かくの如き語りき

2004/04/11(日)19:22

【幕間】素人ヨモギダくんのうた

「ちゃんちゃらおかしいわい。」 物語は一枚のハガキから始まった。 テーマはヨモギダ少年とお笑い芸人との熱い友情。 少年はいつしか青年になり、 ミュージシャンを目指しライブに出ていた。 お笑い芸人はずっと 時代の先頭グループを走っていた。 みんなを笑わせていた。 彼は笑わせるのが大好きだ。 いつも考えている。 どうやればこの気持ちが伝わるかと。 多少暴走気味ではあるのだが。 何もないところから生まれるのだ。 詩や曲も笑いも。 言葉のひとつひとつ。 文章というかたち。 料理の一つにしてもそう。 偉大な発明も 感動的な芸術もそう。 何もない場所には不安がつきまとう。 まっ白で何もない。 目指すものは遥か遠い。 成功も失敗もわからないままだ。 あまりにも真白で広くてうすら寒くて 足下も竦んでしまう。 誰も何も教えてくれない。 どうしたらそんな風に歌えるのか。 どうしたら人を感動させられるのか。 「ちゃんちゃらおかしいわい。」 何かが生まれる。 最初は何もないところからだ。 全ては無の中から生まれる「何か」 まず自分が何者が見極める。 そこから始めてみる。 青年は歌う。 悩みぬいた末に出発点に立ち 拾い上げた自分の姿を歌う、それが精一杯。 まだ彼は何もない場所にいる。 しかも次はもっと広い場所だ。 きっと持ち前の努力心を忘れずに たっぷりと自信を持って走ってゆくのだろう。 走ってゆけばいい。 素人の青年の歌がやっと胸に届いた。 お笑い芸人は万感の思いで見守っていた。 まるで今度は自分の番だと 言い聞かせているようだ。 それが彼なりの男の友情なのだ。 詩や曲も笑いも。 言葉のひとつひとつ。 文章というかたち。 料理の一つにしてもそう。 偉大な発明も 感動的な芸術もそう。 みんなみんな 何もないところから生まれたのである。 2004年4月10日放送『めちゃめちゃイケてるッ!「ヨモギダ少年愚連隊」』

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