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イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」 ― SS速報VIP連載 モンハン創作小説

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全219件 (219件中 1-10件目)

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2013.01.02
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カテゴリ:カテゴリ未分類
グレンゼブル 「だけど……少女も俺が殺すってことだろ?」
       「そんなのは嫌だ。少女とは昨日会ったばかりだが、もう俺の連れだ!」
       「仲間に手を上げろっていうのかよ!!」
ラヴィエンテ 「フム……本心カラ言ッテイルナ……」
       「不気味ナ程純真ナ男ヨ……」
       「オ前ニ、任セヨウ……」
グレンゼブル 「!」
ラヴィエンテ 「ワシハ何モ、傀儡ヲツクルツモリハナイ。言ッタトオリ動ク道具ハイラヌ」
       「封印ノ力ヲオ前ニ与エルガ、使イ道ハ自分デ判断セヨ」
グレンゼブル 「話が分かるな……その放置主義、嫌いじゃないぜ!!」
       「そういうことなら、遠慮なくくれるってもんを頂いていくぜ!!」

ラヴィエンテ 「クク……ッ」
       「良キコトニ使エ……」
グレンゼブル 「言われるまでもねぇ!」
ラヴィエンテ 「無理ヲ言ウ礼ダ。オ前ガ大事ニシテイル、高地ノ動物逹ニ、ワシノ幸福ノ加護ヲ与エテオコウ」
グレンゼブル 「よく分かんねぇがありがとよ!!」
       「じゃ、俺はそろそろ帰るわ。みんなが気になる。蛇の旦那、また会おうぜ!」
ラヴィエンテ 「アァ……マタナ……」
 >ぐにゃぁり……
グレンゼブル 「! 景色が……歪んで……」
ラヴィエンテ 「…………ワシノ……………………娘……………………」
グレンゼブル 「ああ!? ンだって!?」
       「蛇の旦那、聞こえねぇぞ!!!」
ラヴィエンテ 「setes…………sateas………………」


―海、朝―

ティガレックス兄 「ッあァ!!! やっと見つけたァ!!!(ザバァッ!!)」
ティガレックス弟 「海底に沈んでやがった!!!(ザバァ!!)」
グレンゼブル 「………………」
ティガレックス兄 「おう!? 死んでねぇよな!?(バシバシ!!)」
ティガレックス弟 「刺激を与えろ刺激を!(ドゴドゴ!!)」
イャンガルルガ 「やめろ! 殺す気か!!」
グレンゼブル 「ゲホッ!! グホゥ!!」
ティガレックス兄 「目を覚ましたぜ!!」
ティガレックス弟 「しぶてぇ奴だ」
グレンゼブル 「あァ……? お前たちは……兄弟……?」

ティガレックス兄 「こいつ気色悪いぜ……」
ティガレックス弟 「俺逹がいつお前の兄弟になったよ……」
イャンガルルガ 「どけ。大丈夫か!?」
グレンゼブル 「……俺は……今まで、蛇の旦那と絶島で……」
イャンガルルガ 「!!!」
        「と、とりあえず陸に戻ろう」


―高地、グレンゼブルの棲家があった場所、朝―

ルコディオラ 「本当に、そう言ったか」
イャンガルルガ 「ああ。グレンゼブルは気絶する寸前に絶島の名前を出した」
        「どういうことだ? 絶島って、実在する島じゃなかったのか?」
ルコディオラ 「実在はする。だが、場所を変えることがある」
イャンガルルガ 「何だと? 俺をからかってるのか?」
ルコディオラ 「否。絶島は、ラヴィエンテ様ご自身。海をたゆたう浮遊島」
       「おそらく、グレンゼブルは意識のみ、絶島にたどり着いた」
       「そこでラヴィエンテ様と会話した……のだろう」
ナルガクルガA 「一概には信じられない話ではあるけど……」
ナルガクルガB 「こんなちっちゃな人間が、あんなでっかい古龍に変身したんだもの!」
ナルガクルガC 「もう何が起ころうと驚かないわ!!」
少女 「すぅ……すぅ……Zzz……」
グレンゼブル 「Zzz…………Zzz…………」

ゴゴモア 「命、別状はない」
     「寝ているだけだ」
ココモア (ほっ)
     (僕が一緒にいるから……お姉ちゃんがこんな目に……)
     (…………)
ブラキディオス 「………………」
ルコディオラ 【どうした? 気になることでもあるのか?】
ブラキディオス 【ラヴィエンテ様は、どうしてグレンゼブルの意識と対話したのか、いまいち分からぬ】
        【それこそ弟子であるお前に意識が飛んでこない訳も見当がつかぬ】
ルコディオラ 【…………】
       【何かお考えがあるのかもしれない……】
       【それこそ、古龍の俺に話せないようなことが……】

少女 「ん……」
イャンガルルガ 「少女が起きたぞ!」
少女 「ここは……」
イャンガルルガ 「良かった……無事みたいだな」
少女 「ガルルガさん……その火傷……」
イャンガルルガ 「これくらい平気だ……それよりお前は大丈夫か……?」
        「角が大きくなってるように見えるが……」
少女 「うん、大丈夫。ごめんなさい、みんな……」
   「私、もうちょっとで取り返しのつかないことを……」
ティガレックス兄 「今回はちょっとばかし驚いたが、まぁいつものことだ!」
ティガレックス弟 「何とも無いぜ!!」
ナルガクルガA 「あんた達寝てたでしょう……あの騒ぎの中……」

ナルガクルガB 「とにかく、ちゃんと説明してもらうわよーぅ!」
ナルガクルガC 「そうよそうよ! またいきなり変身されたらたまったもんじゃないわよーう」
少女 「そうだね……ごめんなさい……」
イャンガルルガ 「お前は悪くねぇ。それより……よく戻ってきてくれた」
 >ガシッ
少女 「え……」
イャンガルルガ 「良かった……」
ナルガクルガA 「きゃ! 大胆!!」
ナルガクルガB 「ワイルドボーイ!!」
ナルガクルガC 「妬いちゃうわ!!」
ゴゴモア (少女はこうして目が覚めたが、これで終わりではないだろう……)
     (何か嫌な予感がする……)
ブラキディオス 「………………」

次の話に続きます

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最終更新日  2013.01.02 21:29:59
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小鉄 「そ、そいつが何の用だニャ!?」

何……「力」は欲しくないか……?
弱い弱いお前は、力が欲しくはないのか……?

小鉄 「力……?」

お前も私の宿主となれ、猫よ……。
負の力を吸収すればするほど、強まる力をお前に与えよう。
だから猫よ……私の宿となれ……。

小鉄 「お前が何なのかさっぱり分からんニャ! つまりお化けなのかニャ!?」
   「お化けなんかと取引するつもりはないニャ!!!」

いいのか……?
力がないばかりに見過ごしてきたたくさんのこと……。
力がないばかりに飲んできた、大量の涙……。
お前はそれでいいのか……?

小鉄 「う、うるさい! うるさいニャ!!!!」
   「オイラは……」
   「オイラ……は………………」
   「………………」
   「強く……………………なりたいニャ……ッ!!!!!」

ククク………………
いいだろう、お前に……
我が力を……

「駄目よ!!!!」

小鉄 「!!!!」
   「何だニャ!? 女の子の声……?」

「この力と契約しちゃ駄目!!」
「この力は負の思念体、私達が手を出してはいけないものなの!!」
「目を覚まして! あなたはこの子の、お兄さんなんでしょう!!!」

小鉄 「!!!!」
   (あれは……迅雷……!!)
   (迅雷が、倒れてるニャ…………)
   「迅雷! しっかりするニャ!!!」
迅雷 「………………」
小鉄 (黒い光が収まってる…………)

邪魔をするな……巫女の娘よ……

「あなた達の先を照らすのは希望の光よ!!」
「決して負の光であってはならない!!!」

邪魔を……するなアアアア!!!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!

小鉄 「じ……地震…………!!」
   「土が……競り上がって……」

ティガレックス亜種 「ケケ………………ケケケケケ…………!!!」
小鉄 「お前は……!!!」
ティガレックス亜種 「ジンオウガは死んだ! てめぇの目の前でな!!」
          「てめぇは何もできない! あの時も、これからも!!!」
          「猫でありつづけるかぎり、お前は無力なんだよォ!!!!」
小鉄 「オイラ……オイラは………………」

「惑わされちゃ駄目!!」
「未来を切り開くのは、光の力じゃなくちゃいけない!!!」

小鉄 「………………それでも、それでもオイラは………………」
迅雷 「ア……アニキ…………」
小鉄 「迅雷! 目が覚めたかニャ!!!!」
迅雷 「アニキ…………」
   「ッ……俺、弱いアニキでいいよ…………」
小鉄 「!!!」
迅雷 「俺たち、二人合わせて一人前だろ……?」
   「一緒に行こうよ……」
   「先に行こう……」
   「後ろなんて向くなよ……」
   「だから、アニキ」
   「俺の……アニキでいてよ…………!!!」

小鉄 「うおおおおおお!!!!!!」
 >ザンッ!!!!!
ティガレックス亜種 「ガア!!! 俺の目に…………!!!」
小鉄 「ぬぅーはははははは!!! 一度ならず二度三度までも同じ手を食うとは、進化のない奴だニャ!!」
   「ビッグブーメランでも目ん玉に刺さっとけだニャ!!!!」
ティガレックス亜種 「おのれええええええ!!!!」
小鉄 「女の子の声! 迅雷……!!!」
迅雷 「アニキ!!」
小鉄 「ありがとうだニャ……!!!」
   「不気味な幻見せてくれてる礼だニャ!!!」
   「特大きのこ爆弾でもくらうニャアアアアア!!!!!!」
 >ドォォォォォォンッ!!!!!!

!!!!!!!!!
グ…………
グオオオオオアアアアアアア!!!!!!!!!

迅雷 「アニキ、背中に乗って!!!」
小鉄 「おう!!!(バッ!)」
   「女の子の声! お前も一緒に……」

「私は一緒に行く訳にはいかないの……」
「お兄ちゃんに伝えて……」
「私は向こう側に行くから……」
「だから、また会えるその日を楽しみに、今を生きてって……」

迅雷 「アニキ! 溶岩が迫ってきた!! 行くよ!!!」
小鉄 「お兄ちゃんって……お前、まさか………………」

「………………」

小鉄 「アビオルグの………………」


―同時刻、高地近くの海―

グレンゼブル 「……(ゴポゴポ)」
       (息ができねぇ……体も動かねえ……)
       (俺はここで死ぬのか……)
       (潮の流れが強すぎる……逆らえねえ……)
       (兄弟達……エルペ達……)
       (俺は……)
       「…………(ゴポゴポ……)」


―××―

グレンゼブル 「ッ……ハァ!」
       「ゼェ……ゼェ……」
       「ゲフッ……」
       「な……何だァ……この島……」
       「俺は……打ち上げられたのか……?」
       (その割には体がうまく動かねぇような……)
       (まるで水の中にいるみてぇな感覚だ……)

グレンゼブル (異様なほど生き物の気配がねぇ島だな……)
 >シーン…………
グレンゼブル 「!!」
       「んなッ!? 何だァこれ……」
       「木か……?」
       「でっけぇー……木が、横倒しになってやがる」
       「ずっと先に続いてるぞ……」
 >ピタピタ
グレンゼブル 「ツルツルしてるな……何の木だこりゃあ」
 >ゴゥゥ……ゴゥゥゥ……

グレンゼブル 「!」
       「違う! こ……これ、動物だ、生きてるぞ!」
       (だけど、こんなでっけぇモンスターがいるのか?)
       (俺も大概でけぇが……これはその比較にならねぇ!)
       (へ……蛇か……?)
       (頭はどこだ……?)
       (もしかして……さっきから空が暗いのは……)

 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
グレンゼブル 「うぉあ!!?」
       (び……びっくりして思わず声が出ちまった!)
       (山くらいもあるぞ! でっけぇ……大蛇が!)
       (首もたげて、俺のことを覗きこんでやがる!!!!)
       「お……おうおうおうおう!!!」
       「な、何モンだてめェ!!!!」
×××××× 「…………」
グレンゼブル 「今まで生きてきて幾星霜! いろんな怪奇に遭ったことはあるが……」
       「てめーみてぇな規格外の野郎に出会ったのは初めてだぜ!!!」

×××××× 「ン……ヌゥ……?」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴ
グレンゼブル (こ、こっちを見た!)
       (なんて迫力だ……)
×××××× 「オマエハ……」
       「名ハ、何ト言ウ?」
グレンゼブル 「おうおう! 名前を尋ねるときはまずは自分からだろーが!!」
       「最近のデケェ奴は礼儀も知らねぇのか!!」
×××××× 「……ククッ……」
       「面白イ餓鬼ヨノゥ……」
       「長生キハシテミルモンジャ。時折コウイウ阿呆ニ出会エル」

