのため世界で最大数のチェルケス人人口を持つのがトルコである。
北西コーカサスから移民としてトルコへ移り住んだチェルケス人はトルコではチェルケズ、アディゲなどと呼ばれている。
イスラム教を信仰し、トルコ語と共にチェルケス語を話し、トルコの各地で村を形成している。
その一つ、バルケシールとギョネンの中間あたりにチェルケス人の村がある。
そのチェルケス人もバルケシール県の他の民族と同様、イーネオヤを作り、嫁入り持参品として用意する慣習を持っている。
彼らの独特のイーネオヤモチーフに「麦の穂」と呼ばれるものがある。
なるほど、モチーフの形がそのまま麦の穂を想像させる。
お花の形が多いイーネオヤモチーフと少し様相が違うのが面白い。
なぜ麦のモチーフなのか。
ひとつには麦が身近にあったから。
踏まれても強い麦にあやかって。
全ての食べ物の基本。つまり生活に困らないように・・・。
そんなことが考えられる。
イーネオヤとして私たちが見慣れたお花の形でもない、遊牧民によくある幾何学モチーフでもない、この麦の穂のモチーフ。
他の地方のチェルケス人たちはどうなんだろうとか、もう少し突っ込んで調べてみたら、きっと面白い話も出てくるだろう。
とりあえずプロローグということで。
数量は限られているけれど、数枚手に入れたので欲しい方はご連絡をくださいね。
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