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2020.11.14
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日本ではキワモノ扱いのレンズにA・シャハトというメーカーがある。
そのラインナップの中で、二種類ある広角レンズの一つがトラベゴン35mmf3.5だ。

このレンズを手に入れたのは前玉にクモリがあって、それなりに安かったので買ってみたのだけど、
クリーニングの為にバラしてみて、更にレンズ構成図を確認して驚いた。

その類例がないレンズ構成はA・シャハトと関係があった、
元カールツァイスの鬼才ベルテレ氏独特のもので、
1950年登場のレトロフォーカスを横目に見ながら、それに倣う事を拒否して、
オマケに戦前の大ツァイスのように高価な新しい硝材も好きに使えず、
製造コストの予算が低いサードパーティーメーカーの為に、
結構苦労して設計したものではないかと推察する。

独特の3群6枚のレンズ構成は、
最初に2枚張り合わせの凹レンズを配し、
次に鼓型を含んだ2枚張り合わせの凹レンズを置いて、
絞りを挟んで、最後にテッサー型でお馴染みの二枚張り合わせの凸レンズとなっている。


レトロフォーカス登場以前の一眼レフ用の広角となると、
以前紹介した、イソゴンやオロールのようなF値の暗い38mmとか40mmしかなかったのだけど、
レトロフォーカス以外の35mm広角では、このトラベゴンしか思い当たらない。

このレンズ構成に他の追随が無かったところを見ると、
どうもレトロフォーカス以上のものは無かったと見える。
ベルテレ氏の35mm広角レンズというと、戦前からあるビオゴンが余りにも有名だけど、
これの追随者も旧ソ連止まりで終わっているのは、製造コストの高さではないかと思う。

トラベゴン35mmf3.5は1954年には登場していて、
1970年辺りまで生産されていた。
価格はDM(ドイツマルク)168だった。


シャハトの広角レンズには、もう一つ1964年に登場した、
同じスペックのSトラベナーという3群7枚構成のレンズがあって、
更にビオゴン臭が濃くなっている。
これは、シャハト製のレンズで最も高価なものでDM318。
3枚張り合わせのレンズエレメントは手間とコストが掛かるのだ。



実際の所、トラベゴン35mmはレンズ後端からバックフォーカスの余裕が無くて、
手持ちの銀塩M42マウントカメラではEOS・RTにしか使えない。

EOS・RTに付けた、トラべゴン35mmf3.5。


A・シャハト・トラベゴン35mmf3.5の作例(全て銀塩写真)

夕方になり誰もいない日が傾いた田んぼの奥で、案山子が一人で田んぼを見守っている。


今年は天候が不順で、
7月頃までのトウモロコシは背が低くてヒョロヒョロだったけど、ここは8月以降の酷暑で復活。
八ヶ岳山麓のトウモロコシは昼夜の寒暖差で特Aクラスの味わいである。


真ん中左に蓼科山。
ここの畑は今年の天候不順で、暑さが大好きなトウモロコシはヒョロヒョロで丈も短い。
その代わり、手前のサツマイモは8月の暑さで元気に回復中。


農道脇のユリの花が、これ以上咲きようがない位に満開になっている。


稲の出穂。
今年は7月までの寒い長雨で、どうなるか心配していたけど見事に立ち直ったようだ。


頭から植物を生やした元茅葺屋根の建屋。
トラべゴンは、レンズの周辺部に逆光気味のシチュエーションがあると、
ハイライトにフレアが出て、このレンズでしか作れない写真が出来上がる。


家屋のある、生垣の方に開口部があると思われるトタンの物置?
元はゴミ置き場だと思うけど、使われなくなって反対側に向けられたのか。
朽ちるに任せてオブジェになっている。


夏になると弦植物に覆われて何だか良くわからないけど、
鉄塔の上には有線放送のラッパスピーカ―がある。
こう見えても現役なのだけど、拡声器特有の耳障りな歪も、
植物のお蔭で幾らかマイルドになっているんじゃないかな。





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最終更新日  2020.11.17 21:15:36
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