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バスク~木版ハンドプリント

April 13, 2019
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トカットのオリジナルのデザインは、これまでにご紹介したものを含めて以下のものがあります。(過去のブログをご参照ください)
・トカット・エルマルス
トカット・ヤルム・エルマルス
トカット・キラズルス
トカット・ベシリシ
トカット・イチ・ドルス
トカット・ウズムルス
・アイナル・ヤズマ
トカット・イチ・ボシュ(カイセリ・ケナル)
プルケット(ピラカ)
・カシュック・サプ
・エフ・イシ
カイナナ・ユムルウ
アスマ・ヤプラウ
・トラブゾン・ケナル

本来、トカット以外の地域のデザインですが、トカットでも一般的に製作されたと考えられているものが以下です。多くは名称や好まれたち地域などからもイスタンブルの工房のデザインと想像されます。
カンデルリ
チェンゲルキョイ
キリットリ・ヤズマ
ラーレリ
ドラマ
・ケスターネリ
・アラップル
・フリヤール
パルチャル
・ヤルマル
ホロズ・クイルウ
・ジンゴロズ
・ハマーミィエ
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昨年からすっかり途切れていましたが、今年の夏に都内でトルコのバスクのコレクション展示を含むイベントがありますので、また少しずつ書いていきたいと思います。

トカットでも作られていましたが、本来は他の地域のデザインであるバスクのひとつ「ハマーミィエ」のお勉強会がイスタンブルでありました。
お世話になっているバスクの先生から突然だったのですがお電話でご招待を受け、目の前に積まれている仕事から逃げるかのように(笑)飛んで行きました。

ハマーミィエとはこれ。




いくつか種類があって、版の配置、色遣い、地域などで分類されます。
基本的にはインドからシルクロードを経て伝わってきたモデルです。
それがイスタンブルで独自に展開され、トルコのバスクモデルとして定着したもの。




ハマーミィエの歴史、分類、地域ごとの違いなどを古い現物を見ながらお勉強。
私も何枚かは持っていますが、画像でしか見たこともないものもあって、メモ取る手も止まりがち。しかもぐちゃぐちゃメモで見直したけど何書いてあるかわからない・・・。
だから何も説明できましぇん・・・。




実技はやらない主義のミフリ社長であるけれど、版のパターンや配置、色の詳細を知るには、実技はとってもためになりました。

ハマーミィエは黒の版に、2色、3色、4色と色付けしますが、その配色なども実際に塗ってみると、なぜ2色なのかとか、なぜ4色必要なのか、とかがよくわかります。




古いモノを知ることは大切だねえ・・・とつくづく思います。
なぜこれがトルコにあって、その地域ごとの特徴があって、誰が作って、どう伝わったか・・・その背景や環境を知ることは、そのモノが存在する意味を知ることでもありますから。

イーネオヤでもキリムでも、バスクでも古いものを再現する作業というのは、有意義だと思っています。もし日本で再現ワークショップなどの機会がありましたら参加をお勧めします。
なんて言ったっけ? 温故知新の精神ですウィンク

今回、集まったのはトルコ各地でバスクを研究していたり、他の専門も含めて伝統手工芸に携わる人たち。そして別の日に行われた生徒さんたちのイスタンブルの木版についてのスライドによる研究発表会にも参加しましたが、みなさん、本当によく勉強していて、本当にタメになったし、よい刺激を受けました。




先生、参加者のみなさま、生徒さんたち、お世話になり、ありがとうございました。

バスクは細かい針仕事(私にとっては主にイーネオヤのことですが・・・)と異なり、誰でも気軽にやることができます。
全くの初心者でもなんとか形になる。
もちろん、染料の準備、版の製作、デザインセンス、染めや押しのテクニック、作業の熟練度などは経験を積むほど上手く、スムーズになっていくものではあるけれど、初めてでも完成させることができるので満足度はかなり高いと思います。




日本ではなかなか接する機会のない伝統手工芸ですが、7月、8月のイベントでは、その魅力をしっかりお伝えできたらいいなと思っております。

引き続き、トカットへもおこもり修行へ行って参ります。

おっと、その前に、さらに溜まってしまって処理しきれていない仕事を少しでも片付けなければなりませんねえ。
やめたい、やめたい、と言いつつ、自ら年々仕事を増やしてしまっていますが、私は本当に4年と1か月後に年金退職できるのでしょうか。

