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続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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バスク~木版ハンドプリント

September 9, 2019
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先日9月1日(日)に、生活工房さんで開催されたトルコ文化年2019「トカットの木版バスク展」がおかげ様で盛況のうちに終了したそうです。
お越しくださったみなさま、応援してくださったみなさま、生活工房の竹田様を始め、各位関係者様、本当にありがとうございました~❤


(手彫りの木版を1つ1つ押した大判のコットン製ストール)

このトカットの木版バスク展に合わせて、バスク商品やトルコの作家さんの作品、一部オリジナルの古いものを販売品としてご提供させていただきました。
同商品はコラボレーション企画である、かまわぬ浅草店様の「トルコの手仕事展」でも多くの方にご覧いただくことができました。


(なぞなぞパンツこと、ブルマジャパンツ。カッコよく着こなせます。版を手押しした木版バスクです)

好評で残らなかったものも多いのですが、まさかこんなに売れると思わず、トルコに残していった在庫分などがあります。


(肌触りが優しく気持ちよいコットン製のモンペパンツ、版を手押しした木版バスクです)

トカットやイスタンブルの工房に通い、バスク製作の調査と取材をしながら、どんな風な工程を経て仕上がっていったのか、自分の目で確認してきて作り手本人たちから手に入れたものばかりです。
しかも機械プリントものではなく、それぞれが伝統的工法で手作業で作られています。


(手押しした木版バスクのハッピ風上着、長袖の上に羽織れます)

在庫をこのまま放置するのはもったいないです。
せっかくの作り手さんたちの手仕事、少しでもたくさんの方に手に取っていただきたい。
・・・というわけでネットショップの方で木版バスク製品の大バーゲンを開催します。


(木版を使ってハンドプリントし、筆で彩色したもの、縁にはオヤが付いています。ノースリーブですが長袖のシャツの上などに重ね着しても可愛い~)

イベント会場にいらっしゃれなかった方、お買い忘れの方、もう1枚欲しいなと思っていた方、この機会にどうぞお求めください。
送料を含めてもお得な価格になっています。(なにせ50%offですので・・・)

⇒ 木版バスク製品大バーゲン

木版バスクの木版も大バーゲン、なんとどれでも4000円、菩提樹を使っています。今トルコで作らせられない価格です。

⇒ トカットの職人さんが作った木版

ビーズアクセサリーも掲載中です。
こちらは20点以上で特別卸し価格を適用させていただきます。
ハンドメイド系のイベント、店舗、ネットショップなどで販売をお考えの方でも十分利益が出る価格に設定してありますのでお気軽にお問合せください。

⇒ ビーズアクセサリー
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【お知らせ1】

バハールさんでのアイシェとドシェメアルトゥ絨毯をテーマにしたトークイベントのお申込みが始まっています。

「トルコ・ドシェメアルトゥに伝わる手織りの絨毯のお話会 」
日時:2019年10月12日(土)19:00〜21:00
参加費:2000円+税
定員:30名さま
会場:fukadaso cafe (Baharのあるfukadao1Fのカフェです)
   東京都江東区平野1-9-7 fukadaso 1F

詳細とお申込みはこちらから → 

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【お知らせ2】

10月12日(土)~15日(火)に清澄白河で開催予定のオヤマニアの会のイベントのご案内です。
タイトル「花咲くアナトリアの大地より~トルコ伝統の手工芸~」



10月14日(月)14;00-15:00に私のお話会があります。
今回のテーマは「マルディン報告・イーネダンテルとシャフメラン探し(仮)」です。
シリア国境トルコ南東部の町の話、マルディンのぬい針によるレース編みの伝統文化、蛇の身体を持つ女王シャフメラン伝説に興味ある方はぜひお待ちしております。

詳細とお申込みはこちらから。
スザニ、イーネダンテル、キリム・絨毯、お話会はオヤマニアの会のブログ →
オスマンル刺繍とイーネオヤは平尾直美先生のブログ →

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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Last updated  September 12, 2019 06:44:49 AM
May 10, 2019
トルコのブロックプリント「木版バスク」の新作コットンストール。