グレンゼブル 「阿呆だとぅ!?」
       「まず名乗れ! 話はそれからだ!」
×××××× 「フム……」
       「ワシノ名ハ……『ラヴィエンテ』」
       「ココ、『絶島』ノ支配者ヨ……」
グレンゼブル 「『絶島』……? 少女たちが行きたいとか言ってたところと同じ名前だな……」
ラヴィエンテ 「ホウ……」
       「オ前ヨリ懐カシイニオイガスル。ソレヨリ……」
       「名乗ラセテオイテ、名乗リ返サヌトハイカニ?」
グレンゼブル 「こりゃしまった! 俺としたことが……」
       「おうおう!! 耳ィかっぽじってよーく聞きやがれ!」

グレンゼブル 「高地を守る喧嘩番長! 雷喰らって痺れてKO! だけどそれでも諦めない! グレンゼブル様とは、俺様のことよ!」
ラヴィエンテ 「『グレンゼブル』、カ……」
       「覚エテオコウ」
グレンゼブル 「もしかしててめぇ、少女たちが言ってた偉い古龍とやらか?」
ラヴィエンテ 「…………」
グレンゼブル 「ならすぐ行ってやってくれ! 少女とやらがでっかくなっちまって大変なんだ!」
ラヴィエンテ 「…………」
グレンゼブル 「なぁおい!」
ラヴィエンテ 「仔細ナイ。先程、場ハ収マッタ」
       「何モカモ、無事ノハズダ」
グレンゼブル (ほっ)

グレンゼブル 「そ、そうか……なら良かった」
ラヴィエンテ 「オ前……『ルコディオラ』トハ会ウタカ?」
グレンゼブル 「あァ、あのカタい兄ちゃんか。会ったよ」
       「他の奴ら共々元気そうだ」
ラヴィエンテ 「ソウカ……」
       「ワシハ、ココカラ動クコトカナワン」
       「オ前ニ、ワシノ代ワリヲ頼ミタイ」
グレンゼブル 「てめぇの代わりィ? 今ここで会ったばっかの俺にか?」
       「いいぜ! てめぇからは何か他人みてぇな雰囲気がしねぇ。気に入った!」
ラヴィエンテ 「ククッ……」
       「面白イ餓鬼ヨ……」

ラヴィエンテ 「『グラン・ミラオス』ガ覚醒シタ……」
グレンゼブル 「あァ? ブサイ・ブサオス?」
       「どんだけブサいんだよそりゃあ」
ラヴィエンテ 「?」
       「古龍ノ力ヲ悪用セントスル者モイル……」
       「『若キ力』ガソノ道ニ進ム可能性モ排除セネバナラヌ」
       「オ前ガ言ウ『少女』トヤラガ、オソラク『グラン』ノ名ヲ継グ者……」
       「厄介ナノハ、『グラン』ハコノ時代ニ復活スベキ『力』デハナイトイウコトダ」
       「分カルカ?」
グレンゼブル 「分からねぇ! 俺は難しい話は嫌いだ!!」
ラヴィエンテ 「クク……気持チ良イクライノ阿呆ダナ……」

ラヴィエンテ 「砕イテ言ウト、少女ヲ封印セネバナラヌ」
       「ソシテ、同時期ニ古龍ナラザル者ガ複数誕生シテイル」
       「ソレラモヤハリ、封印セネバナラヌ」
       「同ジヨウニ、悪シキ古龍ガ暗躍シテイル」
       「ソレモマタ、封印ノ必要ガアル」
グレンゼブル 「何だァ……えらい封印しなきゃならんのが多いな」
ラヴィエンテ 「オ前ニハ、ソノ封印ノ力ヲ授ケル……」
       「豪気ナ男ヨ、オ前ノ目デ見テ、耳デ聞イテ、肌デ感ジ、危険ダト思ッタ者ヲ封印セヨ」

グレンゼブル 「俺にィ? 何かめんどくせぇな……」
ラヴィエンテ 「ヤルト言ッタデハナイカ……」
グレンゼブル 「がっかりすんな、心配するな。やるよ」
       「で、どうやりゃいいんだ?」
ラヴィエンテ 「簡単ダ。オ前ガ殺セバイイ」
グレンゼブル 「……!!!」
ラヴィエンテ 「魂ヲ食ラエ。ソウスレバ、古龍トイエドモヒトタマリモナイ」
グレンゼブル 「それって……俺に、同じモンスターを殺せっていうことかよ?」
ラヴィエンテ 「ソウダ」
       「何モ無差別ニヤレト言ッテイルワケデハナイ」
       「危険カラ、世界ヲ守ルト思エバイイ」

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最終更新日  2013.01.02 21:29:03
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小鉄 「な、何を言いてぇニャ……?」
アビオルグ 「古龍と関わった者は、それと共に歩く者は、少なくとも『普通の』生活はできねぇ」
      「俺はそう、何となく思うがね」
      「例えばそう、迅雷ん中にお守りがあるとして、それを体から抜き取ったとしてだ」
      「てめぇが迅雷の近くにいたら、何も変わんねぇんだよ」
小鉄 「!!!」
アビオルグ 「何今更初めて気づいたような顔してやがる」
小鉄 「………………」
アビオルグ 「しかし、てめぇのその命がけの行動……少しだけ、や、少しだけだがてめぇらに興味が湧いた」
      「タイクンザムザをぶっ殺すまでは、協力してやらねぇこともねぇ」
小鉄 「ほ……ホントかニャ!?」
アビオルグ 「俺がここで断れば、てめぇは一匹であれに吶喊して、話がややこしくなりそうだ」
小鉄 「ぐっ……返す言葉もないニャ……」
アビオルグ 「とりあえず雷光ゼリーを食べちまったんなら仕方ねェ。これを食え」
小鉄 「この緑色のは何だニャ?」
アビオルグ 「神苔という、俺の一族に伝わる秘伝の薬だ。大抵全ての中毒に効く」
小鉄 「す、すまねぇニャ(ガツガツ)」
   「に………………に、苦ェェェニャァァァァァ!!!!」

小鉄 「何てものを食わせるニャ……ゼェ……ゼェ……」
アビオルグ 「これで心臓が破れることはねぇだろう」
小鉄 「さらりと恐ろしいことを言うなニャ……それで……迅雷は今どこにいるニャ?」
アビオルグ 「…………」
      「おそらく、タイクンザムザが飲み込んで奴の体内で消化されてる途中だ」
小鉄 「んなっ……!!!」
   「あの馬鹿でかいタイクンザムザの中にいるのかニャ!!!」
アビオルグ 「てめぇも見ただろう。奴が雷を出すところをな」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「十中八九小僧の能力を取り込んだと見て間違いねぇ。しかし奴の中に、小僧の命が見えた」
      「死んではいねェ筈だ」
小鉄 「じゃあ、早くあのデカブツを倒しに行かなきゃ……」
アビオルグ 「まァ待て。正面突破はダメだ」
小鉄 「じゃあどうすれば……」
アビオルグ 「てめぇは姑息でうぜぇ猫だろう。ここを使え」
小鉄 「ここって……まさか……」
アビオルグ 「ああ。頭だよ」


―地下―

剛種タイクンザムザ 「うう……顔を……素顔を見られてしまった……」
          「よりにもよってハニィに……」
          「あの猫……!!(ギリッ……)」
          「…………殺す!!!!」
          「あの猫を八つ裂きにして、そしてハニィも……!!」
          「!!」
 >バリッ…………
剛種タイクンザムザ 「こっ……これは…………」
          「あの坊やの力……? 雷が黒く……」
          「ガ……ッ!!!」
 >バリバリバリバリバリ!!!!!
剛種タイクンザムザ 「ガアアアアアアアア!!!!!!」
          (かっ……雷の力が暴走してる……!!!!!)
          (あの坊や、まだ……)
          (し……死んでない……!!!?)


―名前がない島、アビオルグの妹の墓周辺、昼―

小鉄 「ほ……本当にこんな作戦でいいのかニャ!?」
 >ダダダダッ
アビオルグ 「あァ。十分だ。奴が水を嫌う理由が、もし俺が思うとおりだとしたら……」
      「これで奴は俺達の位置を見失うはずだ!」
      「今度こそ息の根を止める!!!」
 >ダダダダダッ
小鉄 「分かったニャ! お前のことを信用するニャ!!!」
アビオルグ 「ケッ。しくじったら後ろから噛み殺してやる!」
小鉄 「……!!」
   「この地鳴り……来たニャ!!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
アビオルグ 「何だ……地震が止まねぇぞ……!!」

アビオルグ 「!!!! 何……だァありゃあ!!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小鉄 「でっ……でけぇニャ………………」
剛種タイクンザムザ(極) 「……………………」
小鉄 「ヤマツカミとかいう古龍と同じくらい……もしかしたらそれよりも……」
アビオルグ 「クソッ、小僧の力を完全に吸収しやがったな!!」
      「規格外だぞ! 効くのか!?」
小鉄 「作戦変更だニャ! さすがにあの巨体に外から攻撃しても通じないニャ!!」
アビオルグ 「じゃあどうする!?」
小鉄 「アビオルグはそのまま作戦続行だニャ!!」
   「オイラは……このまま『直接』迅雷を助けに行くニャ!!!!」

剛種タイクンザムザ(極) 「……ガ……ガガ…………」
アビオルグ 「野郎ォ……完全に正気を失ってやがる!!」
小鉄 「それよりちゃんと狙うニャ!!!」
アビオルグ 「本当だな!? 本当に投げてもいいんだな!!!?」
小鉄 「くどいニャ!! それより作戦をしくじらないでほしいニャ!!」
アビオルグ 「俺を誰だと思ってやがる! 死んでも俺を恨むなよォ!!!!」
 >ググググググッ
小鉄 「合点承知だニャ!!!」
 >ボッシュゥゥゥゥゥゥ!!!
小鉄 「ギニャアァァアァァアアア……………………ァ…………!!!!!!」
アビオルグ (猫をタイクンザムザの真上に投げ込んだ!!!)
      (俺がしくじれば、あの猫は地面に激突して木っ端微塵だ!)
      (ケッ……俺を信用しただと!? ラージャンを憎む俺を……)
      (気に入らねぇな……!!!!)

アビオルグ 「だが!!!」
      「猫ォ! 今回はてめぇのしぶとさに敬意を評してやる!!!」
 >ドドドドドドド
アビオルグ 「タイクンザムザァァァァァァ!!!!!!」
剛種タイクンザムザ(極) 「ガ……ア……ア………………」
             「ハニィ………………」
             「ハニィ助けて………………」
アビオルグ 「!!!!」
剛種タイクンザムザ(極) 「痛いのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
             「体中がしびれて動かないのよぉおおおお!!!」
             「怖い!! 怖いわああ!!!!」

アビオルグ 「やかましい!!!!」
      「貴様が食らって取り込んだ、俺の妹の亡骸ッ!!!」
      「その異常なまでの知性、第六感! 返してもらうぜ!!!!」
剛種タイクンザムザ(極) 「ガアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
 >バリバリバリバリバリバリ!!!!!!
アビオルグ 「黒い雷が……!!!!」
      (構うか!!!!!)
      (奴は必ず、俺を直接狙ってくる!!)
      (そして奴はおそらく、臭いで俺を追ってる!! 元から目は良くないんだ!)
      (この位置、猫が探した水脈ッ!!!)
      「ゴウッ!!!!!」
 >チュッドォォォォォォォォン!!!!!!
 >バババババババババ!!!!!
アビオルグ (ちょっとばかし……攻撃をモロに受けるがな……)
      「グアアアアアアアアア!!!!」

小鉄 「…………ギニャアアアア!!!!!」
 >ヒュルルルルルルルル……
小鉄 (!! アビオルグが自分ごと、水脈の真上の地面を吹き飛ばした!!!)
 >ブシャアアアアアアアアアア!!!!
剛種タイクンザムザ(極) 「これは……み、水……!!!!」
             「ギィイエエエエエエエエ!!!!!!」
アビオルグ 「ガ……ア………………」

小鉄 (良し!! タイクンザムザがオイラ達を見失って、真上を向いて叫んだニャ!!!)
   (このまま奴の『体の中』にダイビングだニャ!!!!!)
   (……!!!!)
   (こ、こんな時に…………)
   (体が……動かんニャ………………)
   (傷が開いたニャ…………!!!)
   (もう少し……もう少し左でタイクンザムザの口の中に…………)
アビオルグ (カッ!!!)
      「ゴアアアアアア!!!!!」
 >ググググググッ
剛種タイクンザムザ(極) 「か……体が……引っ張られる………………!!!」
             「私の、巨体が……!!!!」
アビオルグ 「感電してる場合じゃねええええええ!!!!」
      「行けェ!!!!!!! 『小鉄』!!!!!!!!!」
小鉄 「…………おう!!!!!」
 >ズボッ!!!!!!
 >ゴクンッ!
剛種タイクンザムザ(極) 「……な……何かが……体の中に……………………」


―剛種タイクンザムザ(極)の体の中―

小鉄 「………………」
   (ハッ)
   (お……オイラは…………)
   (きっ……気絶してる場合じゃねぇニャ…………)
   (早く迅雷を助けて、タイクンザムザの体内で特大きのこ爆弾を……)
   (しかし……何でこんなに明るいニャ……?)
   (明るいというよりは……熱い……?)

