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mik.hamaのいい加減にします

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オーディオ

2019.10.26
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カテゴリ:オーディオ
アナログオーディオ時代のレコードに、
英語ではダイレクト トゥー ディスクという、
通称ダイレクトカッティング・レコードと呼ばれた、
テープレコーダーを使わない一発録りで、
レコードの原盤になるラッカー盤を作る方式があった。

簡単にいうと、ライブ演奏の音源を、
そのままカッティングマシンに送り込む生録である。

音の点では余計なものを通さないので良いのだけど、
原盤が一枚しかないので量産が出来ず割高なのが特徴。

メジャーな所ではシェフィールドLabが特に有名で、
他にはM&Kリアルタイムがあって、
どういう訳か、いずれもアメリカのレーベルだ。

M&Kリアルタイムは、1978年のRT-101に始まり、
1982年のRT-308辺りの5年ほどの活動がメインだったようで、
CDも2枚ほど出しているけどアナログレコードが本流。

シェフィールドのようにテープレコーダーは回していないので、
今、M&Kリアルタイムの音を聴きたければアナログのシステムが必須である。

M&Kの詳細は良く分からないけど、
2人のプロデューサー、ジョナス・ミラー氏とケン・クライゼル氏がキーマンのようだ。
現在ではスピーカーシステムに関わっているようで、
Miller & Kreisel Sound Corporationとして頑張っている。

どうも発表されたレコードの数が30に満たない所を見ると、
トータルの枚数もたかが知れていて、それ程儲かったとは思えず、
趣味の延長で始まり、CDが出てきた時点で止めてしまったのではないか。

家にある、M&Kリアルタイムのレコードは2枚しかないけど、
リミッターとかイコライザーは一切使っていないと思われる、
音に煩いオーディオマニアが生録したような臨場感を伴った独特の音がある。


1978年盤のエド・グラハムの「ホット スティックス」。
録音はM&K Realtime Studio。
45回転片面に一曲ずつ入っているだけのジャズのレコードで、
プレスはドイツのテルデック。

A面はウェズリー・ブラウンのベースと、アール・ハインズのピアノを加えた、
トリオによる名曲のキャラバンで、B面はドラムの即興演奏だと思う。
シェフィールドのドラムレコードとは違うけど貴重で一級の録音だ。


これも1978年盤のロイド・ホルツグラフの「ザ・パワー・アンド・ザ・グローリー Vol1.。
ロスアンゼルスのファースト・コングレゲイショナル教会で録音。
ドイツのテルデックプレス。

バッハのトッカータとフーガをはじめ、オルガン音楽が4曲。
このレコードが凄いのは、普通であればカットするか、
意図的にレベルを下げられる様なホンモノの超低音である20~30Hzが、
中域と殆ど変わらないレベルで録音されている事だ。
これを見ても、このレーベルは信号に一切手を加えていないことが分かる。

このレコードを買った当時のメインシステムには、日立のLo-Dが開発した、
自作のアコーステック・スーパー・ウーファー(ASW)があったので、
音というよりは、家鳴り振動の圧迫感を味わえたのだけど、
今の家のシステムでは再生不能なので宝の持ち腐れである。






最終更新日  2019.11.19 10:01:56
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2019.08.17
カテゴリ:オーディオ
手元に、戦時中の昭和20年3月に製造された古いコンデンサーがある。
メーカーは、㈱ニ井製作所 型式OPC-3。 
0.1μF 3000Vというスペックが手書きで書かれて、
裏には船舶無線用というスタンプが押されている。


昭和16年になると、軍艦以外の輸送船に関しても、従来は逓信省管轄だったものが、
戦時標準船として軍艦と共に海軍省に統一され建造される事となった。
客船や今までの輸送船は廃止になり、新たに10種類の船種が制定される事になる。
同時に、電気艤装に関しても規格が統一された。

既に、昭和13年ごろから戦時船舶無線に関して、
逓信省と4つの電機メーカーで改善が図られ、
昭和15年からは周波数が安定した主発信式と呼ばれた水晶式に置き換えられて、
昭和16年には海軍との連携の為に3つの周波数追加と、
2つの波長を同時通信可能なように改善されていく事となる。

その結果、各々の船種に合わせた、500Wと250Wの長・短波送信機と、
150Wの中・短波送信機と、50Wの長・中波送信機に、500Wと250Wには方位測定器と、
500Wには8球のスーパーヘテロダイン、それ以外には4球のオートダイン受信機を組み合わせた、
1号~4号の無線機が作られる事になった。


このOPC-3コンデンサーも、
そうした軍艦や戦時標準船の無線装備に使われる予定のものだったのだろう。

当時は、金属箔を紙で挟み込んだペーパーコンデンサーが一般的だけど、
OPC-3は高耐圧で大きさの割にキャパシタンスが小さく、
密閉された金属ケースで船舶用のスタンプがあるので、
海軍省の管轄で軍需品扱いだったマイカコンデンサーだと思われる。

コンデンサーの絶縁油に関しては、
日本では1936年にナフテン系のものが一般的になると、
これが国産オイルコンデンサーの標準になって近年まで使われていた。

因みにコンデンサーに使われたオイルで、
今では毒劇物扱いのPCB(塩化ジフェニル)は、
国産では戦後の1954年から製造されていて、
これを改良した三塩化ジフェニル入りは1958年からなので、
戦前の国産コンデンサーに使われている事はない筈だ。


戦争末期で資材不足になっても、
絶縁体のマイカ(雲母)は余り問題が無かったらしいけど、
電極材料のスズや鉛の確保も軍需優先で何とかなっていたらしい。
末期になると、ケース内に充填する絶縁物には火山灰が混ぜられていたとのこと。