染料を調合し、手彫りの版を使って1つ1つ布に手押ししていく、プリント方法です。

並べてみたら綺麗だったので写真に撮ってみました。




昔ながらの伝統柄もあれば、新しくデザインされた木版もあります。
写真以外にも色も木版も千差万別にあって、見ているだけでも楽しいです。




サイズは約190×85cm。
四季を通して、ふわっとおしゃれに巻いたり、羽織ったりしてください。
軽くて持ち運びにも便利、夏の冷房対策にもぴったりです。

7月からスタートする都内のイベントで販売いたします。
イベントの詳細はかみんぐすーん。
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Last updated  May 10, 2019 11:22:10 PM
April 29, 2019
伝統手工芸の難しいところは、伝統的な技法を守りつつ、その時代に合った製品(売り物)を作り出していかなくてはならないことだと思う。

芸術に理解のあるスポンサーがついていて、利益を考えない作家活動ができる環境なら話は別だけど、職人さんが仕事を続けていくためには、商売として成り立つことが前提にあるわけで、当然だけどいくら伝統手工芸でも、何百年、何十年前の需要と、今日の需要が一致しないと考えるのが普通だから、作るものも変わってきて当たり前である。

イーネオヤだって、スカーフを作っても、レースセットを作っても、それらを必要とする人が少なくなったから、一般の人でも買いやすいブローチやネックレスなどのアクセサリーを作るのだし、敷物としてのキリムは買わない人たちにでも、使ってもらえるように加工品であるキリムとレザーのバックを考えたりするのであって、バスクも例にもれずスカーフのヤズマとして需要がないのであれば、バックを作ったり、テーブルクロス、バンダナ、パレオをデザインしてみたり、消費者に「使ってみたい」と思ってもらうためにいろいろ考えるわけです。




写真はトルコでバティックと呼ばれる製品の製作過程で、いわゆる私たちが言うバティック(ろうけつ染め)の意味ではなく、技法はろうけつ染めではありますが、基礎になる布の上に色を塗り、それを薄い緑色に染まる薬品につけて、その上に石膏で型を押し、熱で乾かすと、型を押した部分以外が黒になり、型が押された部分の地の色が残ります。このように、布に事前に様々な色を付ける技法を指してバティックと呼んでいるようです。

これは主にビーチで水着の上に纏うパレオになったり、サマードレスの生地になったりします。

こういうのも明るくてきれいでいいのですが、日本だと身に着けてお出かけできるようなものが人気です。で、試しに色を渋めにして木版のイメージも伝えて作ってもらったのが、通年使えそうな薄手のコットンストール。




実は若手の女性の作。
3年間、先生や職人さんの元で修行して、今年の秋に展示会でデビューするそうです。
男性の職人さんとはまた別の、若い女性ならではの感覚が気に入っています。

特定の手工芸に興味を持ってもらうには、まず手に取ってもらえるモノを作ること。
そのうちの何人かでも、トルコのバスクってなんだろう、どうやって作るんだろう、なんて少しでも思ってくれるように頑張ります。

今回はお試しに秋っぽい色で作ってもらいましたが、追加で春、夏向けのパステル系でも製作中、出来上がりが楽しみです。
バスクのストールは7月の日本でのイベントでご覧いただけます。
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Last updated  April 29, 2019 10:57:08 PM
April 27, 2019
トルコのバスクの魅力をトンと説いて行くシリーズでも始めましょうか・・・。

まず「バスク」と言う言葉です。
これはこのトルコの伝統手工芸を紹介するにあたって、適切な名称は何か、一番悩んでいることであり、未だに解決していない事項です。

バスクと言ってしまうと、単純に「印刷、プリント」の意味ですので、広義で考えると、何か違うなあ・・・といつも思っています。

私が一番最初に聞いたのは「タシュ・バスク」という単語でした。
石版プリントの意味です。
が、18世紀以降の石板プリントのことではなく、もっと原始的な石や粘土で作られた型の上に染料を塗り、その上から紙や布を押し付ける方法のものだと想像します。
もしくは近代の石板プリントと混同した形で言われたものとも思われます。




