ミカオ建築館 日記

2024/03/23(土)15:49

建築物省エネ法過去問

2025年から確認申請が必要なすべての規模の建築物で、省エネ適合性判定(適判)が必要となります。そこで受験生の参考になるように、最近の1級建築士過去問の省エネ法の問題を肢別に分解し、条文順に並べてみました。法令集を引きながら活用してください。 建築物省エネ法過去問 **************************** Q 建築主は、非住宅部分の床面積の合計が300㎡の事務所を新築しようとするときは、当該建築物(非住宅部分に限る)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。 A 〇 省エネ法11・1に「非住宅部分」の規模が政令で定める以上とあり、省エネ令4・1に300㎡とある。300㎡の事務所は省エネ法11・1の特定建築物に該当するので、建築主は建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。 **************************** Q 建築主は、非住宅部分の床面積の合計が300㎡の建築物を新築しようとするときは、その工事に着手する日の21日前までに、当該行為に係る建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を所管行政庁に届け出なければならない。 A × 省エネ法11・1に「非住宅部分」の規模が政令で定める以上とあり、省エネ令 4・1に300㎡とある。「非住宅部分」が300㎡以上ある特定建築物では、省エネ法11・1より建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。計画の届け出では不可となる。 **************************** Q 建築主は、床面積の合計が300㎡の共同住宅を新築しようとするときは、原則として、その工事に着手する日の21日前までに、当該行為に係る建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を所管行政庁に届け出なければならない、 A 〇 省エネ法19・1本文に工事に着手する日の21日前までに届け出とあり、省エネ法19・1・一、省エネ令7・1より、特定建築物以外の共同住宅でも、300㎡以上では建築主は届け出が必要となる。 *************************** Q 建築士は、床面積の合計が100㎡の住宅の新築に係る設計を行うときは、原則として、当該住宅の建築物エネルギー消費性能基準への適合性について評価を行うとともに、当該設計の委託をした建築主に対し、当該評価の結果について、書面を交付して説明しなければならない。 A 〇 省エネ法27・1により、小規模建築物(特定建築物、省エネ法19・1・一以外の建築物)の設計を行うときは、建築物エネルギー消費性能基準への適合性について評価し、建築主に書面を交付して説明しなければならない。この条文により、小さな住宅でも省エネの基準の適合性判定が義務付けられた。 *************************** Q 特定建築主は、新築する分譲型一戸建て規格住宅を当該住宅のエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。 A 省エネ法28により「分譲型一戸建て規格住宅」の戸数が一定以上の特定一戸建て住宅建築主は、省エネ法29の分譲型一戸建て規格住宅の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならないとある。 **************************** Q 請負型規格共同住宅等を1年間に新たに300戸以上建設する工事を業として請け負う者は、当該住宅をエネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。 A × 省エネ法31・2のかっこ内に「請負型規格共同住宅等」の年間の建設住戸数が政令で定める数以上とあり、省エネ令10・2に1000戸とある。住戸数が年間1000戸以上の特定共同住宅建設業者は、省エネ性能向上のために必要な構造、設備に関する基準に適合させるよう努めなければならない。300戸以上は「請負型一戸建て規格住宅」(省エネ法31・1)の場合。 **************************** Q 建築物エネルギー消費性能向上計画の認定には、建築物のエネルギー消費性能が、建築物のエネルギー消費性能の一層の向上の促進のために誘導すべき基準である「建築物エネルギー消費性能誘導基準」に適合することが必要である。 A 〇 省エネ法35・1・一により、建築物エネルギー消費性能向上計画の認定は、申請建築物の建築物エネルギー消費性能誘導基準に適合することとある。 **************************** Q 建築主等は、エネルギー消費性能の向上のために建築物の修繕をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。 