当時から、高耐圧で高周波特性が良くて温度特性も優秀で、
極めて安定した性能を持つマイカコンデンサーは軍需として供給されていて、
航空機用には、色も形もキャラメルの様なものが使われていた。


辛くも兵役を逃れ、デッドストックとして売られていたのを家に連れて来たのは、
ひょっとしたらツイーターのローカットか、アンプのカップリングに、という事ではなく、
単に戦時中の国産の古いコンデンサーがどんなものか知りたかったからだ。


6個で2000円が高いのか安いのか分からないけど、
とにかく、戦時中から戦後の混乱期をかいくぐって来た貴重品。
外観を見ても、75年近く経過しているのに、感心する位にシャンとしていて驚く。


規格を表示したラベルと裏側の船舶無線用スタンプの様子。
ラベルの表示には、全て手書きの物もあったりするのは戦時中の影響だろう。


まず戦時中の受信機の一例。
航空機用の飛5号甲無線機の受信機を調べてみると、
軽量と言う事よりも、主にパーツの供給やメンテナンスを考慮して、
1種類の真空管だけでスーパーヘテロダインを作り上げている。

新品の真空管が、動作チェックをして3段階に性能分類されていたような時代では、
幾ら回路設計に問題が無くても、実用で本領発揮は難しかったのではないか。

この受信機は、元はアメリカのナショナルHROを参考にしているらしいけど、
真空管の性能が良くて種類も豊富なアメリカと違い、
使用真空管はUt6F7の1種類だけだ。

在庫もそこそこあって作り易くて定評があったのだろうか。
既に戦時中の量産化の為に多品種から小品種へシフトしていたと思われ、
実際には軍から無理やり押し付けられたのだろう。

6F7は元々アメリカRCAで作られたもので、本来は周波数変換用の真空管。
当のアメリカでも受信機(ラジオ)への使用例はかなり少なかったらしい。

後世になって回路をチェックしてみると、
良くスーパーヘテロダインを実現できたものだと、
当時の設計者の苦心が伺われる代物らしい。


船舶用に関しては、地上基地用と同様に、
パーツの供給が大変で消耗の多い航空機用よりも、
供給部品の品質とか種類にも余裕があり性能は安定していた筈だ。


地上用の送信機の参考に1929年から運用され、
戦後の1950年から1994年まで在日米海軍に接収されて、
戦時中は潜水艦用の超長波無線を担っていた、愛知県の依佐美送信所を取り上げてみる。

ここに残されている共振用コンデンサーのスペックが、
OPC-3と似たような4KV/0.1μFで、
ドイチェ・デュビリィア・コンデンサトール社のパラフィンオイル入りのマイカコンデンサ。
これには戦前のドイツ帝国特許というDRPの刻印がある。
現用時には295個が使われていたらしい。

依佐美送信所のテレフンケン式長波送信装置(出力500KW)の昭和27年に書かれた電気回路略図。
出力は1000倍も大きいけど、恐らく戦前の船舶用の長波送信機も機構は同じようなものだと思う。


減衰が小さく遠くまで届き、水中でも通信可能だった、
潜水艦への遠距離通信に使われた超長波送信の17.442KHzを作るのには、
まず商用3相電源3300V(MAX1000KW)で、
メインの920KWの3相誘導電動機を駆動。

同じ電源でメインの920KW電動機と同期した、
サブの36KW3相誘導電動機を回し、
その動力で直流励磁用の20KWと3KWの発電機2つを駆動。

この2つの発電機で得られた励磁用直流電源は主に、
20KWはメイン直流発電機、3KWはメイン直流電動機の励磁用に供給される。
各々、その一部は自動速度調整機に使われて、メイン直流電動機の回転速度を一定に保った。

メイン電動機シャフトは、同軸直結で800V/860KWのメイン他励直流発電機を駆動。

得られたDC電源で730KWの他励直流電動機(1360rpm)を回して、
この動力で回転子重量21.2tで600KW/5.814KHzの、
AEG製・高周波発電機(高さ3.6m 総重量35t)を駆動している。
この回転子の慣性モーメントも安定した周波数には極めて有効であった。

わざわざ三相電源から直流電源に変更しているのは、
一種のワード・レオナード式の回路を組んで、
元の商用電源の周波数変動による回転ムラを無くすためだ。
実際の回路図でも自動速度調整の部分は、かなり凝った回路で、
常に1360rpmを保つようにフィードバックが掛かっている。


 【ワード・レオナード方式について】

  直流発電機の回転数が一定でも、
  その界磁電流を制御する事により、
  直流電動機への電圧を変える事が可能になる。

  直流電動機の回転数は、
  回転子に給電する電機子の電圧に比例して速くなり、
  励磁の強さには、ほぼ反比例して遅くなる。

 


高周波発電機で得られた高周波の5.814KHzは次に、
起動時の磁化用に必要な電力を得る為に、
専用の18KWの電動機と10/30V・400Aの直流発電機が繋がっている、
鉄心の磁気歪を利用して3逓倍の3次高調波を取り出すという、
周波数3倍機を通して17.442KHzを得ている。

これを、11.5KWの電動機と500/200V20A直流発電機を電源とする、
磁器飽和しやすい鉄心と直流コイルが巻かれた、
直流オンで鉄心が磁器飽和して信号出力が1/100になる信号用磁気誘導変更機を使い、
そこから3個の同調用のバリオメーターコイルと、多量のマイカコンデンサーで共振させて、
更にアンテナ同調用のローディングコイルを経て、
外部の巨大なアンテナからやっと出力500KWのモールス信号発射。