古い職人さんたちが自分たちの木版バスクを指して、「タシュ・バスク」という言葉を使いますので、私もそのまま使っていましたが、最近になってわかりにくさからか「タフタ・バスク」「アウシャップ・バスク」と言う言い方が一般的。
「木版プリント」の意味です。

一部ではそれも適切でない、と「ゲェレネッキセル・バスク」、つまり「伝統的な印刷技術」全般として言う人たちもいます。

機械プリントやシルクスクリーン印刷と区別するため「エル・バスクス」、手作業によるプリントという言い方もわかりやすいですね。

いろいろ考えるところはありますし、おそらく師事する職人さん、先生の影響や、製作するものの方針の違いで言い方も変わってくるかと思います。

ここでは面倒ですので「バスク」で統一していきたいと思います。

私がバスクに興味を持ったのは、収集しているイーネオヤスカーフのヤズマの古い印刷が始まりでした。
ですから大小のスカーフを中心に古いものを集めていましたが、次第に、風呂敷、カバー、ナマズルック、布団などにも使われていたことを知りました。
そして服にもバスクは使われています。

スカーフやナマズルックは形式が最初から決まっているものですから、それに合わせてバスクのデザインも施されます。
ところが服となると、生地を裁断して作るものです。
(もちろん出来上がりを想定して裾や袖口、衿ぐりにプリントしてあるものもありますが・・・)




そう考えるとバスクの基本は生地のプリントであることがわかります。

織りにより柄を入れる方法とは別に、無地の布にプリントすることで柄を入れていく。
今では当たり前のように機械でプリントされているものが、その技術がない時は手作業でするしかなかった・・・ってことですよねえ。

もちろん現代でも機械プリントにない面白さを求めて、いわゆるブロックプリントものも作られています。商業ル―トに乗せるには人件費がめちゃくちゃ安い国じゃないと難しい。

残念ながら現在のトルコは経済的に安い国ではありませんので、人件費への評価もそれなりですので、一般市場での手作業でのプリント生地製作はほぼ不可能かと思います。




ですから、今回手に入れたバスクのプリント生地(だいたいバスクのプリント生地という言い方が変ですけど、都合上このまま通します)は、トルコでは入手しづらいもののひとつかと思います。

それぞれ幅が100cm、長さが250-300cmです。
興味ある方はチェックしてくださいね。
今年7月のイベント(詳細はもう少しお待ちください)で、ご紹介したいと思っています。

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Last updated  April 27, 2019 12:34:04 AM
April 13, 2019
トカットのオリジナルのデザインは、これまでにご紹介したものを含めて以下のものがあります。(過去のブログをご参照ください)
・トカット・エルマルス
トカット・ヤルム・エルマルス
トカット・キラズルス
トカット・ベシリシ
トカット・イチ・ドルス
トカット・ウズムルス
・アイナル・ヤズマ
トカット・イチ・ボシュ(カイセリ・ケナル)
プルケット(ピラカ)
・カシュック・サプ
・エフ・イシ
カイナナ・ユムルウ
アスマ・ヤプラウ
・トラブゾン・ケナル

本来、トカット以外の地域のデザインですが、トカットでも一般的に製作されたと考えられているものが以下です。多くは名称や好まれたち地域などからもイスタンブルの工房のデザインと想像されます。
カンデルリ
チェンゲルキョイ
キリットリ・ヤズマ
ラーレリ
ドラマ
・ケスターネリ
・アラップル
・フリヤール
パルチャル
・ヤルマル
ホロズ・クイルウ
・ジンゴロズ
・ハマーミィエ
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昨年からすっかり途切れていましたが、今年の夏に都内でトルコのバスクのコレクション展示を含むイベントがありますので、また少しずつ書いていきたいと思います。

