テーマ:恋愛について(2618)
カテゴリ:介護のお仕事 素敵な老人達
今日、久しぶり「めしや食堂」の前を通りました。
みけマンマはこの店、入ったことはないのですが、昔働いていた老人施設の入居者さんが、この食堂の卵焼きで、色んな事があったのを思い出しました。 以前日記でも書いた村井さん(仮名 女性80代)。http://plaza.rakuten.co.jp/mikenekomannma/diary/200706100000/ 村井さんの、食への思いは並々ならぬ物があったのですが、なんせ糖尿病。しかも重度。 普段の食事でも気をつけなくてはいけないのに、ちょっとあれこれ食べたら、一気に血糖値がどかーーーん!!とあがってしまいます。 ある日を境に、村井さんの血糖値はバンバン上がり始めたのです(汗) 300ギリギリが毎日続く。 これはおかしい。村井さんの部屋を捜索すると、食べ物の包みや、パックが出てくる出てくる(汗)面会者もいないし、村井さん自身も外へ外出はしないのに、何故このたくさんの食べ物。 誰かが村井さんに食べ物を運んでいる。 それは、2階上の階に居を構えてい林さん(仮名 80代男性)でした(汗) 林さんは、有名企業の偉いさんだったらしく、80代とは思えないぐらい元気で、お洒落でスマートな方でした。とにかく、施設の入居者の女性にモテルモテル(爆) 世のもてない男性陣は、ぜひ、林さんに弟子入りすべきだ!と思うぐらい、女性の心をぐっと掴むのが上手なんですね~このままでは、林さんファンクラブが出来るんじゃないか、っていうぐらい、年配の女性からもてていました。 林さんの隣に座りたいわ~~♪ 林さんとお話がしたいわ~~~♪ 林さんの凄いところは、どんな女性にも優しい(汗) で、食べたい物が食べられない村井さんを見て、せっせと自分が外出して、スタッフの目を盗んで食べ物を運んでいたんですね(笑) 当たり前ですが、血糖値が上がりますので、何か食べてる事はバレバレです。 林さんには、村井さんの病気を説明して、食べ物を持っていくのを控えてもらうよう説明しました。 ところが(汗) 林さん、今度はこそ~~~~~っと、手ぬぐいに「めしや」で買ってきた卵焼きを包んで物陰に隠れている(滝汗) 明らかに村井さんに持っていくんでしょう!! 村井さん、そそくさと隠れてタオルに卵焼きをくるんで部屋へと走る。 それから、今度は毎日二人の卵焼き交換が始まりました。 卵焼きぐらいはしょうがないかな~と思いながら、二人の卵焼き交換を傍観している日々が続きました。 それから1ヶ月した頃でしょうか。 みけマンマがリーダーの日。朝、いつものように林さんは、病院の送迎車に乗って施設を出ていきました。林さんはとある病気で、専門の病院に週3回、専門の病院から送られてくる車に乗って通院していたのでした。 その日も 「林さん、また村井さんに何か買ってきたらあかんですよ~。」 「ま~~たまた~みけマンマに釘刺された~~厳しいな~~もう」 と元気よく出ていきました。 夕方。4時になってもスタッフから林さんが帰所した、という報告が無いので、気になって事務所に電話をしました。 「あの、林さん、まだ帰って来られてないですか?」 「そうなんですよー。遅いですよね…」 そうしていると、なんと警察から電話が。林さんの乗った送迎車が交通事故を起して林さんが病院搬送された、という連絡でした。 林さんの病気は、強い衝撃や、急激な血圧低下が命取りです。 もしや、と思っていたら、そのまま、帰らぬ人となってしまいました。 この事故は新聞でも報道されたため、新聞を読んでいる入居者さん達の知れるところとなり、施設の女性陣がパニックになりました。 「あんなに元気だったのに!!どうして!!」 「最後に一目でも会いたい!」 村井さんの悲しみは深く、テーブルに突っ伏して泣いていました。 とりあえず、みけマンマたちは、家族の方が荷物を引き取りに来る前に、冷蔵庫の中の腐りやすい物だけ処分させてもらう同意を得て、部屋に入りました。 お洒落な林さんの見事なコレクションを眺めながら、冷蔵庫を開けると、そこには村井さんにあげるために買ったであろう「めしや」の卵焼きが置いてありました。 毎日、毎日タオルにくるんで持って行った卵焼きです。 以来、卵焼きを見ると林さんを思い出します。 施設一の色男の突然の死でしたが、 「俺はなー!じと~~っと死んで行くのは嫌なんだよ。がつーーん!と生きてポックリ逝くのが希望だからな!」 ある意味、希望通り、突然の幕切れでした。 林さんらしい、別れ方だったのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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