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カテゴリ:アメリカ映画
歌はもう、
広がっていた。 オーストリアの山々に響き渡す澄んだ声。 空も山も湖も皆、聞き惚れているように見える。 そしてカメラはマリアを捉える。 両手を広げ言葉をメロディに乗せて、 彼女から歌が広がっていたのを知る。 ジュリー・アンドリュース、 今さら語る言葉などない、ただ歌を聞けばいい。 子供の頃、初めてテレビで観てときは、 『ドレミの歌』になると トラップ大佐の子供たちと同じように マリアと一緒に日本語で歌っていた。 大人になれば後の物語の中から、 マリアの歌の「パワー」を納得する。 1939年から始まる時代、 第2次世界大戦、ナチス・ドイツ 暗い時代を彼女は不屈の明るさで乗り越えてゆく。 トラップ大佐と子供たちとともに。 ロバートワイズ監督の名前は、 『ウエストサイド物語』で有名だろう。 ミュージカルの名作ながら、 俳優やストーリーをも存分に生かしきっている。 『サウンド・オブ・ミュージック』もまた然りである。 歌の感動、物語の感動がどちらも損なうことなく、 お互いの価値を高めているように見える。 マリアの生きる姿勢が歌の「パワー」であり、 子供たちにとっては「戦争」ではなく、 「歌」の方がずっと大事なのだ。 「戦争」に対するメッセージも織り込まれている。 フィルモグラフィーには、 『スタートレック』劇場版第1作の名前が。 映画シリーズの中で最も難解と言われる作品だが、 最もしっかりとした映像叙事詩である。 反ナチスのトラップ大佐が 愛国的な婚約者と別れマリアと結ばれる。 だがナチスは大佐には召集令状が。 愛する家族とともに国境越えをする経緯になれば、 前半の明るい物語とは雰囲気が一変する。 国から逃亡を企てる一家。 ザルツブルグ音楽祭での騒動や、 マリアのいた修道院でのシスターたちの活躍、 そして一家はスイスの険しい山を 力強く登ってゆく。 原作とは違う部分も多いというが 実話であることは有名。ミュージカルの定番である。 ジュリー・アンドリュースと言えば 『メアリー・ポピンズ』もまた色褪せない作品。 彼女が咽を痛めて歌えなくなったことは、 ニュースにもなった。 だが2001年の作品『プリティ・プリンセス』では 内面的に凛とした女王の貫禄を見せている。 トラップ大佐の子供たち、 いい歌を学び、一生の宝モノを得た。 子供の頃、観ることのできたいい映画もまた、 一生の宝モノなのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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