トカットでも作られていましたが、本来は他の地域のデザインであるバスクのひとつ「ハマーミィエ」のお勉強会がイスタンブルでありました。
お世話になっているバスクの先生から突然だったのですがお電話でご招待を受け、目の前に積まれている仕事から逃げるかのように(笑)飛んで行きました。

ハマーミィエとはこれ。




いくつか種類があって、版の配置、色遣い、地域などで分類されます。
基本的にはインドからシルクロードを経て伝わってきたモデルです。
それがイスタンブルで独自に展開され、トルコのバスクモデルとして定着したもの。




ハマーミィエの歴史、分類、地域ごとの違いなどを古い現物を見ながらお勉強。
私も何枚かは持っていますが、画像でしか見たこともないものもあって、メモ取る手も止まりがち。しかもぐちゃぐちゃメモで見直したけど何書いてあるかわからない・・・。
だから何も説明できましぇん・・・。




実技はやらない主義のミフリ社長であるけれど、版のパターンや配置、色の詳細を知るには、実技はとってもためになりました。

ハマーミィエは黒の版に、2色、3色、4色と色付けしますが、その配色なども実際に塗ってみると、なぜ2色なのかとか、なぜ4色必要なのか、とかがよくわかります。




古いモノを知ることは大切だねえ・・・とつくづく思います。
なぜこれがトルコにあって、その地域ごとの特徴があって、誰が作って、どう伝わったか・・・その背景や環境を知ることは、そのモノが存在する意味を知ることでもありますから。

イーネオヤでもキリムでも、バスクでも古いものを再現する作業というのは、有意義だと思っています。もし日本で再現ワークショップなどの機会がありましたら参加をお勧めします。
なんて言ったっけ? 温故知新の精神ですウィンク

今回、集まったのはトルコ各地でバスクを研究していたり、他の専門も含めて伝統手工芸に携わる人たち。そして別の日に行われた生徒さんたちのイスタンブルの木版についてのスライドによる研究発表会にも参加しましたが、みなさん、本当によく勉強していて、本当にタメになったし、よい刺激を受けました。




先生、参加者のみなさま、生徒さんたち、お世話になり、ありがとうございました。

バスクは細かい針仕事(私にとっては主にイーネオヤのことですが・・・)と異なり、誰でも気軽にやることができます。
全くの初心者でもなんとか形になる。
もちろん、染料の準備、版の製作、デザインセンス、染めや押しのテクニック、作業の熟練度などは経験を積むほど上手く、スムーズになっていくものではあるけれど、初めてでも完成させることができるので満足度はかなり高いと思います。




日本ではなかなか接する機会のない伝統手工芸ですが、7月、8月のイベントでは、その魅力をしっかりお伝えできたらいいなと思っております。

引き続き、トカットへもおこもり修行へ行って参ります。

おっと、その前に、さらに溜まってしまって処理しきれていない仕事を少しでも片付けなければなりませんねえ。
やめたい、やめたい、と言いつつ、自ら年々仕事を増やしてしまっていますが、私は本当に4年と1か月後に年金退職できるのでしょうか。

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Last updated  April 13, 2019 10:06:15 PM
November 21, 2018
トカットのタシュ・バスク(木版ハンドプリント)のオリジナルのデザインは、これまでにご紹介したものを含めて以下のものがあります。(過去のブログをご参照ください)

・トカット・エルマルス
トカット・ヤルム・エルマルス
トカット・キラズルス
トカット・ベシリシ
トカット・イチ・ドルス
トカット・ウズムルス
・アイナル・ヤズマ
トカット・イチ・ボシュ(カイセリ・ケナル)
・プルケット(ピラカ)← 今回はコレ
・カシュック・サプ
・エフ・イシ
カイナナ・ユムルウ
アスマ・ヤプラウ
・トラブゾン・ケナル