グオオオオオオオオオ!!!!!!

小鉄 (ビクッ!)
   「こ……ここは!!!」
   「ユクモ地方の、火山!!?」
ジンオウガ 「ガアアアアアア!!!!!!」
ティガレックス亜種 「グオオオオオオ!!!!!!」
小鉄 「迅雷の親父さんに、ティガレックス亜種!?」
 >ズゥゥゥゥゥゥン!!!
小鉄 「親父さんがあの時みたいに、殺されかけてるニャ!!!」
   「ど、どうなってるニャ!? ここはタイクンザムザの体内じゃないのかニャ!?」
 >ドドドドドドドドド
小鉄 「あああ!! 迅雷の親父さんが!!!!」
   「ティガレックス亜種と、溶岩の中に!!!!」

小鉄 「うっ……ううう……………………」
   「オ、オイラは、一度ならず二度までも…………」
   「『見てるだけ』で何も出来なかった…………!!!」
   「…………オイラはどうして『猫』だニャ!!!!!!」
   「どうしてこんなひ弱な身体に産まれたニャ!!!」
   「どうして、どうしてオイラばっかりこんな弱っちいんだニャ!!!!」
   「強ければ……何にも負けない強い体さえあれば……!!!!」
   「オイラは何も失わずに……誰も悲しませずに済んだはずだニャ!!」
   「納得いかんニャ!!! 納得いかんニャアアァァ!!!!」

クククッ………………

小鉄 「!!!!?」
   「な……何だニャ!? 誰だニャ!?」

それがお前の本心か

小鉄 「こ、この声……頭の中に直接…………」
   「まるでアマツマガツチみたいに…………」

猫、弱い弱い猫……
何も守れず、何の力にもなれない弱い猫よ……

小鉄 「う……うう、五月蝿いニャ!!!」
   「誰だか分からんけど、お前に何が分かるニャ!!!」
   「何が分かるニャ!!!!」

クク…………
よく分かる、分かるよ猫よ……

力を持たぬ者の苦悩が……

持たざる者の苦しみが……

負の念、憎しみの感情
行き場のない怒り……
全てを憎むやるせのない悲しみの感情が……

私はそれそのものなのだからね……

小鉄 (ゾッ……)
   「な……何……?」
   「意味が……分からんニャ…………」

タイクンザムザ……
あぁ、いや、今私が「宿って」いる「これ」……

とてもいい宿主だ……
全てを喰らう宿となり得る、面白い逸材だ

私はタイクンザムザに喰らわれて成長した、負の意識……
その集合体だ……

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最終更新日  2013.01.02 21:28:09
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アビオルグ (くそっ……!!! しっかりしがみついてはがれやしねええ!!)
      (このまま崖下に衝突したら、図体のでかいこいつはともかく、俺は無事じゃすまねえぞ!!)
      (!!!)
      (あれは…………!!)
小鉄 「………………!!!!」
アビオルグ 「猫……!!!」
小鉄 「ア、アビオルグー!!! 横だニャ!!! 横にブレスを吐くニャ!!!」
アビオルグ 「!! ガアアア!!!!」
 >ゴウッッッ!!!!!
 >チュッドォォォォォォォォォォン!!!!!
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!
剛種タイクンザムザ 「…………揺れ…………!? まさか…………」
 >ド ド ド ド ド ド ド ド ド
アビオルグ 「……!! そうか! この崖には地下道が広がってる! そしてそこには……」
 >ドッシャアアアアアアアアア!!!!!
剛種タイクンザムザ 「キャアアアアアア!!!!!!!」
アビオルグ 「水が溜まってるってわけだ!!!」
      (吹き出した水がデカブツを直撃して、吹き飛ばした!!)
      (俺の拘束も緩んだ!!!)

アビオルグ 「もう一度喰らえェェ!! ゼロ距離ブレス!!!!」
剛種タイクンザムザ 「水……! 水ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」
アビオルグ 「!!!!(ゾクッ)」
      (な……何だ、この悪寒……!!!)
剛種タイクンザムザ(怒り) 「水ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! あたしの!! あたしのエステがああああ!!!」
              「エステがはがれるうううううううう!!!!!!!!!」
 >バリバリバリバリバリバリバリ
アビオルグ 「……雷!!!!!!」
      (しまった!!! 水は雷を通………………)
 >ババババババババババババババババ
アビオルグ 「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
 >ズゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!
 >ズゥゥゥ……ン…………
アビオルグ 「ガ………………ウ……………………」
剛種タイクンザムザ(怒り) 「ハァ……!!! ハァ…………!!!!」
              「見たわね!! ハニィ!!! 私の素顔をオオオ!!!!!!」
              「見たわねええええええええ!!!!!!」

アビオルグ 「グ…………」
      (しまった……感電して体が動かねえ……ッ……)
剛種タイクンザムザ(怒り) 「残念だけど…………私の素顔を見られたからには……」
              「ハニィだろうと生かしておくわけにはいかないのよ…………!!!」
              「私の…………麗しきエステが剥がれたこの顔を…………」
              「あなたにだけは……!! 見られたく…………!!」
小鉄 「アビオルグー!!!!!」
 >ゴロゴロゴロゴロ
 >ドガッ!!!
小鉄 「痛ダァァ!!! 木に頭をぶつけたニャ!!!」
   「な……何だニャ!!! 水でタイクンザムザの泥と岩が流れ落ちてるニャ!!!!」
剛種タイクンザムザ(怒り) 「猫……お前も私の素顔を…………」
小鉄 「す…………す………………」
   「すげぇブサイクなヤドカリだニャアアアアア!!!!!!!」

剛種タイクンザムザ(怒り) (ピキッ…………)
小鉄 「でかいのに相まって記録的ブスさなタイクンザムザだニャ!!!」
   「び……びっくらこいたニャ……!!!」
剛種タイクンザムザ(怒り) 「ブス………………?」
              「わ……私を…………私をブサイク…………?」
              「私…………私、私、私が………………」
小鉄 「な……何だニャ…………何か様子がおかしいニャ…………」
アビオルグ 「逃げろアホ猫ォォォォ!!!!」
小鉄 「ア、アホとは何だニャァァ!!!!」
   「それが! お前を助けに来た英猫への言葉かニャ!!!!」
 >ゴソゴソ
小鉄 「こてっちゃん特製! 超・毒キノコ爆弾でも喰らえニャアアアア!!!!」
 >ヒュンッ!!!
 >パァァァァァァァァァッン!!!!
 >パラパラパラパラパラ………………
剛種タイクンザムザ(怒り) 「こっ…………この臭いは………………!!!!!」
              「い………………いやあああああ!!!!!」
              「肺が焼けるぅぅぅぅ!!!! ああああああ!!!!」
              「エステが!!! エステが溶けるうううう!!!!!」
              「ああああああああ!!!!」

 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 >ズズズズズズズズ………………
 >ズ………………ズズズズ…………
 >ズ……ッ…………
小鉄 「そっ、想像を絶するほど効いたニャ…………!!!!!」
アビオルグ (ググ………………)
      「チィィ…………猫に助けられるとは………………」
小鉄 「あのデカいタイクンザムザは潜って逃げたかニャ…………」
   「でもまたいつ戻ってくるとも限らんニャ……」
   「アビオルグー!!! はやいとこここを離れるニャ!!!!」
アビオルグ 「…………チッ…………」


―名前がない島、アビオルグの妹の墓周辺、昼―

アビオルグ 「ゼェ……ゼェ……」
小鉄 「大丈夫かニャ……?」
アビオルグ 「てめぇなんぞに……猫なんぞに心配されるいわれはねぇ……」
小鉄 「オトモ軽視の発言は許さんニャ。と……ちょっと待つニャ」
 >ヒュッ
 >パァンッ
アビオルグ 「どこでそのキノコ爆弾の材料を見つけた……?」
      「てめぇがさっきからバラ撒いてるそれだ……ゼェ……」
小鉄 「お前息が上がってるニャ。トレーニングが足りないんじゃないかニャ?」
   「教えてやるニャ。これはどこにでも生えてる毒テングダケに、この秘伝の粘菌を混ぜて作るんだニャ」
アビオルグ 「粘菌……?」
小鉄 「これはオイラの爺ちゃんが見つけてきた特別な菌だニャ」
アビオルグ 「人間が使う瓶みてぇなのに、緑色の菌……か?」
小鉄 「空気に触れてると熱が出てきて、仕舞いには爆発する危険な菌だニャ」

アビオルグ 「それと毒テングダケを混ぜると、タイクンザムザの嫌がる毒を発生させるわけか……」
小鉄 「猫の知恵を舐めるんじゃないニャ。これぞ現代の科学だニャ!!」
アビオルグ 「ゼェ……元気な奴だ……昨日死にかけてたとは思えん……」
小鉄 「お前オイラにお礼の一つもないのかニャ」
アビオルグ 「猫ごときに下げる頭はねェ」
小鉄 「フンッ! 可愛くない奴だニャ」
アビオルグ (猫の異様な元気さが気になるな……)
      (こいつ、何かクスリを飲んでるな……?)
      (いいクスリじゃねェ。臭いから、おそらく、紅テングダケの粉末に雷光ゼリーを混ぜたものだ)
      (あれは気分がハイになって、一時的に血の巡りを良くするが、副作用がある)
      (知っててやってるのか……?)

小鉄 「何だニャ? 人の顔をじーっと見て、キショいニャ」
アビオルグ 「てめぇ……猫」
小鉄 「小鉄だニャ」
アビオルグ 「小鉄。聞け。てめぇはあのラージャンの弟子の小坊主を助けたいか?」
小鉄 「何を言うニャ。あったりまえだニャ!!」
   「あいつはオイラの家族だニャ! ラージャンはどーでもいいけど迅雷は大事な弟だニャ!」
   「弟を助けない兄がどこにいるニャ!! 猫だろうと虫だろうと関係ねぇニャ!!」
アビオルグ 「へェ……面白いことを言う」
      「教えてやろう。猫の里ではどう伝えてたのかは知らんが、てめぇが飲んだクスリの調合は劇薬だ」
      「死ぬぞ」
小鉄 「…………」
   「オイラが寝てるわけにはいかねぇニャ……」
   「迅雷が大変な目に遭ってるっていうのに、オイラだけがグースカ寝てたら、絶対後で悔いが残るニャ」
   「そんなのは嫌だニャ……オイラは、そんなのは嫌だニャ!」

アビオルグ 「だからと言って命を縮めることはねェ。弟だとか何だか言ってるが、どうせ元は他人だろ」
      「何でそこまで命を賭ける? 馬鹿なのかてめぇは」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「あれはジンオウガだろう。知ってるぞ……別大陸のモンスターだ」
小鉄 「! お前、迅雷の仲間のことを知ってるのかニャ!!」
アビオルグ 「雷を使う古龍に近いモンスターはそうそういねぇからな……」
小鉄 「お、教えてくれニャ! 迅雷はどうしてああなっちまったニャ!!」
アビオルグ 「あァ?」
小鉄 「お前、何か変な奴だけど悪い奴じゃない気がするニャ」
   「それに、オイラ達には分からないことも知ってる感じがするニャ!」
   「何でもいいニャ! 迅雷を見て感じたことを教えて欲しいニャ!!」
アビオルグ 「……呆れたぜ。何も知らねぇのにかばってたとはな」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「懐が広いのか、はたまたただの馬鹿か。馬鹿なんだろうな……」
小鉄 「迅雷は……」
アビオルグ 「てめぇが胸に下げてるお守りは誰からもらった?」

小鉄 「お守り? これかニャ?」
   「これは……迅雷の親父さんから……」
アビオルグ 「それを猫ごときが持ってるところを見ると、そいつは死んだのか?」
小鉄 「……オイラの目の前で死んだニャ……」
アビオルグ 「…………」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「お守りとは何なのか、それ自体分かっていないところが多いが……」
      「不思議な力を持つことは確かだ」
      「そしてお守りは、古龍が造ったとも言われている」
小鉄 「古龍が……?」
アビオルグ 「それ故に、お守りは古龍の力を持つことが多々ある。てめぇのそれと同じようにな」
小鉄 「ま、待つニャ! 迅雷はどこにもお守りなんて持ってないニャ」
   「少なくともオイラは見たことがないニャ」
アビオルグ 「知るか。俺の目には、奴の心臓のあたりからお守りに近い古龍の力が発せられているのが映った」

