かくの如き語りき

2007/07/24(火)02:04

●●●デッドベイビーズ

アメリカ映画(215)

さあ、パーティだ。 とことん、ブッとぼう。 イッちまおう、イカれよう、そして。 殺しちまおうぜ、カンタンさ ロンドン郊外の静かで大きな屋敷。 そこに6人の男女が住んでいた。 毎日、毎日、イカれて住んでいた。 毎日、毎日、ブッとんで生きていた。 毎日、毎日、イカれてブッ飛んでいたら、 週末くらいは、もっと、 もっと!もっと!もっと! イカれて、ブッ飛びたいと思うはあたりまえ。 さあ、パーティだ、 最高のドラッグが彼らを待っていた。 そんな連中の中に、 ポール・ベタニーがいる。 彼が演じるのはクエンティン。 あんまり自分で何も決めないくせに、 自己主張ばかりする6人の中心にいて、 さも愉快そうに歪んだ自説を吹聴するリーダー格。 白い面差しに細い手足、 紳士のように振る舞うときもあるが、 中身は誰よりもイカれていると言う役柄である。 ラストシーンを含めて、 彼の演技を骨の髄まで愉しめる設定だろう。 さあ、パーティだ。 屋敷のお坊ちゃんはジャイルズ、 ボロボロの歯が抜け落ちないか心配ばかりしているアル中。 口だけの暴君アンディの妻ダイアナは、 セックスレスの毎日に悶々としている。 クエンティンの妻シリアは彼にベタ惚れだがヒステリー。 もう一人、全くの道化役なのはキース。 容姿からアソコから性格まで彼は、 他の5人にバカにされるために存在していた。 この6人にプラスして、 週末やってきたのは4人。 その中には、究極のドラッグを持ってきた男と、 誰とでも寝るルーシーが混じっている。 火種は充分。 ドラッグは人間の欲望と、 隠された性格とが相関してハイになるらしい。 しかしコイツらはそれをパーティにする。 パーティにすることで、 自分もラリってラリっている相手を笑って、 蔑んでいるのに、愉しんでいるという趣向がまる見え。 悪趣味全開なのは ボインの姉ちゃんとウンチだけじゃない。 殺人予告まで舞い込むがこいつらはもう、イッちまってる。 ヤク中だらけの中のミステリ的展開。 殺人予告はWEBで話題の【殺人論者.COM】 殺人論者の称号をもらうには、 殺戮の現場に排泄物で「G」の文字と 血で「ジョニー」の署名を書き残し、 それを写真にとってインターネットにアップすればいい。 10人の中に犯人がいるのだが、 イッちまってる奴らに犯人を捜せるはずはない。 悩める若者が手を出したドラッグではなく イイオトナが手を出したドラッグである。 毎日、毎日、イカれて住んでいた。 毎日、毎日、ブッとんで生きていた。 だからこそ、もっと刺激を。 だからこそ、もっと強烈なドラッグパーティを。 だからこそ、もっとエクスタシーを。 欲望が欲望を肥大させ、 さらなる刺激を追い求めた結果、 10人の中の一人は、殺人論者の称号を得ることになる。 一人を残し、 誰もいなくなってしまった。 犯人探しはするだけヤボ。 オチは映像で確認すればいい。 デッドベイビーズ、 彼らは既に、死んでいたも同然だったのだ。 まさに、典型的なポール・ベタニーがいる。 この作品のイカれ具合とポール・ベタニーが程良いのだ。 2000年のイギリス映画のようなアメリカ映画。 Japan:R-18 / UK:18 / USA:R / Finland:K-18 既製品になる寸前の作品である。

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