本来、トカット以外の地域のデザインですが、トカットでも一般的に製作されたと考えられているものが以下の14種です。多くは名称や好まれたち地域などからもイスタンブルの工房のデザインと想像されます。
カンデルリ
チェンゲルキョイ
キリットリ・ヤズマ
ラーレリ
ドラマ
・ケスターネリ
・アラップル
・フリヤール
パルチャル
・ヤルマル
ホロズ・クイルウ
・ジンゴロズ
・シャム・ハマーミイェ
・シネッキリ・ハマーミイェ
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今回はトカットオリジナルのデザインから「プルケット」。




プルケットはオヤスカーフであるヤズマのデザインです。
ボーダーのみに版があるタイプです。
トカットでも昔からある古いヤズマデザインの一つだそうです。
シンプルで地味なので見逃しがちですが、重要なデザインってことですね。

メインのお花があり、小花と実のような小さな粒の集合がついているのが基本。
左右非対称の大きな版で、それを対面する2辺に4つずつ、空きができた左右のスペースに1つずつ、合計10個の版が押されます。

職人さんにより版の位置のバランスは微妙です。
例えば私の持っているプルケットの版は3+3+2+2、合計10個です。




プルケットは黒地が一般的ですが、他に黄色や青色もあります。
トカットのオリジナルというからにはもちろん色版を重ねるエルバンテクニックで作られています。

アフィヨンやブルドゥルなど内陸から地中海方面で人気があったそうですが、エーゲ海地方のバルケシール、マルマラ海地方のビレジッキでもたくさん見つけましたので広く需要があったのかもしれません。

ところで「プルケット」って何を意味するのでしょう。
別名のピラカもなんだかわかりません。
検索でプルケットを探すとなぜか私のブログと画像が出てきちゃうんですよねえ・・・。

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Last updated  November 21, 2018 07:06:18 PM
November 18, 2018
オヤスカーフのスカーフ部分であるヤズマのモチーフのうち、1970年以降、一般的によく見られたものと言えば「葡萄の葉」ではないだろうか。

もちろん地域性もあるし、年代的なブームもあるから一概には言えないかもしれないけど、木版ハンドプリントの時代から、シルクスクリーン、機械プリントと移行しても、どの年代でも必ず見られるモチーフであるし、トルコの古いスカーフをたくさんお持ちの方なら1枚ぐらい入っているかもしれない

ヤズマのデザインはそれこそ数えきれないほどの数がある。
しかも元が同じモチーフであったとしても職人さんによってバリエーションがあって、同じ型のものを探す方が難しいぐらいである。




この葡萄の葉のモチーフ。
よく見るといろいろ疑問がわいてくる。
葉はたしかに葡萄の葉である。
しかし花のようなものは一体なんだろう・・・。
ずっと思っていた。
そして古くからいる木版職人さんたちの答えはいつも「腎臓」であった。
もちろん植物の先に腎臓がくっ付いているわけがない。
なぜ「腎臓」かの答えは得られないまま。

腎臓・・・?
なんで腎臓・・・?

モチーフはヤズマに限らず、キリムでもオヤでも必ずしも名前そのものを表していないことが多い。実際が何であるかよりも、xxに見えるから・・・職人さんや作り手たちの間で通称として呼ばれていたものがそのまま固定されて代々伝えられる例もよくある。

イーネオヤの例で言えば、丸い円が二つあるモチーフを「鳩の目」と言う。
これは鳩の目そのものをデザインしたわけではなく、本来は実際にある(または空想の)丸いお花を作ってみたら鳩の目に似ていたから・・・という理由でついた。
「雄牛の睾丸」なども同様である。

ただ葡萄の葉については「葡萄」と言うぐらいだから、葡萄の実がついているべきじゃないかと調べていくうちに、こんなモチーフがあることも知った。




これはまんま「葡萄の葉と実」である。

また家の棚の中にあるヤズマを出すのが面倒だったので画像はないけど、意識して探し始めたら葡萄の葉モチーフの実の部分が腎臓に変化する過程を示す例も出てきた。

まあね、推測するにはモチーフって誰かが作ったのを見て「あらっ、素敵💛」って自分バージョンで模倣していくことから広がるものだから、2本ある茎や葉は変化しなかったものの、その上に付いているツルらしきものや実(もしくは花)が、デザインのバランスなどを追及していった結果、腎臓と呼ばれる謎のモチーフになったんだろうな・・・と思う。

