それでも進む
ある子の昔の写真を発見した。 講習会で撮ったものだ。元気にブイサインをしてる。笑顔の写真だ! 僕の知ってる最近のその子には、笑顔の記憶がない。すっごく疲れていて、メールも「がんばる。」って内容しか書いていない。もう、無理してやり続けてる様子しか思い浮かばない。こんな笑顔の写真を見ると、なぜだか申し訳ない。この子だけじゃない。がんばってる子はものすごくがんばってるし、極限の戦いってこんなもんだって知っている。でも、笑顔が消えてるのが辛い。あと少しだ。あと少しで終わる。終わった時の、君の様子を思い浮かべたい… 「お母さん。そろそろ発表よ。」「受かってるといいね?」「さあ、押すよ。私の番号は○○○○○○だからね?」クチッ「…」「…」 「やったー!!」 って。 君に笑顔が戻って欲しい。君の喜ぶ顔が見たい。あと少し。あと少し。顔が疲れてるのはあと少し。髪が乱れてるのもあと少し。 神様?この子にもう1年試練を与えるのをやめてください。僕には十分がんばったように見えます。 どうか…今年、笑顔にしてください。