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先週末から今週は修行旅の村への下見と打ち合わせに出かけていました。
下見に行くなんて時間的にも経費的にも体力的にも二度手間なんですが、初めて訪れるところもあるので念には念を入れてのことです。 おかげさまで良い出会いがいくつかありました。 そしてタイミングよくブルサに滞在中にテキスタイル博物館で開催中のオットマン刺繍布のコレクション展のオープニングセレモニーがあり、なぜか市長さんとテープカットまでしてきました。 こちらは年末まで展示が続くようですので、興味がある方はぜひご覧ください。 ヘサップイシ、トゥルクイシ、テルサルマテクニックなどによる18~20世紀のオットマン刺繍が約300点展示されています。 また今週末はブロックプリントの先生のアトリエで、かご編みと絞り染めなどのワークショップが3日間に渡り開催されたので、それに参加してきました。 かご編みの先生は黒海地方のトラブゾンからいらしたプナル先生で、絞り染めは私がずっと気になっていて会いたいと思っていたウスパルタ大学のムスタファ先生です。 ![]() 私が参加したのはプナル先生のかご編みです。 今回はラタン材を使用したものでしたが、トルコには木の枝を剥いて作った繊維や葦の茎を開いて使ったかご編みの伝統があります。 村でオリーブ摘みで使う舟形のかごや、卵入れのコロっとしたかごなどを見かけて譲ってもらい持っていますが、これらも時代と共に忘れられつつある文化のひとつです。 いきなり職人さんの元に丁稚に入るのもなんですので、まずは基本を学ぼうと思ったのです。 ![]() アンタルヤとその近郊の県からたくさんの女性たちがワークショップに参加していました。 大学の先生や生徒さんたちも大勢いました。 決して安価でない(日本のワークショップと変わらない受講料です)お稽古ごとに、惜しみなくお金を出せる立場であることは間違いないですが、手仕事が大好きでたまらないと目をキラキラ輝かせて先生の話に耳を傾け、楽し気に作業をしている様子は私には衝撃的でした。 そして参加者の口から出たのは「いままで手仕事品を買う時は少しでも安く買おうとしていた自分が恥ずかしい。自分で作ってみて、一作一作にどんなに労力と時間が使われているのか理解できたわ」と言う言葉でした。 トルコでは時間と労力をかけて手によって作りあげられたモノや作業に対して賞賛の意味で 「エルエメイ ギョズヌル」と言います。 TDKの辞書によると 「完成までに長い期間がかかり、たくさんの仕事量を要し、長時間の作業を必要とする手仕事に対して使われる言葉」だそうです。 そこに費やされた、作者の労力、努力、時間、お金は計り知れないものです。 いずれも一昼一夜では成せないことですよね。 エルは手 エメイ(エメック)は仕事 ギョズは目 ヌルは光 の意味です。 長い時間をかけて、精神をすり減らしてまで手から生まれた何か、それは目の光同様にとても価値のあるモノです。それを「手によって生み出された仕事、目の光」と表現しているのだと思います。 もっと深堀りしてみると、例えばイーネオヤや絨毯織りなどの細かい作業に対してはその手仕事を成し遂げるには目の光、つまり視力さえも失うほどの時間の経過と困難さがあると言う意味だと語る人もいます。これは実際その通りですね。 そんなトルコのエルエメイ ギョズヌルの数々を、トルコと日本をオンラインで繋いで様々な形でご紹介、一緒に体験していけたらと考えたのが今回のオヤマニアの会さんとのプロジェクトです。 ![]() いままでも取材報告として日本でセミナーやお話会、ブログ、動画などでもご紹介してきましたが、コロナ時代を経てみなさんが使い慣れてきたオンラインシステムを使わないのはもったいない。 私が行く先々で出会ったトルコの手仕事を見たり、習ったりの同時体験を実現したいと考えています。 ただ私が出先に居て、さらには中継をする時間的な余裕がある時でないと叶いません。 出来る機会は限られてしまうかもしれませんが、今後、チャルパナ(カード織り)、テルクルマ(金属リボン刺繍)、オスマンルナクシュ(オットマン刺繍)、チョラップ(トルコ式民族靴下)などのワークショップも予定しています。 たくさんのご参加があればあるほど、経費的にわざわざ出向くことも可能になってきます。 みなさまに応援していただくことが励みになります。よろしくお願いいたします。 第1回目としてムシュクレ村出身のセルダ―先生に伝統のイーネオヤモチーフ2種を教えてもらいます。セルダ―先生は現在、推薦により国家芸術家ライセンスのイーネオヤ部門の候補者です。秋には確定する見込みです。 6月4日(土)16:00~18:00 スイカの花 20:00~22:00 ムシュクレ村のチェイズの中身(お話会) 6月5日(日)16:00~18:00 茂みのバラ お申込み、詳細はオヤマニアの会さんのブログをご覧ください。 ⇒ オヤマニアの会 ムシュクレ村のチェイズの中身は、セルダ―先生のお嫁入持参品のイーネオヤの数々を説明をしていただきながら一緒に見ます。 私が通訳と追加解説しますので、質問などもどんどんしてくださいね。 先日、先生のお家に行って確認したところ、大きな包みに2つぎっしり詰まっているオヤを見ました。ムシュクレ村に暮らすお母さんとお姑さんが作ったもの、さらに古い時代のものもあります。 お話会はオヤを作らない方のご参加もお待ちしております。 ------------------------------------------------------------------ YouTubeに「ikumi nonaka」チャンネルを開設しました。 トルコの伝統手工芸、食文化、生活、牧畜などをご紹介していきます。 新着のお知らせがいくように、チャンネル登録をぜひお願いします❤ ikumi nonaka チャンネル ------------------------------------------------------------------ ミフリのショッピングサイトはコチラ↓ ![]() ミフリ&アクチェ ![]() にほんブログ村 ![]() にほんブログ村 ![]() その他・全般ランキング ![]()
Last updated
May 23, 2022 05:12:35 PM
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