17.19mもの波長を受け取る側の潜水艦には送信機は無く、
オマケに数百メートルの長さに及ぶアンテナが必要なので、
水中では、これを引っ張りながら移動していた。

長波は情報量が小さく、モールスで一文字送るのに数分掛かるので、
あらかじめ決められていたマニュアルの様なものがあり、
それを見て行動していたらしく、浮上時には送信機も含めた短波無線を使っていた。

2019-8-19追記改訂






最終更新日  2019.09.23 22:25:30
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2019.07.06
カテゴリ:オーディオ
1978年に発売されたフランス・オコラのレコードで、
音源がナグラの電池駆動オープンリールデッキにマイクを2本だけという、
超シンプルな機材を使った「カメルーンのオペラ」というのがある。

いわゆる生録というドキュメンタリーもので、
フランス国営放送とカメルーンラジオの協力を得て、
ジョゼ・ビヴァン氏によって製作された。

この録音が凄いのは長岡鉄男さんも絶賛していたけど、
装置次第で幾らでも情報が取り出せるところだ。
圧倒的なDレンジと音場の広さに圧倒されるけど立体感も見事で、
音と一緒にアフリカの空気までもが部屋の中を満たしていくようだ。

虫が鳴き、遥か彼方で雷が鳴り、
場所の広がりや人が歩くさまが手に取るように分かる。

鳴いている虫の声も不思議で、
上を向けば上から聞こえ、横を向けば横からも聞こえてくる。

圧巻は、木こりが木を斧で切り倒す場面で、
カーンカーンと随分と離れた所で作業をしているなと思っていると、
いきなりメリメリバキバキズドォーーンと、
椅子からひっくり返りそうな音でビビる事請け合い。

もう一つが、マイクをかすめて飛ぶ、虻だか蠅の羽音で、
3次元的立体で位置が特定出来るので、
何か部屋に外から虫が飛び込んだようなリアルさで思わず顔を背けてしまう。

いわゆるドキュメンタリー録音というものは、
今の時代では殆ど無くなってしまったけど、
これの録音のリアルさは、SACDになった今でも超の付く一級である。

装置は選ぶだろうけど持っていて損はない。
逆の見方をすれば、情報量、音場感、定位、Dレンジに関して、
装置の欠点が良く分かるのでテストソースとしても最適だ。

後ろに当時のフランスプレスのアナログレコード。手前にハイブリッドのSACD。






最終更新日  2019.07.18 17:42:49
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2018.06.30
カテゴリ:オーディオ
良く、バックロードホーン・スピーカーというと、
パーカッションには最適のデカい音が出るという固定概念があって、
確かに間違いではないのだが、こういう一方的な思い込みは何とも残念である。

そうは言っても、高能率でハイトランジェントでDレンジが広大なバックロードホーンは、
確かにパーカッションのようにパルシブな音源には好適であるのは間違いなく、
個人的にも音楽の根源というか、ストレートに心に響く打楽器は大好きだ。

その昔、エラートのシルヴィオ・ガルダによるイアニス・クセナキスのプサファに衝撃を受け、
シェフィールドのドラムや、日本の鼓童や鬼太鼓座のような和太鼓とかに繋がっていった。
最近の録音では、加藤訓子(かとう・くにこ)さんのマリンバがお気に入り。

加藤訓子さんは、ロッテルダム音楽院を主席で卒業して、
数々の受賞歴もあるアメリカを拠点に活躍している国際人。

加藤さんを初めて聞いたのがライヒのアルバムだったけど、
このSACD/CDを作っているレーベルのLinnは、
オーディオメーカーのLinnが親会社というだけあって好録音が多いのが特徴だ。


最近のお気に入りで昨年発売のバッハは、
曲名は知らなくても馴染み易い曲ばかりで最初に買うには良いと思う。

マリンバはピアノと同じ鍵盤打楽器と呼ばれるけど、
鍵盤からの力を複雑な機構で弦を叩き、響板を響かせて音を出しているピアノと違い、
マレットと呼ばれるバチで直接人間が木の音板を叩き、
その下にあるパイプを共鳴させるシンプルな楽器で木琴の一種だ。

起源はアフリカにあると言われて、
これは木の板の下にヒョウタンをぶら下げた楽器である。
現在の形になったのは19世紀後半のグアテマラらしい。
似たような楽器にシロフォンというのがあるけど、
いわゆる木琴の音と言ったらこっちの方が馴染みがあると思う。


このCDは、マリンバの存在が明確で、
叩かれた鍵盤の位置もちゃんと分かるような好録音。
全体的にオンマイクで、マリンバ特有の芯のある柔らかくて厚みのある音と、
徐々に消えて行く余韻が重なって見事な音楽の空間を作り出す。

特に凄いのが低域の圧倒的なパワーで、
何というか電信柱位の木の丸太をぶら下げておいて、
それを木のバットでぶん殴ったような音にゾクっとくる。

何せ、低音部の音が出る度に部屋の何かが共鳴して、
そこかしこからビーン、ビーンと聞こえ出してギョッとするのである。

鍵盤を叩いた瞬間の音と、消えて行く余韻の対比の再現は難しいと思う。
何より、エネルギーと厚みがあってガツンと来る低音は、
最近の低能率マルチウェイでは難しいだろうし、
見事な音場となるとヘッドホンでは再現の難しい音源。



