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ロマンティック・ナショナリズム
Q 建築でロマンティック・ナショナリズムとは? A 理性ではなく感性に重きを置いた(ロマンティックな)民族主義(ナショナリズム)のことで、地域性や伝統を加味した思潮、デザインを指します。 国際的(international)、合理的(rational)な理性を重んじる近代建築に対して、感性を重んじるロマン主義(romantic)、民族主義(national)の思潮です。北欧、オランダ、東欧などにおいてレンガや石などの地域的伝統的な材料を露出し、様式的伝統的モチーフを単純化、簡素化した形態を取り入れたデザインを指します。エリエル・サーリネン(父)によるヘルシンキ駅(1919)が代表例です。ヨーロッパ中央部の古典主義や近代建築の「インターナショナル」な圧力に対抗する、辺境における「ナショナル」な反動ともいえます。 エリエル・サーリネン(父)→エーロ・サーリネン(息子)→ケヴィン・ローチ(弟子) ・サーリネンはシカゴ・トリビューン本社ビルコンペ(1922)で2位に入り、その高層ビルのデザインは建築界に大きな影響を及ぼしました。その後にアメリカに移住、息子のエーロ・サーリネンは曲面シェルを使ったデザインなどで活躍します。さらにその弟子のK.ローチはフォード財団ビル(1968)などでダイナミックな構成のデザインをいくつも実現させます。フィンランドの巨匠A.アアルトは新古典主義や白いインターナショナル・スタイルから始めて、次にレンガ、木材などの自然の素材やうねる曲面、扇形などを取り入れ、独自の形態をつくり出しました。モダンデザインでありながら、ロマンティック・ナショナリズムの地域性や有機主義の部分もある非常に魅力的なデザインです。 参考文献 三宅理一著「都市と建築コンペティション Ⅱ」講談社、1991 ゼロからはじめるシリーズの17冊目、近代建築入門が出版されました!約400頁すべてにイラスト!ライト、ミース、コルビュジエ、グロピウスばかりでなく、ラッチェンス、ガルニエ、ペレも深堀り。表紙はドミノシステムを変形(だから角柱)+サヴォア邸+プレキャスト風味に、はしごが左に寄っているのはガルシュの家(ミースのテューゲントハット邸も)の外階段やテラスの欠き込みから、1階のコルはモデュロールのポーズ、ペリアンも登場(裏表紙ではペリアンがコルの長椅子に座る)、海はコルがあこがれ、最期の場所ともなる地中海。アイデアはボクで、絵はイラストレーターの内山良治さん。 南米の川の方での書籍紹介文:「ゼロからはじめるシリーズの17冊目。19世紀の黎明期から、モダニズム建築、さらにその後のポストモダンにいたるまでを概観し、建築デザインと、建築家の思想が日本と世界に与えた影響が理解できる。空間構成、建築家とその思想をユニークなイラストでビジュアルに紹介。どのように近代建築が生まれ展開していったかを総合的に理解できる。」 動画リスト リスト中の青字をクリックすると動画が再生されます! 構造の基本を学ぼう! 構力マラソン 構造力学を毎日1題解こう! 建築法規の基本を学ぼう! 法令集の読み込み講座! 環境工学の基本を学ぼう! 木造建築入門! インテリアデザイン入門! 動画リストのリスト イラストで読む建築史! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.04.12 12:21:26
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