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Last updated  April 13, 2019 10:06:15 PM
November 21, 2018
トカットのタシュ・バスク(木版ハンドプリント)のオリジナルのデザインは、これまでにご紹介したものを含めて以下のものがあります。(過去のブログをご参照ください)

・トカット・エルマルス
トカット・ヤルム・エルマルス
トカット・キラズルス
トカット・ベシリシ
トカット・イチ・ドルス
トカット・ウズムルス
・アイナル・ヤズマ
トカット・イチ・ボシュ(カイセリ・ケナル)
・プルケット(ピラカ)← 今回はコレ
・カシュック・サプ
・エフ・イシ
カイナナ・ユムルウ
アスマ・ヤプラウ
・トラブゾン・ケナル

本来、トカット以外の地域のデザインですが、トカットでも一般的に製作されたと考えられているものが以下の14種です。多くは名称や好まれたち地域などからもイスタンブルの工房のデザインと想像されます。
カンデルリ
チェンゲルキョイ
キリットリ・ヤズマ
ラーレリ
ドラマ
・ケスターネリ
・アラップル
・フリヤール
パルチャル
・ヤルマル
ホロズ・クイルウ
・ジンゴロズ
・シャム・ハマーミイェ
・シネッキリ・ハマーミイェ
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今回はトカットオリジナルのデザインから「プルケット」。




プルケットはオヤスカーフであるヤズマのデザインです。
ボーダーのみに版があるタイプです。
トカットでも昔からある古いヤズマデザインの一つだそうです。
シンプルで地味なので見逃しがちですが、重要なデザインってことですね。

メインのお花があり、小花と実のような小さな粒の集合がついているのが基本。
左右非対称の大きな版で、それを対面する2辺に4つずつ、空きができた左右のスペースに1つずつ、合計10個の版が押されます。

職人さんにより版の位置のバランスは微妙です。
例えば私の持っているプルケットの版は3+3+2+2、合計10個です。




プルケットは黒地が一般的ですが、他に黄色や青色もあります。
トカットのオリジナルというからにはもちろん色版を重ねるエルバンテクニックで作られています。

アフィヨンやブルドゥルなど内陸から地中海方面で人気があったそうですが、エーゲ海地方のバルケシール、マルマラ海地方のビレジッキでもたくさん見つけましたので広く需要があったのかもしれません。

ところで「プルケット」って何を意味するのでしょう。
別名のピラカもなんだかわかりません。
検索でプルケットを探すとなぜか私のブログと画像が出てきちゃうんですよねえ・・・。

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Last updated  November 21, 2018 07:06:18 PM
November 18, 2018
オヤスカーフのスカーフ部分であるヤズマのモチーフのうち、1970年以降、一般的によく見られたものと言えば「葡萄の葉」ではないだろうか。

もちろん地域性もあるし、年代的なブームもあるから一概には言えないかもしれないけど、木版ハンドプリントの時代から、シルクスクリーン、機械プリントと移行しても、どの年代でも必ず見られるモチーフであるし、トルコの古いスカーフをたくさんお持ちの方なら1枚ぐらい入っているかもしれない

ヤズマのデザインはそれこそ数えきれないほどの数がある。
しかも元が同じモチーフであったとしても職人さんによってバリエーションがあって、同じ型のものを探す方が難しいぐらいである。




この葡萄の葉のモチーフ。
よく見るといろいろ疑問がわいてくる。
葉はたしかに葡萄の葉である。
しかし花のようなものは一体なんだろう・・・。
ずっと思っていた。
そして古くからいる木版職人さんたちの答えはいつも「腎臓」であった。
もちろん植物の先に腎臓がくっ付いているわけがない。
なぜ「腎臓」かの答えは得られないまま。

腎臓・・・?
なんで腎臓・・・?

