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落水荘のゲストハウス 巣ごもり的空間
Q 落水荘ゲストハウスの構成は? A 中央に水回りのコア(*)、その両脇に居間と寝室を配置し、山側を壁でL形に囲ってコーナーに暖炉を置き、崖側に窓を多くして、水平スラブの庇を大きく架けた構成です。 落水荘の裏手に増築された小さなゲストハウスですが、非常に濃密な空間がつくられています。山側の壁には棚板が何段にも付けて水平性を強調し、その上には水平に連続した高窓(クリアストーリー)が設けられています。「棚板+高窓」の水平性の強い壁は、後のユーソニアン・ハウスで多用されるものです。石積みの壁をL形に囲い、コーナーに暖炉を配置して、開放的な落水荘とは対照的な、壁に囲まれた巣ごもりするような居心地の良い空間とされています。庇の水平スラブは崖側に大きくキャンティレバーされ、スラブの中間には長方形の孔が多く空けられ、フレーム状、パーゴラ状の形とされています。このパーゴラ状の庇は落水荘本体でも部分的に使われています。 (*)水回りをコンパクトに納めた平面は、新古典主義のプチ・トリアノン(1768)で見られます。広い空間の中で島状に浮いた水回りのコアは、ミースによるベルリン建築展モデル住宅(1931)のトイレで初めてつくられ、後のファンズワース邸(1951)においてコアを使った簡潔な平面構成に純化されます。 参考文献 Donald Hoffmann ”Frank Lloyd Wright’s Fallingwater” Dover Publications, 1978 William Allin Storrer “The Frank Lloyd Wright Companion” The University of Chicago Press, 1993 二川幸夫編集、写真「FRANK LLOYD WRIGHT MONOGRAPH 1924-1936」A.D.A. EDITA Tokyo、1985 ゼロからはじめるシリーズの17冊目、近代建築入門が出版されました!約400頁すべてにイラスト!ライト、ミース、コルビュジエ、グロピウスばかりでなく、ラッチェンス、ガルニエ、ペレも深堀り。表紙はドミノシステムを変形(だから角柱)+サヴォア邸+プレキャスト風味に、はしごが左に寄っているのはガルシュの家(ミースのテューゲントハット邸も)の外階段やテラスの欠き込みから、1階のコルはモデュロールのポーズ、ペリアンも登場(裏表紙ではペリアンがコルの長椅子に座る)、海はコルがあこがれ、最期の場所ともなる地中海。アイデアはボクで、絵はイラストレーターの内山良治さん。 南米の川の方での書籍紹介文:「ゼロからはじめるシリーズの17冊目。19世紀の黎明期から、モダニズム建築、さらにその後のポストモダンにいたるまでを概観し、建築デザインと、建築家の思想が日本と世界に与えた影響が理解できる。空間構成、建築家とその思想をユニークなイラストでビジュアルに紹介。どのように近代建築が生まれ展開していったかを総合的に理解できる。」 2級建築士受験スーパー記憶術新訂版が出来ました! 2級では木造を多くして80頁強にし、RC、Sなどは基本事項に絞り、1級で載せられなかったような積算用語、建築史用語、都市計画用語なども数多く載せました! アクソメで分析するルイス・カーン、ル・コルビュジエ、ミース、グロピウス、F.L.ライト イラストで読む建築史! 建築基準法の法令集の読み方を、わかりやすく学べます。第5版第2刷をお求めください。 建築法規スーパー解読術 新訂第5版 修正追加部分 建築法規の入門はこれで↓ 改訂第3版をお求めください。 1級建築士試験の用語、公式などを一気に覚えられます。新訂版をお求めください。 木造入門の決定版!改訂第2版をお求めください ミカオ建築館ではユーチューブ動画と書籍を検索しやすくまとめてます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.04.12 12:30:58
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