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2018.02.10
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カテゴリ:レンズ
広角レンズでも21mmとなると、昔は超広角と表記されていたと思う。
今では、フォクトレンダー銘で12mmや15mmが手に入るので、
20mm台は普通の広角レンズの範疇ではないだろうか。

レトロフォーカスよりも、対称型と呼ばれる旧いレンズの描写が好きで、
昔、まだちゃんと写真を撮っていた頃には結構使ったのだけど、
今のブラパチ散歩写真では広すぎて殆ど出番のないレンズだ。

対称型のビオゴンタイプというのは、基本的に【凹凸・絞り・凸凹】というレンズ構成で、
歪曲収差と倍率の色収差が小さいけれど周辺光量が低下するのが特徴。



描写は何というか彫りが深いというか大体’50年代のレンズなので、
絞り込んでもキリキリと硬くならない描写や、
ちょっと古い感じの発色とか、周辺の光量低下も含めて好きなのだ。

レンズ前面にワイドコンバーターがある、レトロフォーカスの大仰な外観に比べると、
控えめで遥かに小ぶりなのに密度の高い所も好きで、大きさの割に重い所が実に良い。

カメラに装着するとカメラの奥深くまでめり込んで、
実際には見えないけれどもフィルム直前にレンズの後端がある所がまた良い。
何と言うか、光が高密度のままにフィルム定着するようなイメージがある。

バックフォーカスが短いお陰で、デジタル用の撮像素子だと周辺がケラれて、
更には露出計内臓のカメラだと露出計が怪しくなったりして、
秘密めいた特殊なレンズ見たいで、そういう所も好きだ。


手元には、21mmの対称型レンズは3つある。

 *ビオゴン
ビオゴン21mmf4.5(1954年発売/5群8枚)は、
ベルテレが設計した、世界初の35mmカメラ用の対称型超広角レンズ。
主に旧ソ連製のキエフ4Aに付けて使ったりしたけど、
これは意外に使いやすい組み合わせだ。

ツァイスのビオゴンは、ハッセルの38mmの方が有名かもしれないけど、
35mm用の21mmビオゴンの造り込みには感激する。
小ぶりな割に重いレンズで、鏡胴の彫刻文字が緻密でエッジが立っていて、
ローレットの刻み目一つ、ダイヤモンド・バイトを使用したと思われる旋盤加工もお見事。
裏側まで小さな部品一つ一つの工作も凄いし、メッキも含めて実に良い仕事をしている。

その造り込みだけを見ていても、
当時のツァイスのプライドがヒシヒシと感じられて溜息が出るという、
今では絶対に作る事の出来ないレンズの一つ。

 *スーパーアンギュロン
一番使ったのがスーパー・アンギュロン21mmf4(1958年発売/4群9枚)。
合計5292本製造されたレンズで、それほど数は多い方ではない。
これをバルナック型のライカⅢbに付けて、
上にファインダーを乗っけて21mm専用機で使った。

スーパー・アンギュロンはf3.4の方が描写の評価は高いようだけど、
絞りが菱形なのと、何といってもスクリューマウントが無い点が嫌だな。

ライツの名前が入っているけど、スーパーアンギュロンはシュナイダーのレンズ。
家にあるのはM-Lタイプというもので、専用の小ネジで固定するM-Lアダプター付きだった。
こういう小ぶりなレンズは、バルナック型の方が合うと思ったので早々にLマウントで使っていた。

これのLマウント専用は1500本程しか作られなかったのでコレクターズアイテム。
レンズ構成図を見ても、ビオゴンと似ているけど特許に触れないように苦心しているのが分かる。

 *リコーGR
ビオゴンが世に出てから45年後に、
新時代のレトロフォーカスではない国産超広角レンズと言う事で、
1999年にリコーのGR21mmf3,5(6群9枚)が発売された。
早速手に入れてみたけれど、これは確かにGRを謳う素晴らしいレンズ。
限定品で白鏡胴は1000本製造された。

リコーのGR21mmは、コンパクトカメラのGR21に付いていたものを単体で出したもので、
描写に関しては、完璧なカラーバランスに、一段とヌケが良いキッチリスッキリ+周辺光量低下という、
新時代の対称型広角レンズのイメージそのままの傑作だ。

GR21mmは良いレンズだと思うけど、
余り使わなかったのは、スーパーアンギュロンとコダクロームのコンビによる画が好きだったのだ。
ついでに、このレンズはGR28mmのようにバルサムがおかしくなる事も無さそうだ。


f値が0.5ずつ違う、対称型の3本の21mmレンズとファインダー。



レンズ本体よりも貴重かもしれない、リコーGR21mmのパンフレット
LマウントのGR28mmを買った時に住所を登録してくれて、
家に直接送ってきてくれたものだと思う。

そのGR28mmが好きなレンズであったので、迷わず注文した記憶がある。
切れ味が謳い文句だけど、その通りの第一級の広角レンズ。
黒鏡胴は700本作られて、白鏡胴と合わせて合計1700本製造された。


ロシアのルサール20mmf5.6は、
1mmほど短い焦点距離だけど仲間に入れていいと思う。

当時、旧ソ連時代に航空測量用として、
ルシノフ博士によって作られた対称型広角レンズが元になっている。
要するに軍事用の航空偵察レンズである。

ロシア系のレンズで、ツァイスのコピーではなく、
オリジナルの設計なのは軍事機密であったからだろう。

お蔭で35mmバージョンの20mmでも見事な描写。
暗いけど、軽量コンパクトなのもいい。
カメラに付けると殆ど出っ張りがないパンケーキレンズ。


2018-2-12 追記
2020-6-23 追記





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最終更新日  2020.06.23 09:59:18
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