2022/08/18(木)16:14
ライトのハナ邸における6角形グリッド ハニカム・プラン
ライトのハナ邸における6角形グリッド ハニカム・プラン
Q ライトは6角形グリッドを使った平面構成をしたことがある?
A 第1ジェイコブス邸と同時期のハナ邸では、6角形グリッドが使われています。
前期プレーリー・ハウスでは4フィート(約1220mm)モデュールを基本としながらも、大きく見ると壁や構造の配置はダブル・グリッドを基にしており、空間を2重に囲い込む構成が多くありました(EAH81、BLD51)。一方後期ユーソニアン・ハウスでは、均等なシングルグリッドによる単純化、標準化されたシンプルな構成とされています。正方形グリッド、平行四辺形グリッド、正三角形グリッド、同心円グリッドなどが試されていますが、ハナ邸では6角形グリッドよるハニカム・プラン(はちの巣平面)がつくられます。動線は直角に曲がるのではなく、120°の角度で滑らかに曲がり、より流動性が増しています。壁は第1ジェイコブス邸と同様に、厚板の両側に羽目板を張ったもので、薄い切妻屋根の軒線とともに水平線が強調されています。
・現存、内部見学可能:737 Frenchmans Rd, Stanford, CA 94305
・6角形モデュールといっても正6角形の部屋をつくるのではなく、小さな6角形を下敷きにして壁を120°などに傾けながら構成するものです。筆者が訪れた時は内部見学ができませんでしたが、羽目板による外観が予想していたよりも非常に美しく、驚かされました。
参考文献
William Allin Storrer “The Frank Lloyd Wright Companion” The University of Chicago Press, 1993
二川幸夫編集、写真「FRANK LLOYD WRIGHT MONOGRAPH 1924-1936」A.D.A. EDITA Tokyo、1985
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