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Q ゴシックのリブヴォールトは、リブが無いと崩壊する?
A 必ずしも崩壊しません。
リブは稜線の位置を明確にして工事をしやすくし、レンガや石を落下しにくくするのは間違いありません。ただし天井の石やレンガの上にコンクリートが打ち込まれている場合もあり、下から見上げた時に感じる完璧な組積造の芸術的構造体ではありませんでした。19世紀の学者ビオレ・ル・デュクは、ゴシックのリブヴォールトは合理的で無駄のない構造と分析しました。しかし後に砲撃でリブが落ちてもヴォールトはそのままであったことから、その解釈は修正を余儀なくされました。
「多数の小さな石材を並べたヴォールト天井面は、けっしてそれだけで安定するものではなく、その上面に小割石を混ぜた石灰コンクリートを厚く裏打ちして一体的に固め、天井面にひずみが起こらないようにして初めて安定する。つまり、ゴシックのヴォールト天井は厚い石灰コンクリート・シェルの下面に小さい板石がタイルのように張り付いていると考えてよい。したがって、大規模なヴォールト天井全体は薄いところで数十cm、ヴォールトの四隅部分では厚さ3~4mにも及ぶのが通例である。」(桐敷真次郎著「西洋建築史」共立出版 2001 p85から引用 下線筆者)天井裏には木造小屋組が隠されていますが、コンクリートシェルも隠されていたことになります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.31 17:16:19
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