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mik.hamaのいい加減にします

2020.09.19
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ドイツ光学の新興勢力にウルム A・シャハトというレンズがあった。

アルバート・シャハト氏により、ミュンヘンで1948年に創立されて、
ウルムへの移転は1954年に行われて、1955年には新しい広角レンズを発表。

1960年にアルバート・シャハト氏は引退して、1970年には活動を終えてしまうけど、
エディクサ、プラクチナ、ライドルフ、エクサクタ、M42,ライカスクリュー、といった、
各種のマウントに対応したレンズを供給していた。

シャハト氏は、1913年から1919年まで、カールツァイスの運用マネージャーとして働き、
それから1926年までイカに勤めた後は、ツァイスイコンに合併されると1939年まで在籍して、
1939年から1946年まで、シュタインハイルのテクニカルディレクターとして勤めていた。

A・シャハトのレンズの光学設計に携わったのが、
戦後の1946年に、スイスのヴィルト・ヘーアブルクの助けを借りて、
同地に光学設計オフィスを構えていた、元ツァイスの鬼才ルートヴィッヒ・ベルテレ氏。
レンズ構成を見ても、望遠と広角はエルノスターやビオゴンを思い起こさせるベルテレ流そのままだ。

1961年頃のパンフレットを見ると、
アルバート・シャハト ウルム/ドナウと書かれている。


A・シャハトは1967年に、コンスタンティンラウフグループに買収されたが、
それも1969年には光学部門が、ヴェッツェラーのヴィル社に売却される。

ヴィル社は日本では馴染みが無いけど、元はライツで眼鏡技師として働いていた、
ヴィルヘルム・ヴィル氏が、1923年に創立した光学メーカーだ。
カメラに関しては、ミノックス35のレンズの設計・製作とファインダーを担っていて、
株式の25%をミノックスに売却したり、一時はヴィルト・ライツに引き継がれ、
最後は1988年にヘルムート・フント社に合併された。


ウルムはドイツでも南に位置していて、リヒテンシュタインやスイスにも近い位置にあって、
わざわざミュンヘンから移ってきた理由は、スイスのベルテレ氏の事務所と近かったからだろうか。

かつて、A・シャハト社のあった、ウルムのツィンクラーシュトラッセ40を、
Googleで確認すると、社屋を出て右手のシラー通りを行けば、
歩いても5分位でドナウ河畔に辿り付きそうな場所にある。

あのベルテレ氏がデザインして、ドナウ川の左岸で作られていたA・シャハトのレンズは、
ブランドとは無縁で目利きのカメラマンには評判が良かったらしい。


レンズ構成がテッサー型の標準レンズ、
A・シャハト・トラベナー50mmf2.8をEOSに付けてみる。
このレンズの当時の価格は192ドイツマルク。

以前紹介した同スペックのクセノンと比べて、
外観も南ドイツらしい軽快なイメージがあって明るい雰囲気がある。
エディクサのブランドを持つウイルジンと提携していたので、エディクサの名前も刻まれている。

使用例も無く地味なレンズだけど、なにせ真面目なテッサー型だから何の問題も無い。
名前は、ドイツ語読みだとトラフェナーだけど、本来はどういう呼び方をしていたのだろうか。

キャップに刻まれた、シャハト・ウルム・ドナウ。
ドナウ左岸で生まれて、ドナウの文字が入ったシャハトのレンズから受けるイメージは、
どうしてもヨハン・シュトラウス2世作曲の「青き美しきドナウ」のワルツである。


A・シャハトのトラベナー50mmf2.8の作例(全て銀塩写真)

民家脇の馬頭観世音。数世代にも渡って前の道を見守り続けている。


舗装された林道に葉の落ちたカラマツの梢が影を落として、
印象的なシマシマ模様を描いている。


爆発したガマの穂が残る、元田んぼ。最近、見掛ける事が多くなった休耕田だ。
木が生えると復元は厄介になるけど、高齢化と後継者不足でどうにもならない。


古い商店のトタン張りの看板。良く見ると辛うじて森永ミルクキャラメルが残っている。
こういう集落の中の小さな商店は、昔は子供たちのオアシスでありパラダイスだった。
今でも現役。


バス停の標識の墓場だ。昔の標識は鉄にペイントされているだけなので、
古くなるとサビサビになってしまっていたけど、今の標識は防錆も対候性もバッチリ。


大分前に閉店したバイクショップ。取り残されて色褪せたYAMAHAの看板とネオンが寂しい。
窓の左には、恐らく仕事で使われていたソケットレンチが覗く。












最終更新日  2020.10.09 10:06:11
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