腎臓はトルコ語でボブレッキと言う。
ボブレッキに特別な意味や思いがあるかと考えてみたけど、内臓系で言えばむしろ「肝臓」である「ジエル」の方が意味深い。
肝臓がなくてはならない重要なものだという捉え方から「私の肝臓が痛む」というトルコ語の言い方があるが「心が深く傷ついた」ことを意味する。
また大切な人に対して「ジエリム」つまり「私の肝臓ちゃん」と呼ぶが、「私の腎臓ちゃん」という言葉は聞かないなあ・・・と思ったからなんだけど。

結論:モチーフは形状的にも何かの花なんだろうけど葡萄の花には似てないし、腎臓と呼ばれるのは最終的に出来上がった形が腎臓に似ていたから・・・というところかな。
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さてさてオヤフェスの展示の撤収まで残り2週間。
頭飾りをつけた羊ちゃんが待っています。




ブルサ市主催「国際シルクオヤフェスティバル」のイベントは終わりましたが、コレクション展示、日本人作家さん、愛好家さんのオヤ作品の一部は、11月末日までブルサ市のメリノス・テキスタイル・サナイ博物館で続けて展示されていますので、イベント期間中にいらっしゃれなかった方もぜひ見に行ってみてくださいね。

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Last updated  November 18, 2018 06:49:21 PM
September 14, 2018
トカットの木版ハンドプリント「タシュ・バスク」はプリントの技術を指し、その用途は様々であったが、おそらく数量的に多かったのはスカーフだろう。

スカーフは大きく2種に分けられ、「ボフチェ」と呼ばれる風呂敷や遊牧民たちが被る大きなスカーフである100×100cm~120×120cmサイズの大判のもの。

そして「キャート・イチ・ヤズマ」と呼ばれる、いわゆる私たちが知っているオヤスカーフに使われる「ヤズマ」である。
ヤズマの場合は古いものほどサイズが小さく60×60cm~80×80cmサイズ。




ところで、なぜオヤスカーフ用のヤズマが「キャート・イチ・ヤズマ」と呼ばれたのか・・・・。
キャートとは「紙」、イチは「中」と言う意味で「紙の中に入っているヤズマ」の意味である。

大判のスカーフに比べて生地が薄く、破れやすいことから、1枚1枚わら半紙サイズの折りたたんだ紙に入れて売っていたからだそう。

驚くほどの極薄で開くだけで破れてしまいそうなほどの繊細な特別なヤズマを「キャート・ヤズマ」と言う。
「紙のように薄い」という意味であるが、もしかしたら語源は「キャート・イチ・ヤズマ」から来ているかもしれないと、このところ思い始めている。

さて、そのキャート・イチ・ヤズマのタシュ・バスクもトカットで多種多様に製作された。
キャート・イチ・ヤズマの場合、他のタシュ・バスクと異なり、モチーフはボーダーのみに入れ、中心部は空白のままというのが基本である。

現在までにそれこそ数えきれないほどのモチーフが世に出ているが、トカットのオリジナルのモチーフがいくつかある。
そのひとつ「カイナナ・ユムルウ」。




カイナナはトルコ語で「お姑さん」のこと。
ユムルックはゲンコツで「お姑さんのゲンコツ」の意味である。

モチーフの形がゲンコツに似ていることからエスプリでそう付けたらしいですが、そう名付くことからも、昔は姑と嫁の関係がどうだったかを物語っている。
だぶんトルコに限らず、日本でも昔はそうだったのでしょう。




今ではお姑さんを疎ましがることはあっても、ゲンコツ食らわされると怖がる嫁はいないかと思いますが、むしろ嫁のゲンコツの方が怖かったりして・・・なんて自分を含めて周囲を見回してそう思ったりもする。