加藤さんのCDは概して好録音が多い。
そこは流石にLINNレーベルというべきか。どれもSACDとCDのハイブリッド盤だ。
ライヒのジャケット写真を見ると、加藤さんのマッチョぶりが分かる。
あの繊細かつ豪放なマリンバの音の秘密がこの筋肉なのである。






最終更新日  2019.11.14 11:27:15
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2018.02.17
カテゴリ:オーディオ
家では、主にアナログレコードを聴く時には、
エアボウの真空管アンプとタンノイのスピーカーを使う。

今では生産中止になってしまった、
エアボウのTRV-35SE dynamiteは、
トライオードのハイCP傑作アンプであるTRV-35SEを、
大阪の逸品館というオーディオショップが別注して作ったものである。

パーツを吟味して、何回もテストをして完成したアンプは、
ボリュームだけでも20を超えるという徹底したもので、
オリジナルよりも+5万円程というのはバーゲン価格だったと思う。

購入してから10年位経ったけど今でもお気に入りのアンプだ。
電源を入れてから1時間位しないと真価が出てこないけど、
アナログレコードを聴く時には無いと困る。

ふと最近になり真空管を交換してみようと思い立った。
別に今の音には何の不満も無いけど、
何となく気になっていた部分である。

昔、ダイナコのステレオ70を使っていた時も出力管の6CA7/EL34を、
GEとかジーメンスに変えたりしていたのを思い出した。
このアンプの初段は特製の違う球が2つ入った7199という奴だったけど、
TV用の特殊な球らしく今では入手は難しいだろう。

ステレオ70は、整流管GZ34とダイナコ銘の電解コンデンサーによる電源に加えて、
トランス類がアクロサウンド製の特注だったり、
結合コンデンサーにブラックキャットなんか使ってあって実に良いアンプだった。

エアボウ・TRVに使われている真空管はステレオ70のような初段管と違い、
いずれもポピュラーで入手が容易なものばかりなのが良い。
初段 12AX7/ECC83 1本 + 12AU7/ECC82 2本
出力 6CA7/EL34 4本

現用のTRVに使われているオリジナル真空管は、
中国製のトライオード選別品なのだけど、
トライオードでも規格品の確保にかなり苦労したらしい。

今回載せ替える球のブランドは、
スピーカーがタンノイなのでイギリスのムラード、
但し、新しいロシアン・ムラードに決定。

古いNOSと称されるデッドストックのビンテージ球に関しては、
家にもあるけど、それほど騒ぐ程の事はないし、
得体の知れないNOS球を通販で大枚をはたく位なら、
最近の新しい奴の中から探した方が、
手間もコストパフォーマンスも何倍も良いし安心出来る。

使い古したボケ球を掴まされて、
やはり良い音だなと錯覚して自己満足するのは結構だけど、
似た様な材料で作って物理特性が同じであれば、
低周波域でそんなに差なんか出る訳が無いのである。


出力管のEL34のロシアン・ムラードのペアは日本で探すと1万円越え。
初段のECC83が1本で4千円位か。

10年前に比べて余りにも高いので、アメリカから買う事にした。

ムラードのEL34のマッチド・クワッドの4本1セット($91.71)。
ECC83は1本で良いけど、予備という事でマッチド・ペアの2本1セット($46.99)。
ECC82はムラードが見つからず、真空管自体は外箱と本体の印刷位しか違わなそうなので、
エレクトロ・ハーモニクスのペアに決定($41.99)。

送料を入れても日本で買うよりも安いのである。

アメリカから到着したロシアン・ムラード+エレクトロ・ハーモニクスの真空管。
ムラードの「ザ・マスター・バルブ」の文字が渋い。
オリジナルに比べて、EL34は細身になったけど、後は似た様なものだ。

ムラードとエレクトロ・ハーモニクスは、
実の所、箱の中の緩衝材まで同じで見た目もそっくりである。


外した、オリジナルの真空管。
重心の低い厚みがあってリアルな音は聴き疲れしない。
メーカー純正ゆえの安心感だ。


ロシアン・バルブに入れ替えて火を入れたエアボウ・TRVアンプ。
せっかくのムラードのロゴが全て背面になっている。
アンプの下には分厚い光学ガラスの塊を置いてある。


上から見た所。
オリジナルのEL34が茶色いベースだったので、
黒いベースに変わっただけでアンプの印象が変わる。

最初の試聴はTRVに繋いである、
CDプレーヤーのティアック・VRDS-10SEで開始。
機材が温まってくると、
VRDSって、こんなに良い音したっけと肝心のアナログに行きつかず、
CDをとっかえひっかえ聴いて終わってしまった。

ロシア球への総とっかえで、一段とリアルでタイトになった音には、
ソリッドステートか管球かという枠を超える音の為に、
アンプのチューニングを重ねて来たエアボウの思いを改めて確認出来た。
同時にオリジナルの真空管の良さも再確認した。






最終更新日  2019.05.04 21:05:11
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2018.02.03
カテゴリ:オーディオ
アナログレコード全盛時の後半には、オーディオ的にも色々と面白いものがあった。

当時はデジタル録音も新しい技術の一つで、
アメリカのテラークは「1812年序曲」で好き者を唸らせた。
機材でもソニーのPCM-F1はスウェーデンのBISレーベルでも長らく使われて、
たったの14ビット機ながら、音質というものは機材よりも、
エンジニアの腕であるなと再認識させてくれた。