アビオルグ 「大方、小さい頃にお守りでも飲み込んで、古龍の力を取り込んだんだと考えられるな」
小鉄 「そんな……じゃあ、そのお守りを取り除けば、迅雷は元に戻るのかニャ?」
アビオルグ 「俺にそれを聞くな。ラージャンみてぇに、古龍に生まれつきただ単に近いだけなのかもしれねぇ」
      「憶測でものを言うのは好きじゃねぇ」
小鉄 「迅雷を……普通のモンスターにしてやりてぇニャ……!!」
アビオルグ 「…………」
小鉄 「オイラ達を……いや、迅雷を追って、沢山のモンスターが襲ってきてるニャ……!!」
   「あいつは、産まれた時から戦い続けてきたニャ!!」
   「普通の生活をさせてやりてぇニャ!!!」
アビオルグ 「無理だな」
小鉄 「なっ……」
アビオルグ 「俺が言う古龍の力を持つモンスターは、『迅雷』というジンオウガだけじゃねぇ」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「小鉄、てめぇもだ」
小鉄 「オイラも……?」
アビオルグ 「自分でもうっすら気づいてるはずだ」
      「普通の猫なら、てめぇみてぇな無鉄砲してたら軽く死んでる」

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最終更新日  2013.01.02 21:27:14
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―名前がない島、剛種タイクンザムザの巣、夜―

剛種タイクンザムザ 「キキ……ククク……キキキキキ…………ッ!!」
          「神よ……邪なる我らの神よ……」
          「今宵邪悪なる古代の化身を……捧げましょう……」
迅雷(極) 「Zzz……Zzz………」
剛種タイクンザムザ 「この『依代』はとても儚くて、そして脆い……」
          「キキ……新しい依代には……この私がふさわしい…………」
 >ギギ…………
 >グ…………
迅雷(極) 「Zzz……」
剛種タイクンザムザ 「この雷の力……そして感じる……大きな、古代の力……」
          「私は……この力が欲しい……」
          「神よ……この小僧の『体』を捧げましょう……」
          「新たなる古龍の誕生を……祝福したまえ……」
          「おお……神よ……」

 >グッ……
剛種タイクンザムザ 「……!!」
          「おお……お……何と……硬い体毛か……」
          「この……黒い波動が邪魔をしているのか…………」
          「断ち切れぬ…………!!」
迅雷(極) 「Zzz…………」
剛種タイクンザムザ 「ええい……丸呑みして……くれる……」
 >ゴゴゴゴ
 >バクンッ
 >ゴクリ…………
剛種タイクンザムザ 「……!!!!」
          「何……だ…………」
          「体に……力が溢れる……」
          「この感覚は……まさに……!!!」
          「…………神よ……!!!!!」


―名前がない島、アビオルグの巣、朝―

アビオルグ (……猫はまだ歩けるほど回復していない……)
小鉄 「グガァ…………グガァ…………」
アビオルグ (しかしこの状況でよく寝れるな……アホかこいつ?)
      (……まぁいい。猫が回復次第、タイクンザムザを追い、殺す)
      (ついでに小僧も敵対するようなら殺して、猫も邪魔をするようなら始末する)
      (ラージャン……俺はお前を許さん……!!)
      (お前の生意気な弟子とやらも、この手で捻り潰してやる……!!)
      (だが同時に、同じくらい妹の墓を荒らすクソガニも許せねぇ)
      (まず始末するのはタイクンザムザだ)
      (奴が小僧の力を『吸収』してしまう前に……)
      (……猫が目覚める前にやっておくことがあるな……)


―名前がない島、外れ、朝―

アビオルグ 「…………これで良し…………」
 >パンパン
アビオルグ (猫の話だと、このキノコ爆弾を埋めているところは、タイクンザムザは嫌うってことだったな……)
      (ここは妹の墓の入り口だ……)
      (随分と風化した……それだけ時間が経ったってことか……)
      (妹よ……何故だ)
      (俺がこんなに呼びかけているのに、何故返事をしてくれない……!)
      (俺達は、お前が生きている時はどこにいたって、お互いの意思を交わすことができたじゃないか……)
      (だがお前は逝ってしまった……)
      (ラージャンが壊した崖から落ちて、怪我をしたまま死んだ……)
      (その後にラージャンはいなくなったよ……)
      (だけど、昨日。ラージャンの弟子がこの島に来たんだ)
      (俺はお前の為に、奴を殺す。そしてお前の墓を占領しているタイクンザムザも……この手で……!!)

 >グラグラグラグラ
アビオルグ (地震……!? でかいぞ……)
      (何か巨大なものが、こっちに向かってくる……!!!)
      (墓が崩れちまう! ここから離れなければ……)
 >ダダッ!!
 >ゴゴゴゴゴゴゴ
アビオルグ (追ってくる……タイクンザムザか……!!)
      (奴め、もしかしてもう小僧の力を……)
      (!!)
      (真下だ!!!)
 >シュバッ!!
 >ドッゴォォォォォォンッ!!!
アビオルグ (地面が炸裂した……!!!)
剛種タイクンザムザ 「ハニィィィィィィ!!!! 会いに来たわよハニィィィィィィ!!!」

アビオルグ 「チィィ!! デカブツか!!」
剛種タイクンザムザ 「つれないわねハニィィ!! 今こそ! 私達がひとつになる時なのに!!」
 >ズゥゥゥゥゥゥンッ!!
アビオルグ (……ついてねぇぜ。猫からもう少し対処法を引き出しておくべきだった)
      (奴め、俺のことを奴の『第六感』で探知してやがったな)
      (それにこの野郎……前遭遇した時より遥かに、でかくなってやがる……!!)
剛種タイクンザムザ 「キシェ……キシェ……キシェ……」
アビオルグ 「……? 小僧の姿が見えねぇな……」
剛種タイクンザムザ 「小僧ォ? ハニィィ、私の前で別の人の心配ィィ?」
アビオルグ 「俺をそう呼ぶな……虫唾が走るッ!!!」
 >グググ……
 >ゴウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
アビオルグ 「死ねェ!」

剛種タイクンザムザ 「!!!」
 >チュッドォォォォォォォンッ!!!!!!
剛種タイクンザムザ 「キシェ……キシェ……!!」
          「マイハニィィ! つれないじゃないのォォ!!」
          「いきなり熱いキッスって何、何なのそれえええ!!」
          「も、燃えるじゃないィィィ!!」
アビオルグ 「くっ……汚ェ殻まといやがって……!!」
 >モクモクモク
アビオルグ 「殻のせいで爆発が内部まで届かねぇ……それに、砕けた殻の砂煙で前が……」
剛種タイクンザムザ 「ハニィィィィィ!! 今度は私の番! ね!!!」
 >シュバッ!!!
アビオルグ 「!!!(速ェ!!!)」
 >ズバァッ!!!!
アビオルグ 「……ッぐぅ……!!!」
剛種タイクンザムザ 「ヒャハハハハハ! ハ!! 血! 血が出たわ! ハニィの血よォォ!!(ベロベロ)」
アビオルグ 「……どこまでも気色悪ィヤドカリ野郎だ……ッ!!」

剛種タイクンザムザ 「キシェッ……やめておいたほうがいいわよハニィィ」
アビオルグ 「……!?」
剛種タイクンザムザ 「あなたじゃ今の私は倒せない……私は、『新しい力』を得たのだからねええ!!」
アビオルグ 「新しい力……?」
      (小僧のことか……?)
剛種タイクンザムザ 「その顔! そそるわあ!! いい目! まだ何も諦めてないって、綺麗な目!!」
          「その顔こそ私の夫にふさわしい!!」
アビオルグ 「誰がてめぇの腐れつがいになどなるか! 今ここで引導渡してやるよォ!!!」
剛種タイクンザムザ 「ヒャハハハハハハハ!!!!」
 >シュバッ
アビオルグ 「カァッ!!」
 >ゴウッ!!!!
アビオルグ (ワンタイムゼロ距離からのブレスだッ! 吹き飛びやがれ!!!)
 >チュッドォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!
 >バリバリバリバリバリバリバリ!!!!!
アビオルグ 「……ッ!!!? ガアアアアアアアア!!!!!!」
剛種タイクンザムザ 「グアアアアアアアアア!!!!!!」

アビオルグ (な……何だ……!!?)
 >ガクリ
アビオルグ (斬られた切り傷に、雷が……!!!)
剛種タイクンザムザ 「キシェシェシェ………………キキ………………(ゆらり)」
 >プス……プス…………
剛種タイクンザムザ 「なかなかいい攻撃だったけどォォ、反撃がモロに入っちゃったみたいねぇぇ?」
アビオルグ 「雷の力……てめぇ、やっぱり小僧を…………」
剛種タイクンザムザ 「なぁに? ハニィ、あの子の知り合い?」
          「だったらもう手遅れ、よ」
アビオルグ 「何ィ……?」
剛種タイクンザムザ 「だってあの子、私……食べちゃったもん」
アビオルグ 「………………野郎………………!!!」
剛種タイクンザムザ 「そ、れ、に。どれだけ私に熱いキッスをしても無駄!!」
 >シュバッ!!!
 >ザンッ!!!
 >バリバリバリバリ!!!!
 
アビオルグ 「ガアアアアアア!!!!」
剛種タイクンザムザ 「あなたの吐息も! 爪も牙も何もかも! そう何もかも私は受け止める!!」
          「ハニィから与えられる苦痛なら幸せ! 幸せなのよおおお!!」
          「だからハニィも、私から与えられるすべての苦痛を!!」
          「幸せと感じて欲しいのよおおおおお!!!!」
 >ザンッ!!!!
 >バリバリバリバリバリバリバリ!!!!!!!
アビオルグ 「ッグウウウウウウウ!!!!!」
      「ハァ……ハァ……」
      (厄介だ……小僧、本当に食われちまったのか……!!)
      (しかしタイクンザムザのあのパワーと雷は、確かに小僧のもんだ……)
      (取り込まれたと見て間違いない……!!!)
      (まずはあの帯電する鎌をなんとかしねェと……!!)
      「この粘着質の、変態野郎がああああ!!!」
 >ヒュンッ!!!
 >ドゴォォォォォォッ!!!!

剛種タイクンザムザ 「ヒャハッ!!! ヒャハハハハハハハハ!!!!」
アビオルグ 「チィィィ!! 嬉しそうにしやがって!!!」
      「このまま崖から突き落としてやる!!!!」
剛種タイクンザムザ 「あらあら……粋がっちゃって可愛いわハニィ」
アビオルグ 「黙れ! このまま俺が! この手でブチ殺してやる!!!」
剛種タイクンザムザ 「いいのォ? 私…………『あの鍵』に、気づいちゃったんだけど」
アビオルグ 「!!!!!」
剛種タイクンザムザ 「ハニィになら、教えてあげてもいいかなってぇ?」
アビオルグ 「てめえ!!!」
剛種タイクンザムザ 「ヒャハ!!!! 拘束が緩んだわ!!!」
 >ガシッ!!!
アビオルグ 「くそ!! 離せェ!!!」
剛種タイクンザムザ 「天国で教えてあげるぅぅ!! 崖の下まで、二人でランデブーよぉぉぉぉ!!!!!」

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最終更新日  2013.01.02 21:26:26
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10.深淵の彩鎌


―十数年前―

ナナ・テスカトリ 「この子をしばらくこの島に預けます」
         「深く心に傷を、そして体に大きな障害を持った子です」
         「あなた達を信用してお預けします」
         「どうか、優しくしてあげてください」
ラージャン 「…………」
アビオルグ 「あァ? 無愛想な奴だな……」
      「いいか、この島は俺達の島だ。俺をさておいてでかい顔したら……」
ラージャン 「…………」
アビオルグ 「何とか言ったらどうなんだ、あァ!?」

ナナ・テスカトリ 「アビオルグ、初対面ですよ。もう少し優しく接してあげることはできないのですか」
アビオルグ 「そうは言っても……俺はこいつの目、何か好きになれない」
ラージャン 「…………」
アビオルグ 「ドス黒いぜ。同族殺しの目だ」
ラージャン (ピクッ)
      「……取り消せ」
アビオルグ 「あ?」
ラージャン 「同族殺しだと……? 取り消せ……」
ナナ・テスカトリ 「こら、二人共……」
アビオルグ 「嫌だね。俺は正直なんだ。思ったことをそのまま言う」
      「そして俺の直感は外れたことがない」
      「お前は近い将来、必ず同族を殺す目をしてる」
      「もう殺してるのかもしれんがな」