A 〇 省エネ法34・1に、エネルギー消費性能の一層の向上のための新築、増築、改築、修繕等(以下新築等)をしようとするときは、「建築物エネルギー性能向上計画」を作成し、所管行政庁の認定を申請することができるとある。 **************************** Q 建築基準法第52条第1項に規定する建築物の容積率の算定の基盤となる延べ面積には、認定建築物エネルギー消費性能向上計画に係る建築物の床面積のうち、建築物エネルギー消費性能誘導基準に適合させるための措置をとることにより通常の建築物の床面積を超えることとなる場合、国土交通大臣が定めるものの床面積については、当該建築物の延べ面積の1/10を限度として算入しないものとする。 A 〇 省エネ法40・1においてエネルギー消費性能誘導基準に適合させるための措置をとることにより特例を受けるものの中に法52・1(容積率制限)がある。省エネ法40・1の最後に、容積率算定の基礎となる延べ面積には、誘導基準に適合させるために通常の床面積を超える場合は、政令で定める床面積は入れないとある。そして省エネ令11・1のかっこ内に延べ面積の1/10を超える場合は1/10とするとある。よって誘導基準に適合させるために超えてしまう床面積は、延べ面積の1/10を限度として算入しなくてよいことになる。 法令集はこれで征服しよう↓ 1級建築士受験スーパー記憶術新訂第2版が発売! JASS5の改定やその他の修正、語呂や説明文、歴史事項の追加、読者から要望の多い英略語リスト、索引の追加などを行い、約30頁増量で発売されました! 旧版の修正などは下の動画やHPを参照してください。 JASS5改定(2022年末)による1級建築士受験スーパー記憶術の修正 JASS5改定(2022年末)による2級建築士受験スーパー記憶術の修正 ​​​​法規スーパー修正部分 ​​​ 1級、その他の修正部分 p112上 開口周比が0.4%、0.4が混在→0.4に統一、%を取る。 p136最上段 構材規格記号→鋼材規格記号 p198上 CB1=・・→QB1=・・、CB2=・・→QB2=・・、CB3=・・→QB3=・・。 p206最下行 X、Y方向で壁率比の小さい方→X、Y方向で壁量充足率の小さい方 p281最上段 温度6要素→温熱6要素 p290、2行目 10ppm以下→6ppm以下(基準が変更) p290、語呂 専 務 が屁をする 専の下に1000 務の下に6 に変更 p316 下イラスト内吹き出し 天井と反射して→天井に反射して p369 最下段 ( )cm以上→m以上 p371 3段目 【重工業 の下の1.5㎡→15㎡ 2級、その他の修正部分 p51、イラスト内ふき出し 910(3尺=洋間)→910(3尺=半間) p307、上から5行目の式の分母 弾性半径→弾力半径 p314、上から3行目語呂 丸太の年齢は→丸太の年輪は p314 最下段A 10ppm以下→6ppm以下(基準が変更 p314 最下段の語呂 専 務の息は臭い! 専の下に1000 務の下に6ppm に変更 p377、5段目 入口、交差点の距離は→交差点から入口までの距離。 p381、4段目解答 楕円形ドーム→取る。 お手数をおかけして、大変申し訳ありません。​​​ ​​​​動画リスト リスト中の青字をクリックすると動画が再生されます! 1級建築士受験スーパー記憶術 ​2級建築士受験スーパー記憶術​ ​​建築計画入門!​ 構造の基本を学ぼう! 構力マラソン 構造力学を毎日1題解こう! 建築法規の基本を学ぼう! 法令集の読み込み講座! 環境工学の基本を学ぼう! ​​​​​木造建築入門! ​インテリアデザイン入門​! ​​動画リストのリスト​​​​  ゼロからはじめるシリーズの17冊目、近代建築入門が出版されました!約400頁のすべてにイラストを付けました。ライト、ミース、コルビュジエ、グロピウスばかりでなく、ラッチェンス、ガルニエ、ペレも深堀り。表紙はドミノシステムを変形(だから角柱)+サヴォア邸+プレキャスト風味に、はしごが左に寄っているのはガルシュの家(ミースのテューゲントハット邸も)の外階段やテラスの欠き込みから、1階のコルはモデュロールのポーズ、ペリアンも登場(裏表紙ではペリアンがコルの長椅子に座る)、海はコルがあこがれ、最期の場所ともなる地中海。アイデアはボクで、絵はイラストレーターの内山良治さん。  南米の川の方での書籍紹介文:「ゼロからはじめるシリーズの17冊目。19世紀の黎明期から、モダニズム建築、さらにその後のポストモダンにいたるまでを概観し、建築デザインと、建築家の思想が日本と世界に与えた影響が理解できる。空間構成、建築家とその思想をユニークなイラストでビジュアルに紹介。どのように近代建築が生まれ展開していったかを総合的に理解できる。」 ​​建築初心者は、まずこの9冊↓で学ぼう!​​​​​ ​マンガで苦手理論分野が学べます!​ ​​​

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