他にも、DMM=ダイレクト・メタル・マスタリングというのは、
超音波を使ってラッカー盤ではなく、メタルマスターを直接作る技術。

ハーフスピード・カッティングというのは、
カッティングスピードを半分に落として、
ゆっくりとラッカー盤を作る技術。

色々あったけど、最もオーディオ的に良かったのが、
演奏した音源をテープレコーダーで録音して後で編集するのではなく、
そのままカッティング・マシンに送り込むダイレクト・カッティング方式であった。

アメリカのシェフィールドが特に有名で、他にもM&Kリアルタイムも凄かった。
どちらも当時購入して手元にあるけど、最初に聴いた時の印象は今でも忘れられない。

シェフィールドはカッティング・マシーンと並行して、
2トラックのテープレコーダーも回していてくれたお陰で、
それを元にCDを出してくれている。

オリジナルの管球式のマイクや機材を駆使した、
歪感が無くてリアルな独特な音は、今聞いても感激する。


シェフィールドを創立し、ずっと音楽に携わってきた、
ダグラス・サックス氏とリンカーン・マヨルガ氏は、
当時のLPの音よりも、テープレコーダーを使わない1930年代に録音された、
アビーロード(EMI)で録音されたピアノの音の方がずっと良い音である事を知っていた。

そこで、’40年代から殆ど変わっていない録音スタジオを見つけ出して、
10ドルで古いRCA77・リボンマイクと、’47年製のRCAのカッティング・ヘッドと、
’29年製のヴァイタフォンのカッティング・マシンという、
初期のトーキング・ムービー用の骨董器材を使って、
自身の演奏を直接ラッカーコーティングしたアルミディスクに録音してみて、
その音に衝撃を受けたのである。

実は、オーディオマニアでもあるタモリさんも、古いSP盤の音を評価していて、
その筋では、SP盤は新しい録音よりも音が良いものがあると言う事は有名な話である。

ダグラス氏とマヨルガ氏は実験の結果から、
新しいウエストレックスのカッターと、スカリーのカッティング・マシンと、
テレフンケンのマイクを使ったら、さぞ良い音が出来るだろうと期待したのは当然であったが、
散財して色々やった挙句に新しい機材では全く思っていた音にならず、
結局はオリジナルの器材を開発することになるのである。

こうして誕生したシェフィールドのブランドは、
当時感激したイギリスEMIの音に敬意を表してのもののようだ。

管球式のワンポイント・マイクに始まるオリジナル機材の音は、
シェフィールド・マジックともいうべき独自のもので、
最初の一音が出ただけで、それとわかる特徴がある。

家にはシェフィールドの音楽ソフトは、
アナログレコードが10枚ほどとCDが20枚ほどある。
どれも、概して歪感がなくて生々しいという、
他のレーベルとは一聴して分かる次元の違う音が特徴である。


アナログレコードの一例。ジャケットにあるアサガオがトレードマークだ。
写真はLab.8/ロミオとジュリエットで2枚ある。右側は後に見付けた未開封品。
クラッシックでも独特の歪感のないナチュラルサウンドが聴ける。

普通はシンフォニーのレコードとなると、殆どが実際にはマルチマイクによる疑似ステレオである。


衝撃的な登場だったドラムソロのレコードとトラックレコード。

ドラムレコードは、A面とB面それぞれに即興のドラムソロが録音されているだけ。
楽器の位置や高さが分かる、ハードでシャープでダイナミックでダルな感じは一切無い音。
振動板の重いスピーカーや巨大なマルチスピーカーでは真価は分からないと思う。
今でもこれを超えるドラムの録音は無い。

トラック・レコードも凄い。
シェフィールドは電気楽器の音も独特で、
ボリュームを上げても煩くないのは音に歪が無いからだろう。
逆に言うと、普通はいかに弄り回されて歪んでいるか良く分かるレコードである。
各楽器の分離とドラムが聴きどころだ。

これをまとめたCDも幾つかあって、デジタル化されても音の本質はいささかも変わっていない。
SACDとかハイレゾとか、方式だけでは超えられないシェフィールド独特の音である。


日本の鼓童もシェフィールドに録音を残してくれている。これは1985年盤のCD。
総じてシェフィールドはオフ気味の録音が多いけど、これは一段とオフ。
ボリュームの目盛りを普段よりも3つくらい上げた方が良い。
Dレンジは広大で歪感は皆無。






最終更新日  2018.06.27 16:46:23
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2017.12.28
カテゴリ:オーディオ
家からクルマで10分も掛からない所に「ウッドウイル」という、
ハンドメイドのスピーカー工房がある。

ツイーター・スタンドの件でメールを差し上げてから、
一度お伺いしたと思っていたのだけど、10月頃にやっと行く事が出来た。

工房で愛用の道具や使われている材料を拝見したりして、
2階の試聴室で音を聴かせて頂いた。

話しには聞いていたのだけど、エンクロージャーにはもの凄い手間暇が掛かっている。
試聴スペースは、電源から装置に至るまで吟味されていて隙が無いのだ。

試聴した中で、特に感心したのは小さな小型バスレフの2ウエイで、
丁度、釣り鐘をスライスしたような形の材料を縦に重ねて形成したという、
手間の掛かったエンクロージャーは、
定在波対策らしいけど、やはり平板よりも段違いに強度が強いのであろう、
バイオリンやピアノが凛として実に良い感じである。

こういうのを寝室の小型システムに組んで静かに聴くのも良いなと思ったけど、
今から頼んだとしても3年先だそうである。


その試聴の時に、柴田代表が最初に選んだソフトが、
五嶋みどりさんの「Encore!」(アンコール)。
録音は1992年の8月というから、もう四半世紀前かと驚く。

これは確か家にもあったなと、帰宅してから探したけど見当たらない。
どうしても聞きたくなって買い直したのがハイブリッドのSACDバージョン。

じっくりと聴き直して改めて良いCDだなと再認識。
五嶋さんは、葉加瀬太郎さんが芸大の頃から別格の天才と評していたけど、
今も残るタングルウッドの奇跡の映像には鳥肌が立つ。

