2021/01/22(金)20:30
久しぶりにキリムの話~ヌズムラ村
キリムにまつわる話を、すごい前にしたかもしれない・・・ぐらいの間隔が開いてしまったけれど、久しぶりにヌズムラ村の村人がキリムを売りに来たので、私のキリム熱が再発した。
(シネッキリと呼ばれる代表的なモデル)
ヌズムラ村は今は名前を変えて存在しているセイディシェヒールにある村。
小学校が1つとモスクが1つあるだけの人口約400人の小さな山村である。
キリムを織っている女性たちの中には、屋根にビニールシートを被せているだけの貧しいお家で暮らしている人もいる。
元々、メルシンとコンヤ間を移動する遊牧の民であった人たち。
今日、来た男性もかつては自分たちも一族で羊を連れてメルシンまでラクダに荷物を積んで移動していたと話した。
1968年を最後に村に定住し、それ以後は牧畜業や農業を営んでいるそうである。
(ミフラップルと呼ばれるミフラーブを象ったデザイン)
ヌズムラのキリムはとても手が込んでいて織るのに時間がかかる。
代表的なシネッキリやミフラップルなどのモデルも知られているけれど、デザインだけが使われて業者の用意した草木染め糸で他の場所で織られていたりしたので、村で自分たちで糸を染めて自分たちの色遣いで織られたキョイマル(ビレッジキリム)は当時でも貴重だった。
運よくとてもコンディションの良いものを何枚か(隠し)持っている。
(イヤリングや櫛のモチーフのあるオールド品)
今回、やって来たのは織られて機から降ろされたままの未使用品。
村の女性が伝統のモチーフを自分のセンスで織ったビレッジキリムである。
この後、アンタルヤの村にある絨毯専門クリーニング屋さんに持っていって、うぶ毛の処理と洗浄とアイロン掛けをしてもらえば商品として完成する。
(ヤタックと呼ばれる毛足の長いフカフカの織物)
ちょっと嬉しくなって先にお披露目。
ヌズムラ村はその地帯で一番高い山脈の中にある。標高約2300m。
11月中旬にもなってまだ半袖で過ごせるアンタルヤとは異なり、もう冬の足音が聞こえる。
年内は雪で行けないかもしれないけれど、少し暖かくなったら20年以上ぶりになるけれど訪ねてみよう。
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