モチーフはヤズマに限らず、キリムでもオヤでも必ずしも名前そのものを表していないことが多い。実際が何であるかよりも、xxに見えるから・・・職人さんや作り手たちの間で通称として呼ばれていたものがそのまま固定されて代々伝えられる例もよくある。

イーネオヤの例で言えば、丸い円が二つあるモチーフを「鳩の目」と言う。
これは鳩の目そのものをデザインしたわけではなく、本来は実際にある(または空想の)丸いお花を作ってみたら鳩の目に似ていたから・・・という理由でついた。
「雄牛の睾丸」なども同様である。

ただ葡萄の葉については「葡萄」と言うぐらいだから、葡萄の実がついているべきじゃないかと調べていくうちに、こんなモチーフがあることも知った。




これはまんま「葡萄の葉と実」である。

また家の棚の中にあるヤズマを出すのが面倒だったので画像はないけど、意識して探し始めたら葡萄の葉モチーフの実の部分が腎臓に変化する過程を示す例も出てきた。

まあね、推測するにはモチーフって誰かが作ったのを見て「あらっ、素敵💛」って自分バージョンで模倣していくことから広がるものだから、2本ある茎や葉は変化しなかったものの、その上に付いているツルらしきものや実(もしくは花)が、デザインのバランスなどを追及していった結果、腎臓と呼ばれる謎のモチーフになったんだろうな・・・と思う。

腎臓はトルコ語でボブレッキと言う。
ボブレッキに特別な意味や思いがあるかと考えてみたけど、内臓系で言えばむしろ「肝臓」である「ジエル」の方が意味深い。
肝臓がなくてはならない重要なものだという捉え方から「私の肝臓が痛む」というトルコ語の言い方があるが「心が深く傷ついた」ことを意味する。
また大切な人に対して「ジエリム」つまり「私の肝臓ちゃん」と呼ぶが、「私の腎臓ちゃん」という言葉は聞かないなあ・・・と思ったからなんだけど。

結論:モチーフは形状的にも何かの花なんだろうけど葡萄の花には似てないし、腎臓と呼ばれるのは最終的に出来上がった形が腎臓に似ていたから・・・というところかな。
-------------------------------
さてさてオヤフェスの展示の撤収まで残り2週間。
頭飾りをつけた羊ちゃんが待っています。




ブルサ市主催「国際シルクオヤフェスティバル」のイベントは終わりましたが、コレクション展示、日本人作家さん、愛好家さんのオヤ作品の一部は、11月末日までブルサ市のメリノス・テキスタイル・サナイ博物館で続けて展示されていますので、イベント期間中にいらっしゃれなかった方もぜひ見に行ってみてくださいね。

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Last updated  November 18, 2018 06:49:21 PM
September 14, 2018
トカットの木版ハンドプリント「タシュ・バスク」はプリントの技術を指し、その用途は様々であったが、おそらく数量的に多かったのはスカーフだろう。

スカーフは大きく2種に分けられ、「ボフチェ」と呼ばれる風呂敷や遊牧民たちが被る大きなスカーフである100×100cm~120×120cmサイズの大判のもの。

そして「キャート・イチ・ヤズマ」と呼ばれる、いわゆる私たちが知っているオヤスカーフに使われる「ヤズマ」である。
ヤズマの場合は古いものほどサイズが小さく60×60cm~80×80cmサイズ。




ところで、なぜオヤスカーフ用のヤズマが「キャート・イチ・ヤズマ」と呼ばれたのか・・・・。
キャートとは「紙」、イチは「中」と言う意味で「紙の中に入っているヤズマ」の意味である。

大判のスカーフに比べて生地が薄く、破れやすいことから、1枚1枚わら半紙サイズの折りたたんだ紙に入れて売っていたからだそう。

驚くほどの極薄で開くだけで破れてしまいそうなほどの繊細な特別なヤズマを「キャート・ヤズマ」と言う。
「紙のように薄い」という意味であるが、もしかしたら語源は「キャート・イチ・ヤズマ」から来ているかもしれないと、このところ思い始めている。

さて、そのキャート・イチ・ヤズマのタシュ・バスクもトカットで多種多様に製作された。
キャート・イチ・ヤズマの場合、他のタシュ・バスクと異なり、モチーフはボーダーのみに入れ、中心部は空白のままというのが基本である。

現在までにそれこそ数えきれないほどのモチーフが世に出ているが、トカットのオリジナルのモチーフがいくつかある。
そのひとつ「カイナナ・ユムルウ」。




カイナナはトルコ語で「お姑さん」のこと。
ユムルックはゲンコツで「お姑さんのゲンコツ」の意味である。

モチーフの形がゲンコツに似ていることからエスプリでそう付けたらしいですが、そう名付くことからも、昔は姑と嫁の関係がどうだったかを物語っている。
だぶんトルコに限らず、日本でも昔はそうだったのでしょう。