このCDには、なじみ深い曲がたっぷり28曲で2000円程という破格のバーゲン価格だ。






最終更新日  2019.07.21 13:32:48
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2017.08.20
カテゴリ:オーディオ
今、音楽を聴くためのスピーカーは2セットある。

一つは、アナログLPがメインの真空管アンプ+タンノイの4ウエイ:EYRIS/DC-3。
今主流のトールボーイスタイルで、低能率のワイドでフラットな厚みのあるヨーロッパトーン。
これはタンノイ得意の同軸2ウェイをメインにしているので、音像の定位も抜群でお気に入り。

もう一つが、デノンのUHC-MOS・FETのPMA-2000REと組み合わせている、
自作の25cm2ウェイのバックロードホーンである。

スピーカーBOXは、20年ほど前に作って放置してあったもので、
高能率ユニット専用の自作バックロードホーン。
ユニットの口径は他には余り製作例もなく、
当時の自分の部屋にはバランスが良さそうなので、
一度使ってみたかったJBLの25cmフルレンジに決定した。

大体、構想2ヶ月と設計2週間、
サブロク(1800mmX900mm)の21mm厚ラワン合板を9枚使って、
主要部分は全て21mmX2枚重ねで42mm厚、箱だけで53Kgだったと思う。
メインバッフルは21mmX3枚で63mmの厚みがある。

所で、期待のJBLの25cmフルレンジは実際に使ってみると、
中高域がヒステリックで、どうしてもハイカットのコイルが必要なのである。
このユニットは強力な磁気回路と、
トランジェントの良さそうなコルゲーションエッジの、丈夫で軽そうな振動版に惚れ込み、
往年の高能率JBLサウンドを期待して、殆ど直感だけで選んだのだけど、
どうも、PAで人の声とかギターやキーボードの音を、
遠くまで聞こえるように作られたユニットではないかと思う。

素性は良いのだけれど、高能率ユニットにコイルを使うのは大嫌いなので、
ユニットは外され、労作のスピーカーBOXは物置に放置。

それから幾年月、家を建てた時にタンノイとB&Wの低能率サウンドとは違う、
高能率ハイトランジェント・MOS-FETオーディオ復活を画策。
そしてオーディオ・ニルバーナという、マイナーブランドの10インチフルレンジを発見。

調べると、アメリカのオーディオマニアが、
往年のアメリカサウンド復活を目指して、大好きなフォステクスを下敷きに作り上げたユニットらしい。

ユニットのデザインは、ガスケット上側のロゴがダサいのが残念。
トランジェントの良いコルゲーションエッジの、黒いダブルコーンのメカニカル2ウエイ。
センターには金色の尖がったキャップが装着されている。

何と言ってもスペックが最高。

シリーズ最強の強力なネオジムによる磁気回路と、軽量で強靭な振動版。
これのマグネットは、同シリーズの30cmユニットと同等のものだ。
スペックを見ると、F0(ゼロ)が30Hz台と低めで、
中高域は100dB/m前後という高能率だけど、
低域はだら下がりの典型的なオーバーダンピングタイプ。

このネオジムタイプは言うに及ばず、フェライトタイプも同様で、
これをF0の低さに合わせて普通のバスレフでは、絶対に低域不足でバランスの悪い音になる。
大きめの箱で、ダクトのチューニングを高めにするのが定石だけど難しいだろう。
バスレフで使うのなら、能率が低めでF特もフラットなアルニコタイプの方が遥かに楽だ。

振動板の軽い高能率型のフルレンジユニットの場合は、背圧が掛かる密閉型も考えもので、
フルレンジの小型バスレフがあったら、試しにバスレフポートを塞いでみると、
低域の変化もさることながら、特に中域のボーカルが良く分かるけど、
喉が詰まったというか首を絞めたような抜けの悪い音になる。
こういう音が好きであるとか、目的として振幅を抑えて耐入力を上げるのならば良いのだけど、
フルレンジの鳴りっぷりの良さは半減してしまう。

チャンネルデバイダーによるマルチアンプを始め、
グラフィック・イコライザーとかトーンコントロールを使って、
アンプで低域をブーストする手もあるけど、
せっかくネットワークもないシンプルなスピーカーなのに、
あんな余計なものを信号経路の途中に入れてワザワザ音を劣化させるのも勿体ない。

というわけで、高能率ユニットが群雄割拠していた、
モノラル時代からあるバックロードホーンで、
メカニカルに低域をブーストしてやるのが一番なのである。

スピーカーは25機種以上作った事があるけど、
バックロードは、10cm~30cmまで何種類も作った。
まず市販ではロクなのが無くて、ある程度の使いこなしも必要で、
複雑な構造と、あの変ちくりんなデザインが好きで常に傍らにあった。


自作の#2526とタンノイDC-3のユニットの様子。
◎ #2526は、25cmフルレンジ+コンデンサー1個のスーパーツイーターの2ウエイ。
低域はバックロードホーンでブースト。
◎ DC-3は175mmの同軸2ウエイに、25mmのチタンドームのスーパーツイーターと、
175mmのスーパーウーファーを追加した4ウエイ。

