かくの如き語りき

2005/05/25(水)01:59

●●●いかレスラー

日本映画(59)

いかいかいかいかいかレスラー♪ いかいかいかいかいかレスラー♪ 耳にこびりつく、テーマ曲、 人生は脱力、宇宙は関節、イカしてるいかレスラー♪ さて、 いったい、 どうしたことだろう? みんなが、いかの存在を認めている。 「だって、あれは、いか、なのよ!」 「どうして、いか、になったの?」 「なんてったて、いか、じゃないか!」 監督はおそらく、役者たちに、 いかの発音を強調させたのだろう。 強引にマシンガンのように、 いかを連発することによって、 いかを存在させようとした。 監修、実相寺昭雄、 映像的なオマージュは多いとみた。 美しいオレンジ色の夕陽、オレンジ色の夕焼け。 それにもましていか連発は、 特撮ものと同じ手法に思えた。 怪獣の名前は、誰がつけたの? 画面にいきなり怪獣の名前のテロップがだされ、 登場人物は、疑問もなく、連呼している。 連呼されたら、覚えてしまって、 存在しているような気がするのだろうが、 さすがに、騙されないぞ。 パキンスタンのフンザというところで、 不治の病にかかった、岩田貫一というレスラーが、 修行していかレスラーに生まれ変わった。 岩田をライバル視する田口は勝つために、 たこレスラーに生まれ変わった。 実は二人の父親だったという千山は、 しゃこボクサーだったのである。 イカ×たこ×しゃこ。 着ぐるみの精巧さは、特撮ゆずりか。 イカの目は怪獣の目と同じ、しかも表情豊か。 軟体の足の間だから分厚い太股が出ている。 動きにくいはずが、キレのある動き、 スーツアクターか?と思いたくなる。 「いか」や「たこ」のフィギュアの売れ行きを、 気にするルー大柴の社長と、 「いか」や「たこ」フィギュアを手にして、 喜んでいるゲストのなべやかん。 こどもは一切、いかレスラーを応援していない。 そもそも、煩悩(女性への?)が いかレスラーの弱点という設定もある。 愛や夢や希望や、 微笑ましい笑いや現代社会への皮肉、 そういうもののない特撮なのだ、この映画は。 愛や夢や希望や、 微笑ましい笑いや現代社会への皮肉、 を、スポイルしたら、 特撮は、こうなってしまうのか。 いかいかいかいかいかレスラー♪ いかいかいかいかいかレスラー♪ 岩田貫一を演じる本物のレスラーが歌うという、 主題歌は耳に残るヘタさである。 主題歌や挿入歌を主役が歌うことも 特撮の特徴だと聞いたことがある。 しかし、公式HPやポスターなどの宣伝は上手い。 宣伝の上手さと特撮好きは、カブルのか。 「アメリ」の買い付けで有名な 叶井俊太郎のファントム・フィルム発。 「スーパー・サイズ・ミー」 「ロスト・イン・トランスレーション」も この会社の配給である。 最後に、少しだけ。 いかを連発することによって、 いかを存在させようとした。 でも、最後まで信じさせてもらえなかった。 だから、途中から退屈になってくる。 愛や夢や希望や、 微笑ましい笑いや現代社会への皮肉の代わりは、 なんでもいいから用意しなきゃあね。 大人の特撮が、カラッポに見えるのは、 なんだか腹立たしい それよりも一生懸命、演じている方々に、 敬意を表したくなってしまった。

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