今ではお姑さんを疎ましがることはあっても、ゲンコツ食らわされると怖がる嫁はいないかと思いますが、むしろ嫁のゲンコツの方が怖かったりして・・・なんて自分を含めて周囲を見回してそう思ったりもする。

我が家のお姑さんは気を遣う控えめな人で、周囲にも嫁にも負荷ゼロのお姑さん。
自分がお姑さんで苦労したから誰にも迷惑かけたくないし、負担にもなりたくないらしい。
3か月前に舅が亡くなって一人ぐらしでは大変だろうからと、義弟夫婦や義姉たちがお姑さんのそばにいるけど、一緒にいるときは素直に受け入れるし、いられないときはそれぞれの生活を壊したくないから私は一人で大丈夫って。私もこういうお姑さんになるために老人ホームに入れるぐらいのお金は貯めておかなきゃって思う今日この頃。もう他人事じゃない年齢だよー。

って話が思いっきり横道にそれたけど。

細長いバーの左右(上下)にゲンコツに似た形の葉がついた型。
ボーダーのみに押しますが、対辺に3つ、別の対辺に2つずつ押すそうですが、向きなども含めて本来は基本型があったかと想像しますが、実際に見てみると職人さんによっていろいろです。

トカットのジッレ、アナトリアのアフィヨンカラヒサ―ルで好まれて使われた。
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9月27日(木)ー30日(日)10:00-20:00(最終日は17:00まで)
ブルサ市主催、テキスタイル博物館で
「国際シルクオヤフェスティバル」が開催されます。




テキスタイル博物館は、ブルサの中心部を東西に走る国道D200号沿いにあるメリノス・キュルトゥル・パーク(公園)内にあります。
トルコ旅行中の方、在住の方もどうぞお立ち寄りください。お待ちしておりまーす。

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Last updated  September 14, 2018 07:52:51 PM
August 17, 2018
トカットのオリジナルのデザインは、これまでにご紹介したものを含めて以下のものがあります。(過去のブログをご参照ください)
・トカット・エルマルス
トカット・ヤルム・エルマルス
トカット・キラズルス
トカット・ベシリシ
トカット・イチ・ドルス
トカット・ウズムルス
・アイナル・ヤズマ
・トカット・イチ・ボシュ(カイセリ・ケナル)
・プルケット(ピラカ)
・カシュック・サプ
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・カイナナ・ユムルウ
・アスマ・ヤプラウ
・トラブゾン・ケナル

本来、トカット以外の地域のデザインですが、トカットでも一般的に製作されたと考えられているものが以下の14種です。多くは名称や好まれたち地域などからもイスタンブルの工房のデザインと想像されます。
カンデルリ
チェンゲルキョイ
キリットリ・ヤズマ
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・ケスターネリ
・アラップル
・フリヤール
パルチャル
・ヤルマル
ホロズ・クイルウ
・ジンゴロズ
・シャム・ハマーミイェ
・シネッキリ・ハマーミイェ
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今回はトカットオリジナルのデザインに戻って。
「トカット・イチ・ボシュ」

「トカット・イチ・ドルス」というのがあります。
中が埋めつくされている・・・・という意味でしたね。
言葉通り木版で空間が埋められているものです。

なら、その逆もありそう・・・。
それが「トカット・イチ・ボシュ」。
中がカラって、そのまんまですが、ボーダーと四隅に小さなモチーフが押されているだけのものです。
感覚的にはモチーフがたくさん入っている方が手間もかかって優れているように思えますが、実はキリムや絨毯などでも言えることですが、空間が多いものほど難しいものです。
シンプルなだけに、それだけで見せていかなくてはいけませんので、ちょっとした配置バランス、モチーフの間隔など、些細なことで秀作、駄作に分かれてしまいます。




デザインをたくさん入れることでごまかせることが、空間の多いものほどできなくなるってことです。
トカットのタシュ・バスクにも同じことが言えると思います。

ボーダーは花と枝のアンシンメトリーなデザインの木版を押し、四隅には同じく花と枝のモチーフで円形になった、しかも中心部が空間になっているものを使います。




この四隅の木版の押す方向も興味深いです。
中心に向かって同じ方向を向くように押しているのかと思いきや、ある1辺に対して左右のモチーフは同じ向きに。
そして180度布を回転させて、反対側も右左に同じ向きに押します。
またわかりにくい説明ですね。
ぜひ画像を確認してみてください。




