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1254 薬師寺東塔のキャンティレバー
Q 薬師寺東塔と他の塔の大きな違いは? A 壁、縁を主体となる柱心から張り出し、縁(えん)を屋根から浮かして、キャンティレバーによるダイナミックで軽快な形態としている点です。 法隆寺、醍醐寺、興福寺のなど塔の縁は、屋根の上に載る形です。薬師寺東塔は裳階(もこし:外壁の外に出す庇状の部分)の壁を張り出し、縁を屋根から浮かせて、キャンティレバーの効果を出しています。組物の尾垂木も長く直線的で、大きく張出して軒先を力強く支えています。 ・薬師寺の東塔と比べると、他の塔は胴体部分が太くて屋根が重く、鈍重に見えてしまいます。筆者は以前、日本建築史の専門家に、東塔のような縁を浮かせる塔はないのではと聞いたことがありますが、その方はよくあると言われていました。縁を張り出して、屋根から浮かせる構成は鼓楼や門などでは見たことがありますが、塔では筆者はいまだに見たことがありません。落水荘などで多用された近代建築の手法、キャンティレバーですが、遥か昔にその効果が実現されていました。筆者が最も好きな日本建築です。 健美家コラムがアップしました! ぜひお読みください! 550万の戸建てを買いました。屋根は瓦がいい。還暦ユーチューバー。 建築の基礎を知りたい建築初学者さん、大家さんは、ゼロからの木造建築入門、RC造入門、S造入門の3冊をまず読んでみて!建築構造、構法の基本がわかるよ!なかでも木造建築入門は10年間のロングセラーで、ときどきアマゾン一般建築書ランキングで1位になります(自慢)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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