2017.08.19

3つの流れ星のカケラ【イミラック(石鉄隕石)、セイムチャンとシホテアリニ(鉄隕石)】

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昔は、流星が光るのは大気との摩擦であると教えられた。
実は大気の圧縮によるものであると分かったのは、つい最近の事である。

大気のお陰で、地球外からやってきた星屑が地表までに達するものは結構まれだ。
中には月や火星からやってきたものがあるけど、そんな事がどうしてわかるのかというと、
月の場合はアポロ計画のサンプルがあるし、火星の場合は探査機で分析した希元素の割合が、
隕石の中に閉じ込められていた成分と同じであるという事で判断出来るらしい。


具体的に、火星起源の隕石の場合では、
大多数の隕石というのは年代測定をすると大体46億年だけど、
SNC(スニック)隕石というのは13億年と若く、しかも重力下の高圧で溶けた形跡があった。
この事から、元の天体が非常に大きくて13億年前まで火山活動をしていた証拠になった。

小惑星帯に該当するような天体は無く、火星か金星しか考えれないのだけど、
濃厚な大気を持つ金星はあり得ず、どうも火星ではないかと推察された。
これを決定づけたのは、1983年にスイスで行われた5つの希ガス分析であり、
この希ガスの中でも質量数が違う同位体の比率が、
NASAのバイキング計画で得られたものと一致したのである。

ちなみに月起源の隕石は、
アポロ計画のサンプルがあるので、
化学成分と酸素の同位体比で確認できる。
砂漠と南極から200個近く見つかっている。


主に小惑星帯からやってくるらしい流星だけど、大きいものはシャレにもならない。
意外に地球に近づくのが少ないのは、木星の巨大な重力のお蔭だそうだ。

家にも、幾つか流星のなれの果てがある。
鉄隕石の場合は、天体が出来た当時に溶けていた金属の核は真空断熱で保温状態になり、
放出するのは僅かな輻射熱だけになって、
気が遠くなるほどの時間(100万年単位)をかけて冷えていく。
その金属核は、切断面を研磨してエッチング(腐食させる)処理をすると、
ウイドマンシュテッテン構造という独特の模様が現れる。
これは今でも地球上では作る事が出来ないもので隕鉄の証拠になる。


1882年に、チリのアタカマ砂漠で発見されたイミラック石鉄隕石。
これは典型的なパラサイトと呼ばれるものだ。
落下の衝撃でヒビの入ったペリドットとニッケル鉄が混在している。
比重の違うものが混在しているので、マントルと核の中間にあるのではないかと言われている。
地球に落下した隕石の中では0.5%の少数派。
標本の大きさは大体4cmX3cm程。


比較的新しい、1967年にロシアで発見された石鉄隕石。
鉄隕石も意外に数が少なくて、全体の3.8%ほど。
セイムチャンのパラサイトは高いので、これはニッケル鉄の部分である。
独特のウイドマンシュテッテン構造が良く分かる。
形がちょっと長野県に似ている。厚さは3mmで大きさは8cmX7cm位。


1947年にウラジオストクの北東440kmで爆発落下したシホテアリニの隕鉄。
殆ど鉄で出来ているのが特徴で、大気圏突入時の熱で溶けた表面の様子が良く分かる。
これは長い部分で5cm程だけど、その割に重いのが特徴でこれは290gある。





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最終更新日  2019.07.18 10:53:42
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