この「トカット・イチ・ボシュ」、別名を「カイセリ・ケナル」と言います。
カイセリというのは中央アナトリアにある地名ですね。
なぜカイセリと付けられたのかは不明ですが、私は個人的にはこの「トカット・イチ・ボシュ」はバルケシール、マニサなどのエーゲ海地方の特に古いヤズマでみることが多いです。
(続く)
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10月21日ー27日のトカット滞在のイーネオヤ&バスクツアーにもぜひご参加ください。
トカットツアーのお問合せは旅工房さんの秘境専門デスク TEL 03-5956-3148 まで。

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Last updated  August 17, 2018 11:14:07 PM
August 16, 2018
ブルサでの用事を済ませて、マンダ(水牛)村までなんとかたどり着いたミフリ社長。
村長さんにも、マンダ組合の組合長さんにも連絡してご挨拶済み。
放牧地までの案内役までご用意してくれるという話まで進んでいました。

私は残りの人生をこのマンダに掛けていますので、かなり真剣(マジ)SUNSHINEです。
いや、別に何かしようってわけではなく、マンダがあまりにも可愛らしいから、その生態と日常などをちょっと知りたいだけなんですけど・・・。

というところでオヤフェスの準備も実は佳境に入っています。
カタログの入稿の段階でアレ、日本人オヤ作家さんたちのプロフィール写真がない、この作品は誰のだっけ!? と問い合わせが来て、日程ギリギリですから放置するわけにもいかず、いったんデータ整理のためにアンタルヤへ帰ることにしました。

今週から来週までトルコは犠牲祭の9連休に突入します。
そしたら官公庁は動きませんので、その時にマンダの追っかけに再チャレンジするつもりです。
(これで今年のノルマは「トラキア地方のひまわり畑」以外は達成!)

さて、旅の話はのちの「マンダ放牧地追っかけ紀行」の際にまとめてお伝えすることにして、トカットの伝統的なタシュバスク(木版ハンドプリント)に戻します。

本来はトカット以外の地域のデザインですが、トカットでも長い間製作されていたもののひとつ
「ドラマ」。

「ドラマ」という名称に何かトルコ語での別の意味が含まれているのか、調べたのですが、どうやら単純に「劇」の「ドラマ」のようです。
ドラマチックなヤズマということでしょうか。




ドラマには2つの木版が使用されます。
両方ともバラのモチーフで、ひとつは大きめ、もうひとつはそれより小さな版です。

大きな版は右に頭を垂れ、小さな版はその逆側の左に頭を垂れています。

大きな版はボーダーとして花が外側に向かって4辺に沿って押されています。
小さな版は中央に円を描くように花が内側に向くように配置されます。




この「ドラマ」はもうひとつの名があって、「アナル・クズル」と言います。
「アナ」は「母」、「クズ」は「娘」。
つまり母と娘を描いたヤズマの意味です。

外側に向かって堂々と咲き誇る大きなバラは母親、そして中心で内を向いてひっそりと咲く小さなバラは娘・・・・・というわけです。

これには逸話があります。
日本人の女性がバスクを習いに来た際に、2つの版を渡されこの「ドラマ」を製作しました。
配置的には特に難しいことなく、完成したのですが、何か違和感がある・・・・。

そして気がついたのが中心の「娘」のバラが逆向きに押されていたのです。
内を向いて恥ずかし気に咲いているはずのバラが、外側を向いて元気に咲いていました。
「あはは・・・これは『日本人の娘仕様のドラマ』ね」と言われましたが、確かにね。

ドラマはエーゲ海地方、イズミル、アイドゥン、マニサなどで好まれたそうです。(続く)

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Last updated  August 16, 2018 06:50:42 PM
August 9, 2018
引き続き、トカット以外の地域で製作されたタシュ・バスク(木版ハンドプリント)のデザインですが、トカットでも一般的に製作されてきた14種のデザインの中からご紹介します。

「キリットリ」
イズニックで1950-70年代に作られた平面の大きなイーネオヤスカーフを探すと、このヤズマがよく出てきます。
全て同じ工房で作られたのかとも思ったのですが、よく見るとそれぞれ版が異なったり、デザインが違いますので、当時の人気のヤズマだったということでしょうか。