ラージャン 「(ギリ……)もう一度言ってみろ……!!」
アビオルグ 「何回でも言ってやるよ。お前と一緒には住めない」
      「この島から出ていけ。お前は俺達にとっての災厄になる」
 >ピシャァァァァアンッ!!!
 >バリ……バリ……バリ……
ラージャン(激高) 「取り消せと言っている……」
 >グググ……
 >ゴゴゴゴゴゴ
アビオルグ(怒り) 「嫌だね!!!」
 >ガッ
ラージャン(激高) 「そうか……なら、死ね!!」
アビオルグ(怒り) 「面白れぇ!! 叩き出してやるぜ!!」

 >ドッガァァァァァァンッ!!!
 >グラグラグラ
ナナ・テスカトリ 「二人共、やめなさいー!!!」
ラージャン(激高) 「ヒャハッ! ヒャハハハハハ!!!」
 >ズドドドドドドドドド!!!
アビオルグ(怒り) 「フハハハ……ハハハハハハハ!!!!」
 >ドドドドドドドドドドド!!!
ナナ・テスカトリ 「……ふぅ……」
         「どうしますか?」
テオ・テスカトル 「放っておくがいい」
ナナ・テスカトリ 「しかし……」
テオ・テスカトル 「そうすることで芽生える友情もあるものだ。特に、男と男の場合はな」


―名前がない島、アビオルグの巣、夜―

小鉄 (ハッ……!!!)
 >ガバッ
小鉄 (こ……ここはどこだニャ……?)
   (体が猛烈にダルいニャ……)
   (熱が出てるのかニャ……)
   (…………)
   (洞窟……? どうしてオイラ、こんなところに……)
 >ズルッ……クチャクチャ……モグモグ……
小鉄 「!!!」
アビオルグ 「……(ゴクン)」
小鉄 「うわぁぁ!!」

アビオルグ 「…………何だ、死んでいなかったのか」
      「しぶとい猫だ……」
小鉄 「お、おお……お前は! アビオルグ!!!」
アビオルグ 「何度でも言うぞ。てめぇらに呼び捨てにされる程落ちぶれちゃいねぇ」
      「『さん』をつけろ。クソ猫」
小鉄 「うるせぇニャ!! 貴様が襲ってこなきゃ、迅雷が……」
 >ふらっ……
小鉄 「ぐ……」
アビオルグ 「あの黒い雷を受けて生きていられることの方が不思議なんだ」
      「静かにしてろ」
小鉄 「やかましいニャ! こんなところ出ていってやるニャ……!!」
 >ふらふら……

アビオルグ 「おい猫……」
小鉄 「迅雷が……迅雷がオイラを待ってるニャ……」
   「あいつはどこだニャ……オイラが、しっかりしなきゃ……」
 >ドサッ……
小鉄 「ニャ……」
   「何で……地面が前にあるニャ……」
   「体が動かんニャ……」
アビオルグ 「呆れたしぶとさだ……」
      「もしかしてお前、痛みを感じていないのか?」
小鉄 「ニャ!? どうしてそれを……」
アビオルグ 「お守りを持つ猫か……その胸に下げている石のせいだな」
 >ググッ……
小鉄 「こ……これは借り物だニャ! 貴様なんぞに渡さんニャ……!!」

アビオルグ 「……ふん」
      「クソ猫からモノを分捕るつもりはねぇ……」
小鉄 「オイラは……クソ猫じゃないニャ……」
   「小鉄という、れっきとした名前があるニャ……」
アビオルグ 「てめぇなんぞクソ猫で充分だ。名前なんて御大層な代物、人間みてぇで反吐が出る」
小鉄 「お前なんて……オイラ一匹で充分だニャ……!!(グググ……)」
   「成敗して……くれるニャ…………」
アビオルグ 「やめておけ。ベニテングダケを炙った粉を、てめぇに飲ませてある」
      「しばらくは体が痺れて上手く動かない筈だ」
小鉄 「何てものを飲ませるニャ……!!!」
アビオルグ 「何をぬかす。ベニテングダケは炙ると回復力を高める薬になる」
 >ボリボリ……クチャクチャ……
 >ゴクン
アビオルグ 「食っておけ。力を補給しなければ、いくら痛みを感じていないとはいえ死ぬぞ」
 >ポイッ
 >ベチャリ

小鉄 「うげぇ……ケルビの肉かニャ……」
アビオルグ 「焼いてある。てめぇら猫には俺の食い残しで充分だ」
小鉄 「敵の塩は受けんニャ……!!」
アビオルグ 「そうか。ならそこで野垂れ死ね。迅雷とやらを助けに行く事も出来ずにな」
小鉄 「!!!」
   「そうだニャ……迅雷はどこに……」
   「まさか、貴様が……!!!」
アビオルグ 「違う」
小鉄 「……?」
アビオルグ 「小僧をさらったのは、『タイクンザムザ』……」
      「俺の妹の墓を乗っ取った、この島の呪われた民だ」

小鉄 「タイクンザムザ……」
   「聞いたことがあるニャ……」
   「異常な繁殖力と強さで、流れ着いた島を死の島に変えてしまうという……外来種……」
   「そ、それが何で迅雷をさらうニャ!?」
アビオルグ 「さぁな……」
小鉄 「さぁ……って……」
アビオルグ 「だが、俺はこの島で、多くのタイクンザムザを殺してきた」
      「その中でも、一匹生き残った巨大なヤツがいる」
      「そいつは狡猾で、知恵も働く。そして俺以上の霊感をもってやがる」
小鉄 「霊感……?」
アビオルグ 「第六感だ。生き物は生まれつき、大なり小なり第六感を持っている」
      「俺はそれがとびきり強い」
小鉄 「迅雷をさらったタイクンザムザも……霊感が強いのかニャ……」
アビオルグ 「あァ……」

アビオルグ 「小僧の変身に何かを感じ取ったらしい」
      「不意をついて連れ去りやがった」
小鉄 「迅雷を……どうするつもりだニャ!!」
アビオルグ 「十中八九、あの雷の力を手に入れようとするだろうな」
小鉄 「!!」
アビオルグ 「それに俺は、あの小僧の中に何か異質なものを感じた」
      「その正体を知りたいがために、てめぇを助けた」
      「吐け。てめぇら、普通のモンスターじゃねぇのは見て分かる」
      「お前のお守りと、小僧の力……」
      「それがあれば、俺はタイクンザムザを根絶やしにすることができるかもしれねぇ」
小鉄 「………………」
アビオルグ 「…………?」
小鉄 「取引だニャ……」
アビオルグ 「あァ?」
小鉄 「情報を教えるニャ……タイクンザムザを倒す方法、オイラ知ってるニャ……」
アビオルグ 「何だと!?」
小鉄 「だからお前……迅雷を助ける為に、オイラに協力するニャ……!」

アビオルグ 「協力……頭でもおかしくなったか、猫」
      「ラージャンの血族は皆殺しにする」
      「てめぇは助けてやっても構わねぇ。情報を吐いたらどこへなりと勝手に行け」
      「だが力を手に入れた後、俺は小僧を殺す」
      「それは決定事項だ」
小鉄 「お前なんぞに迅雷は倒せんニャ……!!」
アビオルグ 「ヘェ……随分な自信だな」
小鉄 「…………」
アビオルグ 「…………いいだろう。なら条件の条件だ。先に全て話せ。話だけは聞いてやる」
      「俺に嘘をついてもすぐに分かる。『第六感』でな」
      「適当なことを抜かしてたら、その場で頭を噛み砕いてやる。流石に死ぬだろう」

小鉄 (ゴクリ……)
   「分かったニャ……」
   「まずはオイラがタイクンザムザについて、知っていることを話すニャ……」  
アビオルグ 「…………」
小鉄 「オイラ達の里にも、昔タイクンザムザが現れたことがあったニャ……」
   「かなり小さくて、子供のガミザミくらいの大きさだったけど、すごい勢いで増えて、畑を食い荒らしたニャ」
   「タイクンザムザは、食べたものの力を吸収するニャ……」
   「オイラ達の里では、『氷』を食べたタイクンザムザが、冷気を吐いた例があるニャ……」
アビオルグ 「知ってる。あいつらは普通の『カニ』じゃあない」
      「呪われてるんだ」
小鉄 「呪われてるかどうかは分からんニャ……でも、不気味な生き物であることは確かだニャ」
アビオルグ 「で、だ。問題はてめぇらがどうやってそのタイクンザムザを撃退したかだ」
      「小さいとはいえ、猫が殺せる相手だとは思えない」

小鉄 「『毒』を使うニャ……」
 >ゴソゴソ
 >スッ
アビオルグ 「……毒?」
小鉄 「だニャ。これは、タイクンザムザが嫌う毒の臭いを出すキノコ爆弾だニャ」
   「臭いって言っても強烈だニャ。長い間吸い込んだら、オイラ達もお陀仏だニャ……」
   「これで追い出して、粉にした毒キノコを里の周りに埋めて、あいつらをシャットアウトしたニャ」
アビオルグ 「成る程、非力な猫らしい発想だ。殺すんではなく、臭いで追い出したか……」
小鉄 「猫を馬鹿にしたら……許さんニャ……(ふらふら)」
アビオルグ 「まァいい。このキノコ爆弾とやらはもらっておこう」
 >サッ
小鉄 「あっ! 返すニャ!!」
アビオルグ 「まだ話は終わってねぇ。あの小僧と、ラージャンの関係について話してもらう」
小鉄 「(くらくら)……そ、その前に、少し休むニャ……」
   「血が足りんニャ……」

アビオルグ 「……チッ」
      「ケルビの肉を食え。無理に胃に詰め込むんだ」
小鉄 「………………」
   (仕方ないニャ……!)
   >ガツガツ……
アビオルグ 「それでいい」
      (……嘘をついている様子はねぇ……)
      (それにこの猫からは、邪気を全くと言っていいほど感じない)
      (こいつはあの小僧の力については、ほとんど何も知らねぇな……)
      (……だとしても、利用価値はある)
      (猫がモンスターの主導権を握ってるってのは初めてのケースだが……)
      (あの小僧を制御するときの切り札になるかもしれねぇ)
      (隙を作って、万が一の場合殺すことも出来る)
      (もう少し生きていてもらうぞ、猫……!)

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最終更新日  2013.01.02 21:25:31
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2012.07.02
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小鉄 「今だニャ! こやし玉でも喰らえニャ!!!(ビュンッ)」
アビオルグ 「!! (ヒュッ)」
小鉄 「!? 避けられた!!?」
アビオルグ 「姑息な猫がああ!!」
 >ブゥッン!!!
迅雷(激帯電) 「尻尾ガ……!!」
小鉄 「フンッ! ヌゥ!!!」
 >ドガガガガガッ!!!!
アビオルグ 「何……!? この猫……」
      「俺の尻尾を受け止めた!!?」
      (このちっぽけな猫のどこにこんな力が……!!!!)
小鉄 「一個だけ残ってた怪力の丸薬を……」
   「こんなところで使うことになるとは思わなかったニャ……!!(ギリギリ)」

小鉄 「迅雷! オイラのドーピングは長く続かんニャ!!」
迅雷(激帯電) 「オウゥッ!!!!」
アビオルグ 「小僧ォ……ッ!!!」
迅雷(激帯電) 「ガアアアアアアアア!!!!!!」
 >バリ……バリ……
アビオルグ (何だ……あの白い光は……!?)
      (ラージャンの波動とも違う……あれは、危険なものだ!)
      (だが……!!)
小鉄 「(ギリリ……)逃がさんニャァァァ!!!!!」
アビオルグ 「この猫……尻尾を……!!」
 >ピシャァァァァァァァンッ!!!!!
アビオルグ 「グゥゥォオオオオオオオ!!!!」

小鉄 「……どうだニャ!!!」
迅雷(激帯電) 「ハァ……ハァ……(ユラリ)」
小鉄 「!! 迅雷!!」
迅雷(激帯電) 「……ガァ……!!」
 >バシャッ!!
小鉄 (迅雷が……血を……!!!)
アビオルグ (プス……プス…………)
      「……カカカ……今のは少しヤバかったな……」
      「霧で雷の威力が半減してなきゃ、やられてたぜ……」
小鉄 「そ……そんな……」
アビオルグ 「やはり体に力がついてきていないな……」
      「ラージャンがそうだった……」

