【ブルーリボンサービスの流儀】                  

2009/07/11(土)20:43

嘘は嫌いだ

考えるヒント(59)

嘘は嫌いだ。── その仕事に嘘はないか。その言葉に嘘はないか。私たちに課題は多い。私たちに迷いは多い。けれどその度にこの言葉に火をつけよう。── 朝一番に仕事先の玄関で、福山雅治に語りかけられた。その仕事に嘘はないか・・・・・ない。その言葉に嘘はないか・・・・・ない、こともない。だからファイヤー。 大森荘蔵著「流れとよどみ─哲学断章─」産業図書、『4.真実の百面相』より抜粋 人はえてしてことを一面相で整理したがるようにみえる。例えば知人の人柄をあれこれ品定めするとき。 彼は本当はいい奴なんだ、一見人付き合いは悪いけど本当は親切な男なんだよ、こうした評言はどこにいても聞かれる。こうした言い方の中には、人には「本当の人柄」というものがあるのだがしばしばそれは仮面でおおいかくされている、といった考えがひそんでいるように思われる。人を見る眼、というのもこの仮面を剥いで生地の正体を見てとる力だと思われている。 しかし、「本当は」親切な男が働いた不親切な行為は嘘の行為だといえようか。その状況においてはそういう不親切を示すのもその親切男の「本当の」人柄ではなかったか。人が状況によって、また相手によって、様々に振舞うことは当然である。 部下には親切だが上役には不親切、男には嘘をつくが女にはつかない、会社では陽気だが家へ帰るとむっつりする、こういった斑模様の振る舞い方が自然なのであって、親切一色や陽気一色の方が人間離れしていよう。 もししいて「本当の人柄」を云々するのならば、こうして状況や相手次第で千変万化する行動様式が織りなす斑なパターンこそを「本当の人柄」というべきであろう。そのそれぞれの行為のすべてがその人間の本当の人柄の表現なのである。 カメレオンや七色変化の紫陽花と同じように、この世のすべての真実は百面相である。

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