5つの大きな枝に花がついたモチーフが真ん中に押されています。
角にそれぞれ1つずつ、そして中央に1つ。
上下のあるモチーフですので、方向を見てみますと、これが面白い。




中央に押してあるものは対角線上に上下を据えて押してあります。
まあ、これは普通。
そして四隅はと言うと、上が角で下が中心に向かうように配置・・・・これも普通。
と思いきや・・・そのうちの1つが中央を下にせず、上下逆さまにあるのです。
わかりにくい説明ですみません。
上の画像で確認してみてください。

これ、なんでこんな風に押しているのかって考えたのですが、配置的には中心に向かって根があり、そこから外側である角に向かって花が咲いているというのはごく普通の感覚だと思います。しかし、もし三角に畳んでスカーフにして被ったとき、頭に後ろに見える部分のお花が上下逆さになってしまいますね。
それを避けるために、1か所だけ逆に押したのではないかと想像します。
キリットリは80cm×80cmの日常的に使われるオヤをつけるスカーフとして作られたため、あり得る推測かと思います。




私は実はこのキリットリを長い間「チェンゲルキョイ」のミニ版かと思っていました。
「キリットリ」と「チェンゲルキョイ」のボーダーがとても似ているため混同していたのです。
両者とも正方形を45度回転されたデザインで、気をつけて見ればキリットリはその正方形がお互いに絡み合って重なっているので、横に並んでいるチェンゲルキョイとは違うものだとわかりますが、インパクトの強いデザインだけにイメージって怖いですね。

ちなみに「キリット」とはトルコ語で「ロック」の意味。
昔はドアの取っ手にチェーンをかけて南京錠で「ロック」したりしたわけですが、ボーダーの45度傾いた正方形がお互いに絡み合っていることから「キリットリ」と呼ばれたそうです。

このキリットリは本来、ボルドーと白を地として作られたそうです。
ボルドーは西洋茜の根を使って染めたアリザリン染めですので、天然染めの終焉とともに「キリットリ」の製作も終わり、現代では作られていないものです。
そして偶然にも上の画像のものがボルドーと白色の地ですが、下の他の色のデザインとの違いがわかりますか?




逆に押されているモチーフの下、角のところにリボンがあるか、ないか・・・です。
そしてリボンの形も3つあれば3つとも違うのです。

ブルサやイズニック、バルケシールなどで人気のあったヤズマです。(続く)

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9月26日(水)―30日(日)にブルサ市テキスタイル博物館で開催される「第1回国際イーネオヤフェスティバル」に遊びに来ませんか?
26日は19:00よりレセプション、27-30日はトルコのコレクタ―たちの自慢のコレクションを一気に展示、ムシュクレ村などへのツア―、各種ワークショップ、専門家による講演などが行われ、全て無料で参加できます(ツアーやワークショップなどは定員に達し次第締め切られます)、各地からのイーネオヤ関連の女性たちも集まり、デモンストレーションや販売などもあります。ムシュクレ村からはイーネオヤで埋め尽くされた「割礼式のベット」もやってきます。

また特別展として日本人のイーネオヤ愛好家、作家さんたちによる作品の展示を行います。
「私も出展して、トルコの人たちに見てもらいたい・・・・」という方がいましたら、まだ登録にギリギリ間に合いますのでお知らせください。開催日前までに画像をサイズなどを送っていただければ、作品は前日(9月25日)までにお持ち込みください。まだ1か月半ありますので、力作をお待ちしております。審査はありませんし、イーネオヤのスキルも問いません。ただ博物館展示に相応しい「作品」として仕上げて提出してくださるようお願いいたします。

イスタンブル空港からブルサの会場までは約200km。
現地ツアー会社の送迎車のご紹介(日本語)、ブルサでのホテルに関するご相談なども受付中。
今回、日本からのツアーは設定しませんが、ご自分で飛行機チケットさえ手配していただければ、あとはこちらでもできることはお手伝いいたします。
個人旅行がご心配な方もまずは相談してくださいね。 
オヤフェスのお問合せ・出展参加お申込みは私まで → 
よろしくお願いいたします。
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10月21日ー27日のトカット滞在のイーネオヤ&バスクツアーにもぜひご参加ください。
トカットツアーのお問合せは旅工房さんの秘境専門デスク TEL 03-5956-3148 まで。