小鉄 「あのオヤジとどういう関係だニャ!!」
アビオルグ 「腐れ縁だ。今では殺してやりたい程憎んでいるがな!!!」
小鉄 (ビクッ)
   (ほ……本気だニャ……こいつ、本気でラージャンを憎んでる!!)
アビオルグ 「小僧は放っておけば厄介なことになる」
      「猫、貴様それを知ってそいつと一緒にいるのか?」
小鉄 「な……何のことだニャ!?」
   「迅雷はオイラの義弟だニャ! 貴様にとやかく言われる筋合いはないニャー!!!」
アビオルグ 「ふんッ……いいだろう。ならばしっかりと目に焼き付けろ!」
      「それが『古龍になりそこねた者の末路』だ!!!」
小鉄 「!!!!」
迅雷 「ウウウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

 >バチィッ! バチィッ!!!
迅雷 「ガア!! ガアアア!!!!」
小鉄 「ギニャ!!(ゴロゴロゴロッ!!)」
   「迅雷、どうしたニャ!!」
迅雷 「ア……ニキィィィィ!!!!!」
   「アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
 >ピシャァァァァァァンッ!!!!!
小鉄 (黒い……雷……!!!)
アビオルグ 「厄介なモンを昼食に選んじまった……」
小鉄 「じ……迅雷……!?」

迅雷(極) 「…………ガルル……ガル……………ガルルルルルルル!!!!」
小鉄 (迅雷が……黒くなっちまったニャ!!!)
   (それに何だか黒い波動をまとってて……目が血走ってるニャ!!)
   (こ……これは……!!)
アビオルグ 「ラージャンと同じだ」
小鉄 「……!!!」
アビオルグ 「貴様……何も知らずにあの小坊主の世話をしていたのか」
小鉄 「何だニャ!? 何が起きてるニャ!!!」
アビオルグ 「おそらく古龍の力に、小僧の体が耐え切れなかった。それで暴走した」
      「ラージャンは昔、俺と兄弟同然で育った」
      「だが奴は!! あれと同じ異形の力を暴走させて、俺の妹を殺した!!!」
      「行方をくらませたと思っていたが……突然現れたその弟子が、同じ力の暴走を見せてくれるとはな!」
      「この運命のめぐり合わせに感謝するぞッ!!!」

小鉄 「待つニャ!! オイラ達とラージャンはそんな関係じゃ……」
アビオルグ 「奴の血族は殺す! 妹の無念を晴らすために!!!」
      「いつかは戻ってくると思っていたが、こうもドンピシャだと笑えるよォ!!!」
小鉄 (あのオッサンは乱暴で凶暴な悪党だけど……)
   (決着だけはつけるオッサンだったニャ!!)
   (こいつの妹を殺して、そんでそのままほったらかして逃げてるとは思えんニャ!!)
   (何かおかしいニャ!!!)
小鉄 「迅雷はオイラが守るニャァァァァ!!! 貴様なんぞにやらせんニャアアアアア!!!!!」
アビオルグ 「しゃらくせえええええ!!!!」
 >ドゴォォッ!!!!
小鉄 「ぐあああああ!!!!」
   (怪力の丸薬のドーピングが……!!)
迅雷(極) (スッ)
アビオルグ 「!!!」
小鉄 「やめるニャー!!! じんら…………」

 >バリバリバリバリバリバリバリバリ
小鉄 「ギィャアアアアアアアア!!!!!!!」
 >プス……プス…………
 >ガクガク…………
小鉄 「ニャ…………ニャ………………」
 >ドサリ
アビオルグ 「チィ、見境なしかァ!!!」
      「ああなった野郎は元には戻らねぇ!!」
      「引導を……」
 >ガシッ!!
小鉄 「待つニャ……」
アビオルグ 「まだ生きてやがったか!! しぶとい猫だ!」
小鉄 「行かせんニャ……」

アビオルグ 「離せクソがァ! 食っちまうぞ!!」
小鉄 「誤解があるニャ…………」
   「何があったか分からんけども……オイラ達と戦ったラージャンは誇り高かったニャ…………」
   「あいつの名誉のためにも……オイラ達の名誉のためにも……」
   「今、お前に迅雷をやらせるわけにはいかんニャ……」
アビオルグ 「うるせえええ! たかが猫の分際で、俺に意見するかァ!!!」
小鉄 「やらせんニャアアア!!!」
アビオルグ 「……チィィィィ!!!」
迅雷(極) 「…………ガルルルル…………」
アビオルグ 「何だその目はァ!!!」
      「俺はてめぇらなんぞ怖くねぇぞ!! 怖くねぇ!!!」
      「俺は……俺はァァ!!!!」
小鉄 (今だ……ニャ…………)
 >ゴソゴソゴソ
 >ヒュッ
 >パァンッ!!!!
 >モクモクモク

アビオルグ 「何だ……霧に混じって白い煙が…………」
小鉄 (逃げるニャ……迅雷……)
   (オイラにできるのは……これ……だ…………)
 >ガクリ……
迅雷(極) 「……ガル…………(スッ……)」
 >バチッ! バチッ! バチッ!!
アビオルグ 「畜生! 野郎の居場所が……」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
アビオルグ 「地震……でかい……!!!」
      「奴か……!!!!!」
××××××× 「キシャァァァァァァァァ!!!!!!」
        「シャァ!!!」
 >ガシッ
迅雷(極) 「!!!」

アビオルグ 「獲物を横取りするつもりかァ!!!!」
      「クソ……ウオオオオオオ!!!!!」
××××××× 「ケケケケケ!! ケェーケケケケケケ!!!!」
アビオルグ 「待てぇ! 待ちやがれええええ!!!」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 >グラ……グラ…………
 >シ……ン……
アビオルグ 「…………く…………」
      「畜生……逃げられた…………!!!!」
      「奴め……わざわざ眠りから覚めて出てくるとは……」
      「小僧の力に、よほど惹きつけられたと見えるぜ……」
      「だが好都合だ……」
      「二匹まとめて始末してやる……(ニヤァリ)」
小鉄 「………………」
アビオルグ 「……………………ククッ……………………」

次話に続きます

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最終更新日  2012.07.02 18:59:46
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ハンマー (ガチャリ)
イャンクック 「!!」
ハンマー 「見てくれ。俺の使っている武器には、古龍の大宝玉が使われている」
     「これは、古龍の力を察知する事ができるんだ」
     「だから少女のことを強く念じれば……」
     「あの子の元へ、導いてくれるはずだ」

イャンクック 「………………」
       「乗れ、人間! 私の背に!!」

ハンマー 「乗せてくれるのか……? 俺を、お前に……!!」
ハンマー 「かたじけない……! 行くぞ!!」
イャンクック 「……!!(バサッ! バサッ!!)」


―海上、昼―

剣ニャン丸 「ふへぇ。太陽の日差しが滅茶苦茶暑いゼヨ…………」
小鉄 「ニャン丸、前の方に陸地が見えるニャ!!」
迅雷 「兄貴……喉が渇いたよ……」
小鉄 「もう少し待つニャ。あの島に上陸したら、食いもんを探すニャ」
迅雷 「いいもんがあればいいなー」
剣ニャン丸 「んん……こてっちゃん。何かあの島は嫌ーな予感がするゼヨ」
小鉄 「ニャ? 嫌な予感?」
剣ニャン丸 「邪気というか……俺はそういう第六感がきくんゼヨ」
小鉄 「でも、船の食料も水ももうないニャ。上陸せざるをえんニャ」
剣ニャン丸 「うぅーん……少しだけ上陸して、食料と水を確保したら離れるゼヨ」
小鉄 「承知したニャ。迅雷、気合い入れて探すニャ!」
迅雷 「うん!!」


―謎の島、昼―

小鉄 「……何か霧がかかってて不気味だニャ……」
迅雷 「前がよく見えないよ……」
剣ニャン丸 「おっ、こんな所に水が湧き出てるゼヨ。あっちにはハチミツがあるゼヨ!」
小鉄 「よぉし、早速採取して船に……」
 >グラグラグラ
小鉄 「ニャ!?」
剣ニャン丸 「地震……?」
迅雷 「大きいよ!!」
剣ニャン丸 「ひぃぃっ! 逃げるゼヨ!(シュバッ)」
小鉄 「ニャン丸!」
迅雷 「兄貴、危ない!(バッ)」

 >ズゥゥゥゥゥンッ!
小鉄 「じ……地割れだニャ……!」
   「すまんニャ迅雷……! ここを離れるニャ!」
迅雷 「うん!(ダダダダッ)」
小鉄 「霧が濃くなってきたニャ……」
迅雷 「ニャン丸とはぐれちゃったよ!」
小鉄 「まだ地震も続いてるニャ……何だかあんまり良くない予感がするニャ!」
迅雷 「兄貴! 地割れの中から何か出てくるよ!」
小鉄 「!!!」
××××× 「ゴォォォォォォォォォ!!!!」
小鉄 「見たことないモンスターだニャ!!」
迅雷 「あれ、多分俺達を食べるつもりだよ!!」

××××× 「ヒャァ!! 一週間ぶりの肉だァ!!」
>ヒュバッ!
迅雷 「速い!?」
 >ガシッ!
剣ニャン丸 「ギニャァァ!! 何で分かったゼヨォォォォ!!!」
××××× 「俺の鼻からは逃れられねぇよォ!!」
      「それじゃ、いただくと……」
迅雷 「オオオオオオオオ!!!」
 >ピシャァァァァァァンッ!!!
迅雷(超帯電) 「ニャン丸を離せェェェ!!!!」
××××× 「何だ何だ……?」
      「帯電モンスターかァ? けどこの霧の中じゃぁ、利口とは言えねぇなァ!」
 >パリ……パリ……
迅雷(超帯電) 「何だ……? 電気が体から逃げていく……」
小鉄 「……!! 霧だニャ! 霧が迅雷の電気を吸い取ってるんだニャ!!」

××××× 「どれ、食事前の運動とすッかァ!!」
 >ポイッ
剣ニャン丸 「ひいいいい!!(ダダダダダ)」
小鉄 「あ! ニャン丸!!」
   「あいつビビッて島の奥に……!!」
××××× 「あの猫よりてめえの方が食いでがありそうだ。すぐに死んでくれるなよ!」
迅雷(超帯電) 「兄貴、俺に乗って早く!」
小鉄 「(バッ)行くニャ迅雷! この霧から外に出るニャ!」
迅雷(超帯電) 「分かった!」
××××× 「行かせるかよォ!!(シュバッ!)」
 >ヒュンッ
迅雷(超帯電) 「消えた……!!」
小鉄 「トリッキーな奴だニャ! 図体はでかいくせに……!!」
××××× 「ピーピー喚いてりゃ、霧の中でも丸分かりだぜ!!」
迅雷(超帯電) 「(!!)後ろか!!」

××××× 「!!?」
迅雷(超帯電) 「ガァ!!!」
 >ザンッ!!
××××× 「! ……ク……」
 >ドクドク
××××× 「俺に傷をつけやがった……」
      「少しマジで行くしかねェようだな……」
迅雷(超帯電) 「当たった!!」
小鉄 「く……霧が強くなってきたニャ……!!」
   「このあたりの地面が、間欠泉になってるニャ! そこから水蒸気が出てるんだニャ!!」
迅雷(超帯電) 「ど……どうすればいいの!?」
小鉄 「船のところに戻るニャ! 海岸なら霧は……」
××××× 「行かせねェよォ……」
小鉄 「(ゾッ)」
迅雷(超帯電) 「(ゾッ)」
迅雷(超帯電) 「何……全然気配が……」

 >ドゴォッ!!!!
迅雷(超帯電) 「うわああああ!!!」
 >ゴロゴロゴロッ!!
××××× 「へぇ……俺に傷をつけるたぁ、結構なタマかと思ったが……勘か?」
      「その『勘』も、集中しなきゃ使えねぇようだな……」
小鉄 「な……何なんだニャお前ェ!!」
××××× 「俺の名前はアビオルグ。この島は、先祖代々俺の一族が受け継ぐ俺達の島だ」
小鉄 「アビオルグぅ!? 聞いたこともない名前だニャ!!」
アビオルグ 「てめぇらが聞いたことがあろうとなかろうと関係ねぇ……」
      「何故なら! てめぇらはここで俺の餌になるんだからなァ!!」
迅雷(超帯電) 「餌になんてなるかァ!!(グググググ……ッ)」
アビオルグ 「……へぇ」
迅雷(超帯電) 「覚えておけ! 俺の名前は迅雷、そして兄貴の小鉄だァ!」
アビオルグ 「中々粋な奴ら……だが! 戦いに馴れ合いは不要ォ!!」
      「この攻撃を受けても減らず口が叩けるかァ!!」
 >ググ……ッ

