Ｑ　建築における近代主義とは？

Ａ　合理主義、機能主義に基づく、工業化社会に根差した建築を支持する考え方です。

1900年以降、近世建築とは明らかに違う近代主義(Modernism)による近代建築が、全世界に普及します。その広がりと早さは強烈で、一気に近世建築を傍流へと追いやってしまいました。

・合理主義、機能主義を徹底すると、装飾の無い単純なデザイン、工業製品をふんだんに使ったデザインとなり、低コストで大きな容積の建物が短期間に作れ、そのため資本主義の各国で受け入れられました。

Ｑ　ポストモダニズムとは？

Ａ　近代建築が失った複雑さ、多様性、ウィットなどを取り入れようとする考え方、近代主義以後のことです。

Postとは以後という意味で、直訳するとポストモダニズムはモダニズム以後、近代主義以後です。チャールズ・ジェンクス（Charles Jencks　1939～）は著書「ポストモダニズムの建築言語」（1977）でポストモダニズムという言葉を揚げ、単純で画一的な近代建築を批判しました。大きく見れば、ポストモダニズムはモダニズムの一流派という位置付けだと思われます。

・ミースがLess is more.（より少ないことはより豊かなこと）と言ったのに対し、ベンチューリは著書「建築の多様性と対立性」（1966）の中でLess is a bore.（より少ないことは退屈なこと）と言って反モダニズムの旗を揚げます。意図的に複雑にしたり、対立させたりする形態操作がされます。
・筆者は有名な母の家を見に行って、正直、どうということは無いという感想でした。近くに建つルイス・カーンのエシュリック邸の方が素晴らしかった。ベンチューリの作品の中では、フィラデルフィア市内にあるフランクリンコート（1976）がウィットとアイデアに富んだ作品として印象に残っています。

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