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Last updated  August 9, 2018 05:06:49 PM
August 7, 2018
引き続き、トカット以外の地域で製作されたタシュ・バスク(木版ハンドプリント)のデザインですが、トカットでも一般的に製作されてきた14種のデザインの中からご紹介します。

「チェンゲルキョイ」
このデザインは現在もシルクスクリーンや、デジタルプリントなどで作られていますので、トルコの観光地などで目にする機会があるかと思います。
正方形の布(ヤズマ)としても売られていますが、加工してサマードレス、ブラウス、オヤ付きのフラルなどとして商品化されています。

ここでご紹介するのは、似て異なるもの。タシュ・バスク(木版ハンドプリント)でフル手作業で作られた昔ながらの製品です。




チェンゲルキョイという名称はどこから来たのか・・・・。
というのも「キョイ」は「村」という意味で、つまり「チェンゲル村」という名前が付けられているからには、そういう地名があったと想像されます。
で調べてみるとイスタンブルのアジアサイドのウシュクダルにチェンゲルキョイという地区がありました。元々イスタンブル出のデザインであることを考えたら、この地区との関連性は高いと思います。

地の色は黒が基本で、そこに
花束をモチーフにした正方形の大きな型が100x100cm、または110×110cmの布の場合は3x3、9つ押されます。このモチーフは「トカット・イチ・ドルス」にも似ていますが「鳥の羽」のようなデザインが付いているのが特徴です。
そしてボーダーは正方形を45度回転させた形で並べたモチーフ。
カラカレムで押し、さらにエルバン(色版)で赤、黄色、緑、青などで色付けをしていきます。




製作された絶対数が多かったためか、職人さんにより、地の色は黒以外にもボルドー、緑、黄色、白、ピンクなど様々で、エルバンもそれに合わせて組み合わせを変えていきます。

中央に使われる大きな版は「トカット・イチ・ドルス」同様、上下のあるモチーフのため、2列は根元が下に向かうように、一列はその逆に押されます。9つが同じ向きでないというのが気をつけてみるとわかります。




黒海沿いではシバスとその周辺、シノップのドゥラーアン、ボヤバット、カスタモヌのタシュキョプリュ、マルマラ海地方のブルサ、キュタフュヤ、バルケシール、エーゲ海地方のウシャクなどで好まれたそうです。
もちろんトカットでも特にトザンルで人気のデザインで、「トザンル・ヤズマ」という別名もあったようです。
トザンルでは130×130cmの大きめのヤズマに押されたために、3×3の9つではなく、4×4の16個の大きな版を押したことから16を意味するトルコ語「オン・アルトゥ」を頭に付けて「オン・アルトゥ・チェンゲルキョイ」とも呼ばれました。




さて、画像を見ていて疑問に思った方もいるかと思います。
白地や薄い黄色地の場合は、カラカレムをその上に押して、さらにエルバンで色を重ねても普通に色が付きますが、黒やボルドーなどの濃い色の場合、版が押されている箇所は白抜きにしないといけません。
黒の場合は以前のブログでもご紹介した通り「ソクトゥルメ」のテクニックにより白抜きにして版を押すことができますが、他の色の場合はどうしたのでしょう・・・。(続く)

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引き続き、トカット以外の地域で製作されたタシュ・バスク(木版ハンドプリント)のデザインですが、トカットでも一般的に製作されてきた14種のデザインの中からご紹介します。

「カンディルリ」
「カンディル」とは「カンテラ」のこと。
「カンテラのモチーフが付いた(ヤズマ)」を意味します。
カンテラと言われても知らない人もいるかと思いますが、ガラスやブリキの手持ちランプをイメージしていただければわかるかな。




電灯がない時代は、蝋燭やオイル燃料のランプを手に提げて、部屋の中ではそれを吊るして照明にもしたそうです。




トルコのモスクに入ったことがあれば、内部に吊るされた巨大なシャンデリアに設置されたガラス製のランプを思い出していただくとイメージしやすいかもしれません。
そのカンテラがなぜ、ヤズマのモチーフになったのか、とても不思議ですよね。

トルコのムスリマンたちにとって、宗教的に重要な夜が5つあります。
そのうち4つを「xxxカンディル・ゲジェシ」と言います。
「xxxカンテラ・ナイト」です。

トルコでモスクのミナレットの間に電光の文字が吊るされるのを見たことがあるでしょうか。
その昔、カンテラで文字を作ったことから「カンディル・ゲジェシ」と呼んだそうです。またイスラムのお坊さんのお説教を聞く部屋にカンテラを吊るしたことなどからも、宗教的な意味を持つモチーフのひとつなのです。




