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2020.09.26
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カテゴリ:クルマ
自身もプロ級の腕前でレースに参戦している、
モリゾウこと豊田社長の肝いりでプロジェクトがスタートして、
2020年9月に発売が開始されたトヨタのGRヤリス。

マスタードライバーでもあるモリゾウさんの、
トヨタのスポーツカーを取り戻したい、という想いのもと、
【モータースポーツ用の車両を市販化する】という逆転の発想で
WRCで勝つ為のクルマを作り上げ、それを市販するというやり方で登場したクルマだ。


それは、開発段階から最後まで大嶋和也選手(2019年スーパーGT・GT500クラス王者)と、
石浦宏明選手(スーパーフォーミュラ・2015年/2017年王者)というホンモノのプロレーサーが、
GRヤリスの開発責任者である齋藤尚彦氏をはじめとするGRのスタッフ達と共に、
マンパワーと時間を投入して練り上げてきたクルマでもある。

生産も尋常ではなく、トヨタ全社から熟練工が集結した上で、
愛知県豊田市の元町工場で専用ラインの【GRファクトリー】を立ち上げて、
ベルトコンベアーを使わない方法で、
パーツも一つずつ計測されて管理しながら組み込まれていくという入念さに恐れ入る。

面白いのが、ボディーの前半がヤリスに使われているGA-Bプラットフォームで、
後半がプリウスやカローラに使われているGA-Cプラットフォームというハイブリッドという点。


今時の世界中にある自動車メーカーのトップでも、
ひょっとしたらF・ピエヒ氏以来ではないかという、筋金入りのカーガイである豊田社長。

そのモリゾウさんは、
トヨタでは以前からプロのレーシングドライバーには、
クルマの開発に関わってもらっていたけど、
彼らがメーカーに忖度する事を知っていて、
加えて自ら現場でレースを行う上でとても重要な事は、
本社の社長室には届かない情報を直に拾える事である、と言い切っている。

モリゾウさんのマスタードライバーとしてのホンモノ度を知るには石浦選手の言葉がある。
自身のクルマ運転感覚に関しては、1つめのコーナーで感じた事が、
2つめのコーナーでは分からなくなってしまうような微妙なことを、
モリゾウさんはすぐ指摘する、という証言を聞けば充分だろう。

大嶋選手はGRヤリスに関して、
今までは、開発の最終段階でクルマに乗せてもらうことはあったけど、
その状態だとダメ出しをしても直ることはないので、既にあまり言うべき事が無かった。
所が、今回のクルマは開発の初期段階だったのでドンドン注文を出したと話している。
改めてGRヤリスの成り立ちが良く分かるではないか。

それから、GRカンパニー・プレジデントの佐藤恒治氏の、
モリゾウさんがいつも言われている【もっといいクルマづくり】というのが、
モータースポーツ起点で始まりだして変わっていくんだというのを、
本格的に示していきたい、という言葉からGRヤリスの立ち位置が明確に見えてくる。

自動車メーカーにとって、モータースポーツが企業イメージの起点になる事は事実であり、
実際にヨーロッパのメーカーは、そこら辺の事を良く分かっていて実に上手い。
最近ではアメリカのGMでさえ、SUVにウツツを抜かしている、
ポルシェ真っ青のホンモノのスポーツカーを仕立てて、
ル・マン24hにまで挑戦して実に巧みに企業のイメージを高めている。


GRヤリスのラインナップは以下の通り。
RS:1.5L、直3/CVT/FF 265万円
RC:1.6L、直3ターボ/6速MT/4WD(GR-FOUR) 330万円
RZ:1.6L、直3ターボ/6速MT/4WD(GR-FOUR) 396万円
RZ High Performance:1.6L、直3ターボ/6速MT/4WD(GR-FOUR) 456万円

この手のクルマで、とても重要なリアからの眺めも悪くない。
張り出したオーバーフェンダーとギリギリまで広げられたトレッド、それに加えてGRのバッジ。
これが、追い越された時に斜め後ろから見せる景色だ。