我が家のお姑さんは気を遣う控えめな人で、周囲にも嫁にも負荷ゼロのお姑さん。
自分がお姑さんで苦労したから誰にも迷惑かけたくないし、負担にもなりたくないらしい。
3か月前に舅が亡くなって一人ぐらしでは大変だろうからと、義弟夫婦や義姉たちがお姑さんのそばにいるけど、一緒にいるときは素直に受け入れるし、いられないときはそれぞれの生活を壊したくないから私は一人で大丈夫って。私もこういうお姑さんになるために老人ホームに入れるぐらいのお金は貯めておかなきゃって思う今日この頃。もう他人事じゃない年齢だよー。

って話が思いっきり横道にそれたけど。

細長いバーの左右(上下)にゲンコツに似た形の葉がついた型。
ボーダーのみに押しますが、対辺に3つ、別の対辺に2つずつ押すそうですが、向きなども含めて本来は基本型があったかと想像しますが、実際に見てみると職人さんによっていろいろです。

トカットのジッレ、アナトリアのアフィヨンカラヒサ―ルで好まれて使われた。
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9月27日(木)ー30日(日)10:00-20:00(最終日は17:00まで)
ブルサ市主催、テキスタイル博物館で
「国際シルクオヤフェスティバル」が開催されます。




テキスタイル博物館は、ブルサの中心部を東西に走る国道D200号沿いにあるメリノス・キュルトゥル・パーク(公園)内にあります。
トルコ旅行中の方、在住の方もどうぞお立ち寄りください。お待ちしておりまーす。

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Last updated  September 14, 2018 07:52:51 PM
August 17, 2018
トカットのオリジナルのデザインは、これまでにご紹介したものを含めて以下のものがあります。(過去のブログをご参照ください)
・トカット・エルマルス
トカット・ヤルム・エルマルス
トカット・キラズルス
トカット・ベシリシ
トカット・イチ・ドルス
トカット・ウズムルス
・アイナル・ヤズマ
・トカット・イチ・ボシュ(カイセリ・ケナル)
・プルケット(ピラカ)
・カシュック・サプ
・エフ・イシ
・カイナナ・ユムルウ
・アスマ・ヤプラウ
・トラブゾン・ケナル

本来、トカット以外の地域のデザインですが、トカットでも一般的に製作されたと考えられているものが以下の14種です。多くは名称や好まれたち地域などからもイスタンブルの工房のデザインと想像されます。
カンデルリ
チェンゲルキョイ
キリットリ・ヤズマ
ラーレリ
ドラマ
・ケスターネリ
・アラップル
・フリヤール
パルチャル
・ヤルマル
ホロズ・クイルウ
・ジンゴロズ
・シャム・ハマーミイェ
・シネッキリ・ハマーミイェ
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今回はトカットオリジナルのデザインに戻って。
「トカット・イチ・ボシュ」

「トカット・イチ・ドルス」というのがあります。
中が埋めつくされている・・・・という意味でしたね。
言葉通り木版で空間が埋められているものです。

なら、その逆もありそう・・・。
それが「トカット・イチ・ボシュ」。
中がカラって、そのまんまですが、ボーダーと四隅に小さなモチーフが押されているだけのものです。
感覚的にはモチーフがたくさん入っている方が手間もかかって優れているように思えますが、実はキリムや絨毯などでも言えることですが、空間が多いものほど難しいものです。
シンプルなだけに、それだけで見せていかなくてはいけませんので、ちょっとした配置バランス、モチーフの間隔など、些細なことで秀作、駄作に分かれてしまいます。




デザインをたくさん入れることでごまかせることが、空間の多いものほどできなくなるってことです。
トカットのタシュ・バスクにも同じことが言えると思います。

ボーダーは花と枝のアンシンメトリーなデザインの木版を押し、四隅には同じく花と枝のモチーフで円形になった、しかも中心部が空間になっているものを使います。




この四隅の木版の押す方向も興味深いです。
中心に向かって同じ方向を向くように押しているのかと思いきや、ある1辺に対して左右のモチーフは同じ向きに。
そして180度布を回転させて、反対側も右左に同じ向きに押します。
またわかりにくい説明ですね。
ぜひ画像を確認してみてください。