そのカンディルを四隅に押しています。
上下のあるモチーフですので、中心が上になり、隅が下になるように配置しています。

ボーダーでぐるりと囲み、さらに4辺の縁には「シレ」という道具を使って、黒、赤、紫などに色を塗ったそうです。「シレ」という道具がどういうものなのか全く検討が付きませんが、想像だけでいえば、ヘラのようなものに染料をつけて引いていくものか、ハンドプレス機で布の端を挟んで色付けをしていくか・・・とか考えたのですが、わかりません。
機会があったら尋ねてみたいと思います。

このボーダーの外側の布の縁に色を塗るというのは、地の布が「白」であったからこそ加えられた作業なのでしょう。
カンディルリのヤズマは過去に私が見たものは全て地が白でした。敬虔な気持ちになるデザインですので白であるべきと考えられた可能性はあります。

さて、カンディルリのヤズマの本来の形はこれらに他のモチーフが加わります。
中央部に円形の中にスルタンのトゥ―ラと呼ばれるデザイン文字、そしてカンディルの間には月と星の版が押されています。星は時代を経てお花に変わったのでしょうか。星と5弁の花のモチーフは同じものとして扱われることが多々あります。




トゥ―ラは上下、左右があります。対角線上を上下、左右として版が押されています。
尖がった部分が上、こぶしのように膨らんだ部分が左側になります。

色は赤、青、黄色が使われていますが、エルバン(色版)を重ねたものではなく、筆で塗ったものであることは明らかです。それもしっかりというよりは、ちょちょっと色を付けた感じのタッチで見ようによっては手慣れた職人技、また別の見方をしたら時間があまりかけられなかったのかな・・・です。画像右下の端の凸凹のモチーフのところ、黄色を塗る場所を間違っているのもご愛敬なのか理由があるのか。

さて、カンディルリのヤズマはトカット周辺のシバス、チョルム、ジッレなどで好まれたそうですが、特にシバスの村々ではこのヤズマを被る日というのがあったそうです。
それはこの辺りで採れる「マドマック」を収穫に行く時。
マドマックというのは茎がほんのり赤い葉で、料理に使われるのですが、見た目から言うと(たぶん)日本でいう「タデ」のことだと思います。
自信はありません。間違っていたらごめんなさい。

「マドマック」採集は村の人たちにとっては特別な意味を持つイベントだったのかと思います。
だってカンディルリのヤズマを意図して被るのって宗教的な行事の時かと思いますよね、普通。
それがマドマックのために被るというのも、本来、言い伝えられる話がきっとあるはず・・・。
(続く)
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「ラーレリ」
「ラーレ」はイーネオヤでもお馴染みのモチーフ名ですから、ご存知の方も多いことでしょう。
「チューリップ」のことです。
チューリップはトルコの国花でもありますから、過去にも現在にも様々な手工芸のモチーフに取り入れられてきたものです。

「リ」は「~付きの、~がある」の意味ですので、「ラーレリ」は「チューリップのモチーフがある(ヤズマ)」となります。





ラーレリは大きな版が四隅と中心に1つずつ、合計5つ押されます。
版が上下のあるものですので、方向をどうするのかが疑問になりますが、中心部は1辺を底辺として反対の辺を上として垂直に、四隅は角を下として中心に向けた方向を上として版を押しています。

四隅は中心部に向かう形でなんとなくわかりますが、中心に押す版がどうして円形じゃなかったのかと、ラーレリについても考えさせられます。
トカットのオリジナルの木版もそうですが、他の地域のものもシンメトリーとか、円形とかがほどんとないのが特徴でもあります。




落ち着きが悪いですが、それによって全体的なデザインの「流れ」や「動き」を作っているのだとしたら、納得します。

ボーダーは真上から見たような葉が付いた花が並んだものです。
珍しくシンメトリ―のデザインの木版です。
これは「トカット・イチ・ドルス」など他のデザインにも使われることがあります。

ラーレリの地は黒が基本で、そこに黄色、赤、緑、青などが色版として使われます。
地の色は黒以外に黄色や青も見られます。

エーゲ海地方のアフィヨンやキュタフュヤで好まれて使われたそうです。(続く)
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