幅の1800mm越えは少々残念だけど、
これは走りを追求した結果であると言われれば言葉も無い。
長さを4m未満に抑えたのはお見事。

とにかく、ルーフにカーボン、ボンネットやドアにアルミを使用して、
4WDのくせに1.2t少々に抑えた重量に驚く。
今時の、並べてデカくて重くて暑苦しいスポーツとは別次元のクルマ。

速さに拘った上で、DCTではなくてMTに拘ったのも嬉しい。

いずれにせよ、専用エンジンと専用シャーシーとボディーを使い、
専門の工場で、専門の職人によって組まれるクルマとしては、
驚く程のバーゲン価格ではないか。

これが、ヨーロッパの車であれば、
恥ずかしげもなく各々倍額のプライスタグをぶら下げていた筈である。

少々惜しいのがボディーカラー。
まあ、走りがウリなんで、と言われればそれまでだけど基本的に白と黒と赤では寂しい。
個人的には、世の中に溢れ返っている白と黒は嫌なので、そうなると選択肢が赤しか無くなる。
後からシルバーなんか出そうだけど、これも好きではないので、
赤ならもう少し暗いダークレッドマイカ”3Q8”なんかどうだろうか。

内装は真っ黒けの機能を優先したコックピット。
今時の勘違いデザイナーがシャシャリ出た人間工学ぶち壊しではなく、
あくまでも、シンプルにクルマを走らせる為の仕事場でしかない。

往年のランチアデルタ・インテグラーレもそうだったし、
手元にある、素の318tiも含めて往年のドイツ車は皆そうだった。


申し訳ないけど、トヨタが本腰を入れて作り上げたGRヤリスを見ていると、
外注されているスープラや86は幾ら出来が良くても霞んでしまう。

ヴィッツの後継車であるヤリスのイメージと名前を残しつつ、全く別物のGRヤリスは、
かつてヨーロッパに存在した、往年のWRCカーで今に至るまで名を残すルノー5ターボや、
ランチアデルタ・インテグラーレを彷彿とさせる。
どうやら、それらと同じ少量生産の特殊なクルマというわけでもないGRヤリス。
こういうクルマが、よもやトヨタから市販されるとは露にも思わなかった。


フロントを見ればコンパクトカーのヤリスでしかないのが実に良い。
サイズは、全長3995mX全幅1805mmX高さ1455mmで、
重さは1130~1280Kg。

ボトムのRSが1130Kg+120PSなので充分速いとは思うけど、
せめてエンジンはノーマルのままではなくて、
GRの看板を背負う以上は、スイフトスポーツ並みの140Psは欲しかった。
4WDの重量増は大体150Kgという所で、普通車であれば一般的な数字だ。


GRヤリスのディメンションを、
1985年にWRC/グループBのホモロゲーション獲得の為に作られて、
後の名作、ランチア・デルタ・インテグラーレの下敷きになった、
2人乗りのミッドシップ4WD/ランチア・デルタS4と比べてみると興味深い事に気付く。

S4のディメンションは、
全長4005mm×全幅1800mm×全高1500mm、ホイールベース2440mmに加えて、
重量は1197Kgというように、殆ど似たようなスペックなのだ。

機能を追求したら、似たようなディメンションになってしまった、という事だろう。
逆に言えば、今時の走りがウリのクルマが、いかに無駄にデカくて重いか良く分かる。


実は、個人的に初期型のトヨタ・ヴィッツが一時手元にあった事がある。
小型車は、初心者向けの安グルマであるというイメージを壊し、
流行りのミニバンやSUVを蹴散らして世界中の小型車に影響を与えたヴィッツ。

その頃から既に、ヴィッツRSターボ Powered by TRDという辛口のホットハッチを仕立てて、
ヴィッツGRMNでモータースポーツに参戦して、トヨタのイメージアップに一役買ってもいた傑作車だ。

そのヴィッツが、先頃海外で使われていたヤリスという名前に統一されたのは少々寂しいけど、
新しいヤリスは好評らしく、再びSUVばかりの世の中を変えていって欲しいなと思う。





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最終更新日  2020.10.01 16:21:44
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