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2021.02.13
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カテゴリ:時計
ビーと呼ばれている時計がある。

このビーという呼称の元は、
アンソニアの小型で時計の上にベルがある時計の名称のようで、
これの名前がBEE Alarmという商品だったらしい。
箱にもミツバチ(Bee)の画が描かれていて、
アラーム音をハチの唸りと重ねたものではないかと思う。

日本では、アラーム無しの手巻き時計を単にビーと呼んで、
アラーム付をビー目覚ましで通称ビー目、
上にベルが無く裏蓋を叩いて音を出すタイプを裏ビーと呼んだらしい。


家にある8日巻きビーの置時計は、ヘソ目と言われた一日巻きの時計と違い高級品だった。
かなり凝った造りの堂々としたデザインで、枠が木で作られた木ビーと呼ばれたものだ。

スモールセコンドが付いた文字盤は4インチ。
同じ機械を使って、色んな意匠と材料で作られたので多数のバリエーションがある。

手元にあるのはオーバーホールをしたので快調そのもの。
ネジを一杯に巻き上げて放っておくと10日以上動き続ける。
作動音は木のフレーム効いているのか、かなり静かである。



裏には、【昭和7年度精勤賞/北樺太石油株式会社】という刻印がある。
この頃の特徴で、巻き上げと時刻合わせが同軸になっているけど、
実際には余り使いやすいものではなくて、結局は独立したタイプになっていく。


北樺太における石油開発の始まりは、
大正8年設立の5社による石油開発シンジケートの北辰会であり、
大正11年には更に2社が加わり株式会社北辰会へと改組し、
日本石油の橋本圭三郎氏が会長に就任している。

その後、大正12年に石油採掘に成功すると、
翌年には海軍に5、440トンの原油を初出荷している。

北樺太石油株式会社は、その北辰会を母体にして、
日ソ基本条約に基づいて北樺太の石油利権を獲得後に、
大正15年に設立された国策会社だ。

元から海軍の艦船用燃料確保を目的としたもので、歴代の社長には海軍出身者が着任していた。
戦時中の昭和18年まで採掘された後は、ソ連の中立維持の外交材料にされて、
昭和19年には石油利権をソ連に返還した後は帝国石油に吸収された。


この8日巻きビーは製造年がはっきりした個体で、
そういう意味では貴重な資料でもある。

昭和12年には、太平洋戦争にまで繋がる日中戦争が始まるので、
それ以前の、日本が安定して国力も充実していた頃の時計なので全体的に出来が良く、
まだ高級時計を精勤賞として送る余裕が国策企業にはあったという事も伺える。





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最終更新日  2021.02.14 11:25:46
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