この「トカット・イチ・ボシュ」、別名を「カイセリ・ケナル」と言います。
カイセリというのは中央アナトリアにある地名ですね。
なぜカイセリと付けられたのかは不明ですが、私は個人的にはこの「トカット・イチ・ボシュ」はバルケシール、マニサなどのエーゲ海地方の特に古いヤズマでみることが多いです。
(続く)
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10月21日ー27日のトカット滞在のイーネオヤ&バスクツアーにもぜひご参加ください。
トカットツアーのお問合せは旅工房さんの秘境専門デスク TEL 03-5956-3148 まで。

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Last updated  August 17, 2018 11:14:07 PM
August 16, 2018
ブルサでの用事を済ませて、マンダ(水牛)村までなんとかたどり着いたミフリ社長。
村長さんにも、マンダ組合の組合長さんにも連絡してご挨拶済み。
放牧地までの案内役までご用意してくれるという話まで進んでいました。

私は残りの人生をこのマンダに掛けていますので、かなり真剣(マジ)SUNSHINEです。
いや、別に何かしようってわけではなく、マンダがあまりにも可愛らしいから、その生態と日常などをちょっと知りたいだけなんですけど・・・。

というところでオヤフェスの準備も実は佳境に入っています。
カタログの入稿の段階でアレ、日本人オヤ作家さんたちのプロフィール写真がない、この作品は誰のだっけ!? と問い合わせが来て、日程ギリギリですから放置するわけにもいかず、いったんデータ整理のためにアンタルヤへ帰ることにしました。

今週から来週までトルコは犠牲祭の9連休に突入します。
そしたら官公庁は動きませんので、その時にマンダの追っかけに再チャレンジするつもりです。
(これで今年のノルマは「トラキア地方のひまわり畑」以外は達成!)

さて、旅の話はのちの「マンダ放牧地追っかけ紀行」の際にまとめてお伝えすることにして、トカットの伝統的なタシュバスク(木版ハンドプリント)に戻します。

本来はトカット以外の地域のデザインですが、トカットでも長い間製作されていたもののひとつ
「ドラマ」。

「ドラマ」という名称に何かトルコ語での別の意味が含まれているのか、調べたのですが、どうやら単純に「劇」の「ドラマ」のようです。
ドラマチックなヤズマということでしょうか。




ドラマには2つの木版が使用されます。
両方ともバラのモチーフで、ひとつは大きめ、もうひとつはそれより小さな版です。

大きな版は右に頭を垂れ、小さな版はその逆側の左に頭を垂れています。

大きな版はボーダーとして花が外側に向かって4辺に沿って押されています。
小さな版は中央に円を描くように花が内側に向くように配置されます。




この「ドラマ」はもうひとつの名があって、「アナル・クズル」と言います。
「アナ」は「母」、「クズ」は「娘」。
つまり母と娘を描いたヤズマの意味です。

外側に向かって堂々と咲き誇る大きなバラは母親、そして中心で内を向いてひっそりと咲く小さなバラは娘・・・・・というわけです。

これには逸話があります。
日本人の女性がバスクを習いに来た際に、2つの版を渡されこの「ドラマ」を製作しました。
配置的には特に難しいことなく、完成したのですが、何か違和感がある・・・・。

そして気がついたのが中心の「娘」のバラが逆向きに押されていたのです。
内を向いて恥ずかし気に咲いているはずのバラが、外側を向いて元気に咲いていました。
「あはは・・・これは『日本人の娘仕様のドラマ』ね」と言われましたが、確かにね。

ドラマはエーゲ海地方、イズミル、アイドゥン、マニサなどで好まれたそうです。(続く)

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Last updated  August 16, 2018 06:50:42 PM

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