両機の音造りの方向性は全然違うけど、主要帯域を出来るだけ1本で賄い、
少し不足している高域と低域を少し追加という考え方は同じ。


左がオーディオ・ニルバーナのネオジム10インチで、
右がフォステクスのスーパーツイーターのFT-90Hの周波数特性図。
ニルバーナの高域は軸上ではかなりのハイ上がりだけど、リスニングポイントではそれほどではない。
公称の出力音圧レベルは、100dB/mでも通用しそうな高能率なので、
アンプの電源を入れると、半導体アンプに関わらず残留ノイズが聞こえる。


上に乗っている、スーパーツイーターはFT-90H。
ニルバーナの高域が意外に伸びていてオーバーラップ域が広いので、
クロスオーバーは勿論、位置と位相には結構シビアである。
現在は、バッフルからマイナス20mmで逆相接続。

ハイパスのコンデンサーは周波数特性図を見て、
最初はフォステクスの銅箔0.47μF ≒ 42KHz:6dB/Octだった。
これで悪くはないけど、今では独インターテクニックの、
Audyn Capの0.33μF ≒ 60kHz/Octに落ち着いている。
30KHzでー6dB、15KHzでー12dB。
リスニングポジションでも、オーバーラップ域が広いので0.47μFだと少し煩い感じがする。
ここら辺は好みの問題にもなってくる。ラーメンのコショウみたいなものだ。


UHC-MOS-FETのヘビー級ハイCPの名作アンプの、
PMA-2000SEとスピーカーの接続は、
電力用の頑丈な8Sq(㎟)のCV線で大体長さは2m。
これが、PMAのスピーカー端子に入る最大径である。
メインユニットは3.5Sq。これがニルバーナのユニットに入る最大径。

低インピーダンスの負荷の場合、途中の抵抗分は大きなロスになる。
8Sqのケーブルに、2つ折りした3.5Sqを、14Sq用の圧着端子で直接2本圧着。
これをスピーカー上面にある、ネジ式の端子台の片側に固定。
その端子台の反対側からスーパーツイーターへ接続。

ホーンのカットオフは、大体50Hz辺りまでちゃんと出るように、
確か20Hzと30Hzのスタガードホーンなので、
パイプオルガンや大砲の気圧変化のような圧迫感のある低域のスケールは、
とても25cm一発とは思えない音が出る。

音圧レベルが、流行りの低能率の10倍は余裕であるので、
PMAアンプのボリュームも9時辺りが限度である。
(3dBで2倍、6dBで4倍、10dBで10倍)

トータルで市販のスピーカーでは決して聴く事の出来ない、
ハイトランジェントで高感度のハイスピードサウンド。

細かい音も再現するので情報量が多くて、
pp~ffまでの広大なDレンジは他では得られないものだ。

主要帯域の再生がネットワークもない直結のフルレンジ1発なので、
マルチみたいに音像や定位がボケたり、帯域で音色が違う事はあり得ない。

家に来るお客さん達の評価では、特に音像の定位と小ささと、
ボーカル、サックス、バイオリンのリアルさには定評があり、
パルシブな信号のパーカッションは他のスピーカーでは再現は無理だと思う。






最終更新日  2019.11.13 11:01:25
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2017.08.09
カテゴリ:オーディオ
ラジオというと、最近はネットラジオが登場して、世界中のラジオを聴けるようになった。
昔からある、放送局の電波を直接受信するラジオと区別するために、
旧来のラジオはラヂオと表記しようと思う。

以前は、音楽をポータブルのプレーヤーに入れて持ち歩く事もあったけど、
旅先や出張先では、地元の情報源としても重要なラヂオの方が良い。
実は、クルマの1台なんか、わざわざCDプレイヤーを付けたのだけど、
結局は、一度も使っていない位にラヂオを聴く。

海外だと、場所によってはFMが山のように入る事があって楽しい。
夜中に一人で、現地の言葉で聞こえてくるラヂオを聴いていると、
改めて今は外国に居るのだなと実感できたのである。
昔、香港からベトナムへ入国した時には、ラジオを持っていると書類を書かされて、
その割にロクな放送局がなくてガッカリした覚えがあるけど今はどうだろう。

最初に個人で持っていたラヂオは、アポロ11号が月に行った頃、
そのアポログッズが世の中に氾濫していた時に、祖母に買って貰ったアポロ・ラヂオ。
それはアポロという名前とはかけ離れた、子供が書いた宇宙船のような形をしていて、
先端にロッドアンテナを仕込んであるという、中身は多分1石のストレート検波のやつだった。
その後は、電池の要らないゲルマラヂオから、スピーカーの鳴る6石のキットまで、
自分の小遣いで買える無名のメーカーのラヂオが常に身近にあった。

やがて、BCLブームという、ネットラジオの今では考えられない事が流行ったりして、
更に、FMのステレオ放送が始まると、ステレオ・ラジカセのエアチェックが忙しくなり、
もっといい音で聞きたいなと思って、スピーカーやアンプの自作を始めたのがオーディオへの第一歩。


家でもあちこちにラヂオが置いてあるけど、一番使っているのは、枕元の2つ。
一つは旧いシャープの2バンド・5球スーパーのUCー104は整備済みで、
昭和感いっぱいの雰囲気は抜群。これは地元のAM・信越放送に固定。
時々火を入れるけど、子供の頃にラヂオを付けっぱなしで商売をしていた、
八百屋さんや床屋さんを思い出す音がする。

その右側が、メインラジオのパナソニックのRF-U100TVで、
FMとAM以外にワンセグも聞けて、沢山のプリセットやオフタイマーが便利。
ただ、どういうわけか、AMに関しては本体の向きを変えても地元の放送が全然入らず、
夜中になると、NHKの第一は大阪放送局が、最初は地元の放送かと間違ったほど聴こえる。
他にも仙台とか北海道の放送やFENがバッチリ入ってくるのである。

