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mik.hamaのいい加減にします

2018.01.13
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カテゴリ:オーディオ・音楽
「パリ左岸のピアノ工房」という本を購入。
久し振りに題名と表紙だけで買ってきた。

内容は、パリ在住のアメリカ人であるピアノ好きの著者が見付けた、
秘密めいた、パリの小さなピアノ工房を舞台にしたノンフィクションである。
内容は良質な小説のようで、別にピアノに興味が無くても楽しめる本だと思う。


家でも、ピアノはジャズやクラッシクを聴く時に占める割合はかなり大きい。

今時の日本では、プロ用のコンサート・ピアノというと、
大抵はスタインウエイで、時々ヤマハが登場する位だけど、
後は、X-Japanのクリスタルピアノで有名なカワイがある。

それに、どういうわけか地元の岡谷と茅野の市民会館では、
コンサートでピアノというとベーゼンドルファーが使われている。

日本で中古ピアノというと、真っ先にタケモトピアノだけど、
フランスのピアノ工房では好事家やプロの音楽家の間で、
旧いイギリス、フランス、ドイツ、アメリカの消えていったメーカーのピアノが、
今でも相当数が流通しているようだ。

フランスでも、ピアノ大国のドイツにかつて存在していた優秀なピアノには敬意が払われていて、
現行で有名なベヒシュタイン以外にも、
グロトリアン、シュタイングレーバー、ブリュトナー、イバッハ、フュルスター等々は、
今でも一級の輝きを保っているのは流石だと思う。

また、当然ながらフランス製のエラール、プレイエル、ガヴォ―といった、
今のスタインウエイに匹敵する存在だったけど、
1970年代初頭に消滅していったメーカーへの憧れは大きい。

その一方でアメリカというと、本国では既にスタインウエイ以外は忘れ去られていて、
チッカリング、クナーベ、メイソン&ハムリンといった、
アメリカ製の古い一級のピアノは、むしろフランスの方が評価されているようだ。

日本のヤマハは、どうやらフランスでも一流品の扱いで、
あのリヒテル氏を始めとして海外にも愛用者が多いピアノである。


今の規格化されたピアノと違い、殆ど一品ものとも言える昔のピアノは、
同じ時代の同じメーカーでも、造られた当初から殆ど同じものが無いという個性があり、
元から1台ごとに鍵盤のタッチや音が違うのに加えて、その後の使われ方=エージングも加わり、
調律のやり方や修理もノウハウが必要でかなり大変らしい。
これは今のニューヨーク・スタインウエイも同様で、
規格化されたハンブルグ・スタインウエイとは一線を隔しているのである。


あのホロヴィッツ氏が演奏の為に、
お気に入りで愛用のスタインウエイを連れ回ったのは有名な話だけど、
内部が高度な時計のように精密に出来ている本物のピアノは、
実の所、本来であれば設置してから落ち着くまでの2~3ヶ月は
微調整を兼ねた調律がずっと必要なのだ。

移動のたびに、特に密閉性の悪いコンテナによる船便となると、
ピアノは無駄に劣化をするし、何よりも調律師はさぞ大変だったろうなと推察するのである。


まるでスタインウエイの登場を予測していたかのようなピアノ曲を書いたベートーベン。
1818年にイギリスのブロードウッドが贈った近代的なピアノは、
1827年の最期までベートーベンの傍にあった。
一方でショパンはエラールよりもプレイエルを好み、
ドビュッシーのエラールは、鍵盤に息を吹きかけるだけで鳴りそうな位軽いタッチであったそうだ。

これほど、各々個性のあるピアノで作られた曲が、
今ではスタインウェイに集約されてしまったのは少し残念である。

カシオもベヒシュタインだけではなくて、
往年のブロードウッド、エラール、プレイエルも切り替えて再現できる電子ピアノは出来ないだろうか。
今の技術なら、ピアノのタッチまでも再現できるのではないか。


その現在のピアノを一堂に集めて音を比較したCDがある。
ドイツのタツェットが出している「What about this,Mr.Clementi?」

マイクロフォンは、合計4本のB&K4003とショップスCMC5MK2を使用。
機材はマイクアンプの優秀さで定評のあるスチューダーのアナログミキサー961と、
ソニーのPCM2000を使い、1993年にフランクフルトで録音された。

集合したピアノは、
ドイツ・ベヒシュタインEN、
オーストリア・ベーゼンドルファー290インペリアル、
イタリア・ファツィオリF308、
アメリカ・スタインウエイD-274、
そして、ヤマハCF-111という、各社を代表するピアノだ。

これを同じ条件で、同じ奏者に弾いてもらって比べるというのがこのCDの趣旨。
普通に音楽を録音するよりもずっと大変だろうと思う。

聴いた感想はと言えば、
流石にトップレベルのピアノはどれも良い音がする、というのが正直なところ。
音楽の映像を見てもスタインウエイがやたらと目に付くので、
これが世界標準になっているのかもしれない。

もう今時の完成されたピアノとなると、大手のビールの差みたいなもので、
確かに違うのだけど、改めてどれが何かと聞かれても普通の人にはよく分からないと思う。
要するに、カメラのレンズの描写評価と同じである。
素人レベルでは、最終的にはどちらも良く分からないのが普通だと思う。


2018-1-14追記






最終更新日  2020.01.10 11:08:15
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