迅雷(超帯電) 「何か来る!?」
小鉄 「迅雷、後ろに跳ぶニャ!!」
迅雷(超帯電) 「間に合わない……!!」
アビオルグ 「死ねェ!!」
 >チュッッドォォォォォォォォォォォンッッ!!!!
迅雷(超帯電) 「うわあああああああ!!!」
小鉄 「迅雷ー!!!!」
   (ブレスが爆発した……!!!)
   (迅雷がオイラを庇って……直撃……!!!)
迅雷(超帯電) 「(プス……プス……)ぐ……ううう…………」
アビオルグ 「ヘぇ、原型を留めてるとは驚いたな……」
迅雷(超帯電) 「こんなの……ラージャンさんの攻撃に比べたらどうってことはない!!!」
アビオルグ 「ラージャン……? ヘぇ……お前、あいつの弟子か何かか?」

迅雷(超帯電) 「そんなものじゃない! あの人には少しだけ世話になっただけだ!!」
アビオルグ 「生憎と俺はその名前が大嫌いでね……」
 >ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
小鉄 「背びれの色が……」
アビオルグ 「残念だよ小坊主。楽しければ逃がしてやろうかと思ってたが……」
      「その名前を聞いたら、逃がすわけにはいかねえな」
迅雷(超帯電) 「ラージャンさんを恨んでるのか……!!」
小鉄 「あのおっさん、オイラ達の知らないところでも悪さしてたんだニャ!!!」
アビオルグ(怒り) 「死んでもらう」
小鉄 「いきなり本気になったニャ……!!」
迅雷(超帯電) 「こんなところで俺達はやられるわけにはいかないんだ!」
        「迎え撃つ!!」

アビオルグ 「ヘェ……俺を倒すつもりか?」
迅雷(超帯電) 「こんなところで負けるわけにはいかないんだ!」
        「俺達は、お前を倒して前に進む!」
アビオルグ 「威勢がいいのは結構なことだが、あまり『利口』だとは言えんな……」
迅雷(超帯電) 「何だと!?」
小鉄 「迅雷、熱くなるなニャ! ただの挑発だニャ!」
迅雷(超帯電) 「ウオオオオオオ!!」
 >バリバリバリバリバリバリ
アビオルグ 「教わらなかったのか、ラージャンから……」
      「ガキっぽさは命取りになるとな……」
 >フッ

小鉄 「速いニャ!」
アビオルグ 「勘の鋭い小僧だとは思ったが……」
 >ドガァッ!!
迅雷(超帯電) 「うわああ!!」
 >ドゴォッ!!
アビオルグ 「体がついてこなきゃ意味がねぇんだなァ!!」
 >ドッゴォォォォォォ!!!
迅雷(超帯電) 「があああ!!!」
小鉄 「迅雷ー!!」

アビオルグ 「(グリ……)いくら雷を纏っていても、これでは意味が無い……」
迅雷(超帯電) 「う……うう……」
小鉄 「迅雷の頭から足をどけるニャ!!」
アビオルグ 「やなこった。このまま踏み潰させてもらう」
迅雷(超帯電) 「…………」
 >バリ……ッ!!
アビオルグ 「?」
迅雷(激帯電) 「ウウウオオオオオォォォ――ッ!!!!」
 >バババババババババ

アビオルグ 「(バッ)……ヘェ、面白い変身をする」
迅雷(激帯電) 「死ネ……死ネェェェ!!!」
アビオルグ 「だがまだ不完全だな!!」
 >ヒュンヒュン
迅雷(激帯電) (当タラナイ……!?)
アビオルグ 「空間投げを喰らいなァ!!」
 >ゴウッ!!
迅雷(激帯電) 「グォォォォオ!!」
 >ゴロゴロゴロゴロ!
 >ドガァッッ!!!
迅雷(激帯電) 「ッグゥ!!」

小鉄 「迅雷、一人で突っ走るなニャ!!」
   「オイラ達のコンビで行けば、ラージャンみたいに倒せる筈だニャ!!」
迅雷(激帯電) 「ゴウッ!!」
小鉄 「(バッ!)よし、やっと上に乗れたニャ!!」
   「覚悟するニャ、アビオルグ!」
アビオルグ 「てめぇらに名前を呼ばれるほどォォ!!!」
 >ゴゥ……ッ!!!
 >ボゥゥゥゥゥワァァァァァァァ!!!!!
 >チュッドォォォォォォォォォンッ!!!!!!
小鉄 「ギニャァァァァ!!!!」
迅雷(激帯電) 「ウグォォオオオオ!!!!」
アビオルグ 「おちぶれちゃぁいねえええええ!!!!」
 >ズンッ! ズンッ! ズンッ!!

小鉄 「(プス……プス……)ま……参ったニャ……」
   「あいつ、ラージャンと互角……いや、それ以上の強さだニャ……!!」
迅雷(激帯電) 「突ッ込ンデ来ル……!!」
小鉄 「だが! 退くなニャ迅雷!!」
   「怖くても真っ直ぐ前を見て、足を踏みしめるんだニャ!!」
   「オイラ達はラージャンと一回引き分けたニャ!」
   「勝てない道理はないニャー!!」
迅雷(激帯電) 「(ニヤリ)……オウッ!!」
アビオルグ (逃げねぇ……!?)
      (俺の突進を真正面から受け止める気か!!)
      (そんな馬鹿野郎は……ラージャン以来だ!)
      「……気に食わねえ……」
      「気に食わねえなああああ!!!」
 >ズンッ! ズンッ! ズンッ! ズンッ!!

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最終更新日  2012.07.02 18:59:11
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イャンガルルガ (くそ……グレンゼブルが滝に落下しちまった……!!!)
        (だが俺がここで引いたら、少女は一生の傷を負っちまう……!!)
        (そんなのは嫌だ! 俺は……)
        (俺は……)
        「お前に悲しんで欲しくないんだー!!!!」
グラン・ミラオス 「…………!!!」

イャンガルルガ (! 動きが止まった……!?)
        (俺の声が届いたのか!?)
        「……少女! 聞いてくれ、この先にはエルペ達の住処がある!!!」
        「お前……お前、人間に戻りたいんだろ!?」
        「だけど、俺は知ったんだ! お前がたとえ人間だろうと、古龍だろうと!」
        「お前はお前で変わりがねぇ!!!!」
        「俺と同じものを見て、同じものを感じてる『生き物』だ!!!」
        「俺はお前がなんだろうと構わない!!!!!!」
        「そんなわけのわからねぇ力に負けるな!!!」
        「戻って来い! 少女!!!!!!」

グラン・ミラオス 「ガア…………ア…………(ヨロ…………)」
イャンガルルガ 「!!」
        (声が届いてる! これは少女なんだ、姿かたちが違うだけで、少女なんだ!!!)
グラン・ミラオス 「ウウ゛……ウウウウウウウウウ゛…………!!!」
イャンガルルガ (ブレスが来る……!!)
        (だが俺は……逃げん!!!!)
 >ゴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!
イャンガルルガ 「…………!!!!!!」
 >プス……プス…………

イャンガルルガ 「ガハァ!! ハァ…………!! ハァ…………!!!!」
        「い…………」
        「行こう、一緒に…………!!!」
        「みんなも待ってる…………」
        「ラヴィエンテとやらに会うんだろ? 一緒に会いに行こう……」
グラン・ミラオス 「ガアア……ア…………(ヨロヨロ)」
         「ギャオオオオオオオオオ!!!!」

イャンガルルガ 「俺は怖くねぇ!!!!」
        「怖くねぇぞ!!!!!!!」
        「俺はお前と! 一緒に行くって決めたんだ!!!」
        「お前がどんな姿になろうが、関係ねぇ!!」
        「一緒に行くぞ、少女!!!!!!」
グラン・ミラオス 「!!!!」
 >ピカァァァァァッ!!!
イャンガルルガ 「!!!!」
        (こいつの体が、真っ白に光った!!!!)
        (体が薄れて消えて行く……!!!)
        (中に、少女の体が……!!!!!)

少女 「………………」
 >ヒュゥゥゥゥゥ…………
イャンガルルガ 「少女!!!!(ビュンッ)」
 >ガシッ!!
イャンガルルガ 「少女! しっかりしろ!!!!」
少女 「………………はぁ…………はぁ………………」
   「ガルルガさん…………!!!」
   「とめて…………あの塊を、壊して…………!!!」
イャンガルルガ 「分かった!!」


―グレンゼブルの巣があった場所、夜―

ティガレックス兄 「ガアアア!!! 何だァ!?(ガラガラ)」
ティガレックス弟 「うるせぇぇぇ!!! おちおち寝てもいられねぇ!!!(ガラガラ)」
         「って何だァこりゃああああああ!!!」
ティガレックス兄 「どうなっちまったんだ!? 洞窟も崩れてやがるし!!」
イャンガルルガ(上空) 「あいつら……生きてたのか!!」
        「馬鹿ども!! 黒い塊を壊せ!!!!」
ティガレックス兄 「あァん!? 馬鹿だと!?」
ティガレックス弟 「馬鹿って言う奴が……」
イャンガルルガ(上空) 「ふざけてる場合か! 急げ!!!」

ティガレックス兄 「チィ。何だってんだ」
ティガレックス弟 「兄者……何だこれ……?」
 >ふわふわ
ティガレックス兄 「ン……? 浮いてるぞ。人間が使う武器に良く似てるが……」
ティガレックス弟 「これか!? 『塊』ってのは!!」
イャンガルルガ(上空) 「多分そうだ! 壊せ!!!」
ティガレックス兄 「カァッ!!」
 >パァンッ!!!

少女 「うっ!(ぞくっ……!!)」
イャンガルルガ 「少女! 大丈夫か!!?」
少女 「うう……(……ガクッ)」
イャンガルルガ (気を失った……)
        (く……俺も、限界だ……!!!)
 >ズザァァァァァ…………!!!
ティガレックス兄 「何だ何だ何があった!? 随分派手な着地だな!!(ズンズン)」
ティガレックス弟 「少女もいるな。しかし何だ……あたり一面溶岩弾がメラメラ燃えてやがる」
イャンガルルガ (くそ……意識が…………)
ゴゴモア 「少女!!」
ココモア 「お姉ちゃん!!!!」
ナルガクルガA 「お……終わったの……?」
ナルガクルガB 「あのでかい龍が消えたわ……」
ナルガクルガC 「意味がわかんないわよーぅ! ちゃんと説明しなさいよ!!」
イャンガルルガ (少…………女…………)
 >ガクッ


―シュレイド地方、樹海、昼―

イャンクック (少女が出ていってから随分経つ……)
       (地獄兄弟とガルルガ君が一緒にいるから大丈夫だとは思うが……)
       (何故か妙な胸騒ぎがする)
       (私は……)
ナルガクルガ 「…………」
イャンクック 「! いたのか……」
ナルガクルガ 「気もそぞろになっているぞ。お前らしくもない……」
イャンクック 「…………」
ナルガクルガ 「やはり少女のことが気になるか」
イャンクック 「当然だ。あの子は、私の娘だからな……」

ナルガクルガ 「なら何故、体を張ってでも止めてやれなかった」
       「あの時少女達を止められたのは、お前意外いなかったというのに……!」
イャンクック 「…………」
       「私は……本当に少女を守るだけでいいのだろうかと、ふと疑問に思ったのだ」
ナルガクルガ 「どういう意味だ?」
イャンクック 「少女は、人間でも、モンスターでもない……」
       「それをモンスター扱いして、我々と同じだと言いはって……」
       「それで本当にいいのだろうかと疑問を持ってしまったのだ」
ナルガクルガ 「少女は人間ではない。モンスターではないのか?」
       「俺達と同じ仲間ではなかったのか!」
イャンクック 「私達の仲間だ。しかし同族ではない」

ナルガクルガ 「…………」
       「仲間ではあるが同族ではない、か……」
       「つまり少女は人間よりの生き物だと」
       「人間達の一種だと、そう言いたいのか?」
イャンクック 「それも違う。だから一概にあの子を人間達の群れに戻すのもはばかられた」
       「私は、だから迷ってしまったのだよ……」
ナルガクルガ 「お前が迷っていては、お前の娘であるあの子もどうしたらいいのか分からない」
       「だからお前の元を去った。違うか!」
イャンクック 「その通りだ……私には、どうすることも出来ん……」
ナルガクルガ 「……ふん……イャンクックも老いたものだ」
       「老うと我々は頭が硬くなるらしい」
イャンクック 「…………」
ナルガクルガ 「何も難しいことはない。お前が受け入れてやれるのなら、受け入れてやればいい」
       「鍵を握っているのは、お前なんだ」

イャンクック 「少し……考える時間をくれ」
ナルガクルガ 「…………」
 >ザッ
イャンクック (去ったか……)
       (私が受け入れてやれるのか、どうなのか……)
       (人間は、私の妻や子供を殺し、森を焼き払った……あの子のことを捨てた)
       (どこかで人間を許容しがたいと感じてしまっているのは事実だ……)
       (どこかで私は、人間とあの子は違うと思いたかったのかもしれない……)
       (しかし何故だ……あの子が人間ではなくなってしまっている中、私は……)
       (この漠然とした不安は、一体何なんだ……)
       (あの子は人間である時が一番幸せなのではないか……)
       (そんな風に、考えてしまっている……)
       (人間は、人間に戻るべきではないかと……)

イャンクック 「……!!」
ハンマー 「…………(ザッ……)」

イャンクック 「お前は……少女とよく会っていた人間……!!」
       「どうしてここに……樹海への入り口は、テオ殿が封鎖しているはずでは……」

ハンマー 「お前は……少女を世話していた怪鳥だな……」
     「弓と太刀を置いて、俺だけでここに侵入してきた……」
     「無礼なのは分かる。だが、こちらには戦う意思はない」
     「分かってくれ……」

イャンクック 「………………」
       (この人間の目に殺気はない……)
       (戦うつもりはないのか?)
       (しかし、私に人間の言葉は分からないぞ……)
       (どうする……?)