実は、寝部屋の隣が車庫で、
その巨大な金属製の屋根が、昼は単純にシールド、夜になり電離層のDが消滅すると、
E層からの電波の入射角とかで、逆にアンテナの作用を果たすのかなと思っているけど、
古いシャープは普通に地元の放送が聴けるのでよく分からない。




音楽を聴く部屋にはラヂオが3つ置いてある。

オレンジ色のイタリア・ブリオンベガ/TS522ラヂオは復刻版。
オリジナルは、1965年にマルコ・ザヌーゾとリヒャルト・ザッパーがデザインした。
これは、新しいデジタル機器がつながらない初期型だけど、デザインは圧倒的にオリジナルに近い。
モノラルのFMとAMの2バンドで、音は中域がしっかりしていてバランスが良い。
とにかく何と言っても操作部の表示が最高である。
新しいデジタル表示で詰まらないデザインの奴はタダでも要らない。

大きな、ナショナルのステレオ・ラジカセRX-5100は、昭和54年当時の価格は43、800円。
生まれが国産ラジカセの黄金期だけあって、電池込みの重量が6Kg越えという、
最近の安造りの奴とは存在感がまるでが違うのである。
ステレオでも、いわゆるハイファイとは違う、こういうローファイの音も良い。

いわゆるBCLラヂオのクーガー2200はアナログ時代の最高傑作だ。
苦労して手に入れて、屋根の上にアンテナを立て、これで海外の短波放送を聴いていたのが懐かしい。
今では、ロッドアンテナは折れて、ジャイロアンテナも起立しないけど、
左下の直ダイメカのポップが残っているのは自慢できる。



リビングにある、日立パディスコのラジカセ。
カセットは動かないけど、ラヂオとしては今でも現役だ。土曜日の午前中はブラサタだな。






最終更新日  2017.08.09 19:20:04
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2017.08.03
カテゴリ:オーディオ
オーディオ界で、真空管のアンプが単なるブームを越えて普通の存在になりつつある。
機械式時計の復活もそうだけど、非効率で趣味性の強いものが存在し続ける理由は、なぜなのだろうか。
そうは言っても、銀塩写真が復活する可能性はないだろうな。

半導体アンプに関しては、80年代のCD登場前までには、
大手による過当競争ともいうべき新製品ラッシュにより、
あらかた回路や素子に対する新しい試みは試されて、とっくに完成の域に達していたと思う。

やがてデジタルの台頭とともに、MP3に代表されるヘッドホン・オーディオの席巻で、
完成までに手間の掛る、半導体アンプの発展に大きく寄与していた大手は撤退していったのである。

台頭してきた管球アンプの裏には、単にノスタルジックや音がどうのこうのという事以前に、
回路はとっくの昔に完成の域に達し、裸特性が優れているので厄介なNFBも不要で、
シンプルな回路で動作する真空管は、小規模なメーカーでも手に負えると言う事が大きかったと思う。

真空管には、昔から根強いファンがいたけど、
私も半導体アンプを使いつつ、真空管を忘れなかった。

半導体のセパレートアンプを使いつつも、ラックスの管球アンプのキットを組んだり、
上杉佳郎さんが設計した、イコライザーに12AX7を2本と、
ラインアンプに12AU7を1本という、MT管3本だけの超シンプルでノンNFBの、
そのくせ、重さが13KgというCRイコライザーのプリアンプを自作していたのである。

最後は自作のヘビー級プリと、ダイナコのメインアンプ、ステレオ70とのコンビを一番長く愛用した。
実は、ヘビー級の2A3シングル・メインの計画もあったけど、
ダイナコで満足してしまい、部品を集めている内に面倒になり止めてしまった。

所で、今使っているTRVや、昔使ったラックスや、
自作の3球プリでも初段の電圧増幅は、ずっと双3極管の12AX7/ECC83であった。

昔から豊富で安価で、最初は松下や東芝のが、安くて性能が良いのでお気に入りだった。
中でも、当時から別格だったのがテレフンケンの高信頼管のECC803で、
値段も同じテレフンケン製のECC83の5倍近くはしていた筈である。

実は、これを上回る性能のジーメンスのE283CCというのがあって、
こっちは本当のプロ用で放送局や医療機器用でしか出回らなかったらしい。
これは803の更に4倍もしていたそうであるけど、
偽物があったり、ピンに関して互換は無いようなので注意が必要。

今でも家では、12AX7/ECC83は現用品だけど、ロシアや中国の現行品で十分である。
真空管によって、確かに音が変わるとはいっても、
別に1から10まで、全てがひっくり返ったように劇的に変わることはないのだ。

この辺りはレンズの描写の味に対する、マニア達の評価と似ていて面白いけど、
相当な時間が経過している上に、今では高価で希少で古い怪しげな奴よりも、
ショップと相談したりして、新しい現行品を試していった方が遥かに効率的である。


ダイヤマークのテレフンケンECC803と、
バルボ、東芝、シルバニア、フィリップスのECC83。テレフンケンと東芝以外は新品である。
他にも数字が4桁の互換球とか何かあると思うけど、新品でも家では基本的に旧い奴はお飾りである。

12AX7の他にも12AU7の高信頼管の5814Aの番号が見える。
中身はNOS入りだけど、真空管本体よりも箱の方が貴重かもしれない。






最終更新日  2019.03.04 15:54:21
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