トルコ商人にとって大切なもの-siftah
トルコで商売を始めて、日課になったのが「siftah」。読み方は「シフタ(フ)」。一般的にはその日の最初の売り上げのこと。トルコ商人にとって縁起担ぎで、その日に金額は問わず1つでも売上があると、翌日もそれが続く・・・結果、商売繁盛に繋がる・・・という意味。その日にsiftahがないと、縁起が悪い・・・・という心配である。食堂やパン屋さん、本屋さん、もしくはグランドバザールやエジプシャンバザールなどのお店は、その日に売上がないという悩みは無縁であろうが、個人商店の絨毯屋や家具屋などでは毎日売上があるわけではない。特に絨毯屋などでは1か月、2か月全く売上がないなんてこともある。だから「今日はあなたが最初のお客だから、値段をとことん下げるので買ってください」なんて言葉をかけてくるわけで。(それが嘘のときもあるけど)売る方もとりあえず、なんとかその日の売上を出しておけば、実際の収入の点でも、縁起の点でも安心できるので、必死なのである。それでも思ったように売れるわけではない。そんなときはどうするのか・・・・・。お店を訪問した知り合いや友人、商売相手などが気をきかして「今日は何か売れたか?」「いや、何も売れていないんだ」「そうか・・・明日はきっと売上あるよ」などと会話しながら「siftah!!」と、ポケットから小銭を出して床に投げてくれる。それが、たとえ売上がないとしても、そのお店にとっての「最初の売上」に相当するわけなので、商売運が上向きになると救われるわけである。(自分で投げても意味はないからね。)紙幣を落としてくれる人もいるけど、たいてい小銭を投げることが多いので、絨毯屋などでもし床に小銭を見つけたとしても、それは落し物じゃなくて「siftah」なのでそのままにしておく。落とされたお金は、お店の人が適当なときに拾うのである。さて、このseftah、その日の最初の売り上げとして縁起ものであるけど、新しくお店をオープンした場合も同じ効果を持つ。開業して初めてのお客さんからもらった初めての売り上げ(紙幣)を店の壁などどこか高い場所に飾っておく。それがお店の金運のお守りになる。(高いところに飾るのは、間違って誰かに持って行かれないためだと思う。)2012年夏以降の話であるが、アンタルヤで日本人のお友達が単独で外資系株式会社を設立した。それまで有限会社も株式会社も一人では設立できなかった。ところが2012年7月に法律が改正され、有限会社は2人以上から最低1人、株式会社は5人以上から最低1人でも設立が可能になった。当初は外国人の場合、株式会社設立は一人でできても役員会に最低1人トルコ在住のトルコ国籍の人を入れなければならないという内容だったが、それでは実質上、トルコ人との共同経営しかできないという意味で、外資の誘致の妨げになるという理由からその項目はすぐに削除されたので、実際は2012年夏以降、外国人一人でも役員会も兼任で株式会社を設立できるのである。(一番下にトルコ語ですが株式会社設立に関する変更事項を原文まま転載しましたので参考にどうぞ)いままでも法律が成立しても、施行されても、この内容では矛盾しているとか、支持されないだろうというときに、少し待っていると変わるというのはよくあった。特に自分に関わることは常にチェックして自分の身は自分で守るというのが外国で商売したり、生活をするときの鉄則・・・。もちろん外国人だけで複数人数で会社を設立することも、トルコ国籍の人と共同経営するのも自由である。投資機関や銀行から融資を受ける予定があったり、公的機関からの様々な特典を利用しようとしたら、トルコ国籍の人と共同経営をする必要があるけど、融資の必要もなく、小規模だったり、共同経営者のリスクを負いたくない人などは、外国籍でも一人で作れるのである。お友達の場合はトルコ国籍の共同経営者の必要もなかったし、適当な人もいなかったので、この法律の変更のタイミングで、トルコ国籍の共同経営者なしで株式会社のオーナーになったのである。(ちなみに2013年春以降に設立した別の日本人のお友達の会社も共同経営者なしの外資系株式会社。)その活動の一環として、先日お店をオープンしたので遊びに行った。お店に行ったときに最初の売り上げである「siftah」がないのを知って(もちろん以前に売上はあったのだけど、siftahのお金を保管していなかった)、siftah用に飾るために5TLを投げてきた。大きな金額だと飾るためにしばらくは使えないお金になり無駄になるので、小額紙幣にした。お店の売り上げがずっと続きますように、そしてお店が繁盛しますように・・・・。にほんブログ村手芸(その他・全般) ブログランキングへ以下、トルコにおける株式会社設立に関する変更事項をトルコ語の原文のまま転載しておきます。YTTK 359/1-c.2’de ise yönetim kurulunda temsile yetkili olan en az bir üyenin yerleşim yerinin Türkiye olması gerektiği hüküm altına alınmıştı. Gerekçede bunun sebebi işlem kolaylığını sağlamak, hukukî ve cezaî sorumluluğa ilişkin hükümlere uygulanabilirlik kazandırmak ve şirketin, paysahiplerinin ve alacaklıların menfaatlerini korumak olarak gösterilmişti. Fakat söz konusu şart, YTTK’yı değiştiren 6335 sayılı kanun ile kaldırılmıştır. ANONİM VE LİMİTED ŞİRKETLER HAKKINDAKİ DEĞİŞİKLİKLERYönetim Kurulu Üyelerinin Seçilme Koşulları6335 Sayılı Yeni TTK değişiklik kanunu ile 6102 Sayılı Yeni TTK’ nun 359. Maddesi uyarınca Anonim Şirket yönetim kurulu üyelerinin en az ¼’ ünün yüksek öğrenim görmüş olması ve en az birinin T.C vatandaşı olması ve Türkiye’de ikamet etme zorunluluğu kaldırılmıştır.Yeni ŞekliI - Atama ve seçim1. Üyelerin sayısı ve nitelikleriMADDE 359- (1) Anonim şirketin, esas sözleşmeyle atanmış veya genel kurul tarafından seçilmiş, bir veya dahafazla kişiden oluşan bir yönetim kurulu bulunur. (Mülga son cümle: 26/6/2012-6335/42 md.) (…) (2) Bir tüzel kişi yönetim kuruluna üye seçildiği takdirde, tüzel kişiyle birlikte, tüzel kişi adına, tüzel kişi tarafından belirlenen, sadece bir gerçek kişi de tescil ve ilan olunur; ayrıca, tescil ve ilanın yapılmış olduğu, şirketin internet sitesindehemen açıklanır. Tüzel kişi adına sadece, bu tescil edilmiş kişi toplantılara katılıp oy kullanabilir.(3) Yönetim kurulu üyelerinin ve tüzel kişi adına tescil edilecek gerçek kişinin tam ehliyetli olmaları şarttır. (Mülgaikinci ve üçüncü cümle: 26/6/2012-6335/42 md.)(4) Üyeliği sona erdiren sebepler seçilmeye de engeldir.(5) (Ek: 28/3/2013-6455/79 md.) Devlet, il özel idaresi, belediye, köy ile diğer kamu tüzel kişilerinin pay sahibiolduğu şirketlerde, sayılan tüzel kişiler veya bunların gerçek kişi temsilcileri yönetim kuruluna seçilebilir. Yönetim kuruluüye sayısı ikiden fazla olan şirketlerde üyelerin tamamının aynı kamu tüzel kişisinin temsilcisi olmaması şartıyla kamu tüzelkişisini temsilen birden fazla gerçek kişi yönetim kuruluna seçilebilir.