ハンマー 「やはり少女はいないようだな……」
     「お前達の様子がおかしくなっている中、そうではないかと思ったんだ」
     「あの子自身がここを去ったのか、それとも連れ去られたのかは分からないが……」
     「ただ、怪鳥よ。お前は何故ここにいる?」
     「お前は、少女の親ではなかったのか?」
イャンクック 「…………」
ハンマー 「聞け。俺は少女を追うつもりだ」
     「だが、それは少女を人間に戻すためではない」
     「少女に、幸せになってもらいたいがためだ」
     「幸せか、不幸せかは他人が決めるものではないと、俺は思うよ……」
     「それは少女自身が決めることなんだ」
     「だから、少女のその答えを俺は聞いてみたいんだ」

イャンクック (この人間……何を言っているか分からないが……)
       (少女を、助けようとしているのか?)
       (私には分かる。この人間が考えていることは、きっと私と同じことだ)
       (……ナルガクルガも言っていた)
       (私にしか、少女を止めることはできないと……)
       (そうだ、何を迷うことがある)
       (私は少女の親だ、父親なんだ)
       (父親は、子供が幸せになるまで、見守らなければいけない……!!)
       (行かなければ……! 私は、少女の元に……!!)

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最終更新日  2012.07.02 18:58:17
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―高地、上空、夜―

 >ド ォ ォ ォ ォ ォ ン ッ ! ! ! !

グレンゼブル 「ッァ!! 何だァ!!?」
イャンガルルガ 「洞窟の方からスゲェ音がしたぞ!!」
グレンゼブル 「!! おいおいマジかよ何だありゃあ!!!」

×××××××× 「……………………(ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ)」

イャンガルルガ 「何だァ!?」
        「あ……あれは………………」
グレンゼブル 「兄弟! 何だか分かるのか!?」
イャンガルルガ 「少女……少女だ!!! あのでかい龍は、少女が変身した姿だ!!!」
グレンゼブル 「おいおいおいおい何言ってんだ! あの子は人間じゃねぇのか!?」
イャンガルルガ 「いや俺には分かる! あの子の中の、古龍の力が暴走したんだ!!!」
        「止めなきゃ……止めなきゃ駄目だ!!!」

グレンゼブル 「あのデカブツ、エルペ達の住処に向かってやがる!!!!」
イャンガルルガ (少女……意識がないのか!?)
グレンゼブル 「火山背負ってンのかよ!? どっから出てきた!!!」
イャンガルルガ 「頼む! あれは少女なんだ、傷つけないでくれ!!!」
グレンゼブル 「っつっても兄弟! このままじゃエルペ達が生焼きだ!!!」
       「高地も滅茶苦茶になっちまう!!!」
イャンガルルガ 「あんた言ったよな! どんなに次元が違っても、同じ生き物だって、分かり合える筈だって!!」
        「近づいてみせる! 援護してくれ!!!」
グレンゼブル 「兄弟……!!!」
       「お前中々熱いじゃねぇか!! 気に入った!!! 溶岩弾は俺様に任せろ!!!」
       「止めてこい、なるべく早くな!!!!」



―少女の意識の中―

少女 (何……私何してるの……?)
   (体が動かない……どうしちゃったの……? 何も見えない……)
   (灰猫さん! 白猫さん!!)
   (返事をして、どこに行っちゃったの!?)

 =壊せ=

少女 (な、何か声が聞こえる……)

 =思うが侭に壊せ=
 
 =それが古龍してのお前の役割=
 
 =それがミラの名を次ぐお前の……『グラン・ミラオス』の役割=
 
 =全てを壊しつくすのだ=

少女 (この声……あの、グレンゼブルさんの洞窟にあった、剣の形の石から聴こえる……!!)
   (壊すって……私そんなことしたくない!)
   (グラン・ミラオスって何!? 私そんなの知らない!!)

 =壊すのだ=
 
 =それが古龍の……破壊の力の役割=
 
 =全てを灰燼に帰しても尚止まるな=
 
 =お前の全てが全てを破壊しつくすまで止まるな=
 
 =煉獄の力を見せてやれ=
 
少女 (いきなり前が見えるようになった……!!)
   (何……? 何で私、こんな高いところにいるの!?)
   (……違う! 私の体……こんなに大きくなってる!!)
   (私の目から見たものなの……?)


―高地、上空、夜―

イャンガルルガ 「うおおおおお!!(ビュン!)」
 >ヒュルルルルルル
 >ヒュルルルルルル
イャンガルルガ (溶岩の弾が無数に飛んでくる……)
        (避けきれない……!!)
 >ブシュゥゥゥゥゥ!!!!
 >ドッォォォォォォォンッ!!
グレンゼブル 「俺に任せろ兄弟! 水ブレスで弾きかえしてやる!!」
イャンガルルガ 「助かる……!!」

イャンガルルガ (このままだとエルペ達が皆丸焼けだ!!)
        (少女にそんなことをさせたくねぇ!!!)
        (絶対に、俺が止める!!)
 >ヒュルルルルルル
 >ヒュルルルルルル
 >ドッォォォォォンッ!!!
イャンガルルガ 「!!」
        (クソ……! 体中から溶岩の弾を飛び出させてる……!)
        (グレンゼブルが止め切れなかったのが、どんどん高地に落ちてってる!!)
        「!!」
        「あいつら……!!!」

―高地、地上、夜―

ルコディオラ 「オオオオオオオ!!!!!」
 >ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ルコディオラ 「離れよ! この辺りの地面を隆起させる!!!」
       「カァ!!!」
 >ドゴォォォォォォオォッ!!!!
グラン・ミラオス 「!!」
 >グラッ
ルコディオラ [ よろめいた……!! 行け、ブラキディオス! ]
ブラキディオス [ 言われずとも……!(バッ)]
        [ ハァッ!!(ズッ!!!)]
 >ドッォォォォォォンッ!!!!
グラン・ミラオス 「………………」
 >ズンッ!!
 >ズン……! ズン……!!

ブラキディオス [ な……っ、無傷だと……!? ]
        [ すまぬ主様、ならばこれならどうだ!! ]
        [ ハァァァ!!!! ]
 >ズッ!!
 >ズッドォォォッ!!!
 >ズッドォォォッ!!!
ブラキディオス [ 足に集中して攻撃を叩き込んだ……!! ]
        [ そして俺のパンチは……炸裂する!! ]
 >ドォガアアアアアアアンッ!!!!
グラン・ミラオス 「!!」
 >グラグラ……
 >ズゥゥゥゥゥゥンッ!!!
ルコディオラ [ 膝をついた……!!! ]

ブラキディオス [ これだけ攻撃してもかすり傷とは……!! ]
        [ 何て古龍だ!! ]
        [ この隙に昏倒させる! 手伝え若いの!!! ]
ルコディオラ [ 俺をガキと呼ぶな!(ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ) ]
 >ズッゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!
 >バキバキバキバキ
ルコディオラ [ この地面の裂け目は段々大きく広がっていき、やがてあれを飲み込む! ]
 >バキバキバキバキバキバキ
グラン・ミラオス 「…………!」
 >ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ルコディオラ [ 足が裂け目に飲み込まれた! 重力波であいつを押さえ込む! 頭を狙え!! ]
ブラキディオス [ 応!!!!(バッ) ]
グラン・ミラオス 「………………ウウ゛……ウウウウウウウウ゛!!!!!」

ブラキディオス (何か来る……!?)
        (しまった!!!)
グラン・ミラオス 「ゴォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
 >ボウゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!
ブラキディオス [ ぐあああああああああああ!!!! ]
ルコディオラ [ ブラキディオス!!! ]
       (ブレスが空中で直撃した!!!)
ブラキディオス [ ……………… ]
 >ヒュゥゥゥゥゥ…………
 >ズゥン……!!
ルコディオラ [ ブラキディオス!! 大丈夫か!!? ]
ブラキディオス [ グ……何て熱だ……! 殻が溶けた……!!! ]
        [ 集中力を途切れさせるな……!! ]
        [ お前の重力波で、主様はかろうじて抑えられている……! ]
グラン・ミラオス 「………………(グググ…………)」

ルコディオラ [ だ……駄目だ、抑えきれない……!! ]
       [ 力が強すぎる!! この重力場で何故動ける!? ]
グラン・ミラオス 「…………(ズンッ!!)」
 >ズシィン……ズシィン…………
ルコディオラ [ 歩き出しただと!!? ]
ブラキディオス [ (ググ……)何をしている若いの!! ]
ルコディオラ [ 重力の力は最大限に解放してる!! 抑えられないんだ!!! ]
 >ボシュッ
 >ヒュルルルルルルル
ルコディオラ [ !! 溶岩弾が、エルペ達の巣に……!!!! ]


―高地、上空、夜―

グレンゼブル 「チィィ! 止め切れねぇ!!」
       「兄弟! 避けろ!!!」
イャンガルルガ 「駄目だ! 今俺が避けたら、この崖が崩れる!!」
        「受け止める!!!!」
 >ドッォォォォォォォォッ!!!!
 >ジュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!
イャンガルルガ 「ぐうおおおおおお!!!!!」
グレンゼブル 「兄弟!!!!」
イャンガルルガ 「こ……これくらい何とも……ない!!!」
 >ブゥンッ!!!
グレンゼブル 「溶岩弾を投げ飛ばした!!! 兄弟、お前……!!!」
イャンガルルガ 「何度でも来い! 俺は、少女を殺すための古龍になんてさせないぞ!!」
        「絶対にさせるものか!!!!」

グラン・ミラオス 「……(ズゥンッ! ズゥンッ!)」
イャンガルルガ 「少女!! 聴こえるか!!!」
        「俺だ、イャンガルルガだ!!!!」
        「俺は絶対に、ここを動かねぇ!!!!!」
        「お前を止める!! 絶対に止めてやる!!!!」
 >ボシュッ
 >ヒュルルルルルルル
 >ヒュルルルルルルル
グレンゼブル 「カァッ!!!」
 >バシュゥゥゥゥッ!!!
 >ボンッ!!!
 >ボンッ!!!
グレンゼブル 「お前……! 好きだぜそういうの!!」
       「付き合おうじゃないか!!!」
       「だがどうする!? 根性論で止められる代物じゃあねぇぞ!!」

イャンガルルガ 「こうなっちまった原因がある筈だ! それをどうにかできれば……」
グレンゼブル 「……もしかして、俺のお守りのせいか!?」
イャンガルルガ 「!! それだ!! ブラキディオスが何かを感じると言ってた!」
        「あれは、太古の塊だ。あれが少女の力を操ってるんだ!!!」
グレンゼブル 「そうと分かりゃ、あれを遠くに捨ててくればいいんだな!?」
イャンガルルガ 「いいのか!? 大事なものなんだろ!?」
グレンゼブル 「お前の覚悟に比べりゃたいしたもんじゃねぇ! 待ってろ、今……」
 >ヒュルルルルルルル
イャンガルルガ 「グレンゼブル、後ろだ!!」
グラン・ミラオス 「ウウウウ゛…………ウウウウウウウウ゛…………!!!」
 >ゴゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!
イャンガルルガ (ブレスと溶岩弾のダブル攻撃だと……!?)
        (これは……死ぬ……!!)

グレンゼブル 「ッアアア!!!」
 >ボジュゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!
 >ドッゴオオオオオオッ!!!
グレンゼブル 「ぐうああああああ!!!」
イャンガルルガ 「グレンゼブル……!! 俺の盾に……!!!」
グレンゼブル 「………………(ヒュルルルルルルル)」
イャンガルルガ 「グレンゼブルー!!!!」

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最終更新日  2012.07.02 18:57:19
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