セレッソ大阪森島選手

2002年ワールドカップで、大活躍だったモリシ
ワールドカップで華麗なゴールを見せてくれたモリシこの感動は一生忘れることないでしょうやったぜ!モリシ このワールドカップも終わりましたが、J2での活躍は、セレッソ大阪森島選手にとって幅広い活躍を期待しているとおもう
今、根気・ガッツなプレーを見せてくれる森島選手を応援しようガッツ森島 せめていくぜ森島 まけないぜモリシ
ばっちりいこう森島 セレッソ大阪森島ゴール  ふんばるモリシ
  まだ私たちの記憶にも新しい6月の熱狂と興奮。2002FIFAワールドカップTMH組予選ラウンド日本対チュニジア戦、長居スタジアムそして日本中を轟かせた「モリシ・ゴール」は、開催国としての悲願である「ベスト16進出」を現実のものとした。1ヶ月間にわたる世界との戦いを終え、次なる願い「J1復帰」を叶えるために、休む間も無く8ヶ月間にも及ぶ過酷なJ2リーグ戦へと主戦場を移した彼が、いま何を思うのか、その実像に迫る。

敗戦で得た教訓

―2002FIFAワールドカップTM以降のセレッソについてお伺いしたいのですが、7月以降のセレッソの成績は10試合で7勝1敗2分(8月19日現在)。この成績に関していかがお考えでしょうか?

森島 唯一の1敗の相手がひとつ上のチーム(7月13日対アルビレックス新潟戦(※1)。1-3で敗北)だったので…。それに勝てていればひとつ順位を上げることができたのに負けてしまって、なかなか納得がいかない面もあります。しかし、その敗戦後みんながすごく気を引き締めて試合に臨むようになり、結果として良いゲームができているので、敗戦を良い教訓として後の試合に繋げていると思っています。

―現在リーグ3位。上位2チームを追いかける立場ですね。

森島 ひとつでも多く勝ち続けることが、最終的にチームの目標を達成できるかどうかに繋がっていくと思います。今のままで上位のチームが勝ち続けると、間違いなく優勝は無理ですから。現時点ではとりこぼしが許されないので、ひとつひとつしっかり結果を出したいなと思っています。ひとつ上とはまだ直接対決(※2)もありますし、向こうがどういう状況で来るのか今のところわかりませんが、そういう意味でも一試合一試合勝っていけば、まだまだ優勝するチャンスはあります。

―今、チームの目標は「J1昇格」ですね?

森島 もちろん昇格というのもありますが、こういう過酷なシーズンを勝ち抜いて優勝する事が、これからのセレッソ大阪にとっての自信に繋がっていくと思うので、優勝を目標にチーム一丸となって戦っていきたいと思います。

―森島選手自身は、2002FIFAワールドカップTMが終わってリーグ戦再開直後の横浜FC戦での途中出場以降、すべての試合にフル出場。先日の試合(8月17日対水戸ホーリーホック戦。3-1で勝利)では2得点1アシストで全得点に絡む活躍です。

森島 W杯前に1得点しかできず、自分の得点が少ないと思っていました。自分が得点することによってチームの勝利に貢献できますし、得点できるポジションにいるので、何とかして点を取りたいという気持ちを常に持つよう心掛けています。点を取るという事に関しては、セレッソには優秀な攻撃陣が揃っているので、どこからでも点は取れるという感じはありますが(セレッソのチーム総得点はJ2チームの中で1位)、以前は人任せでプレーしていたところが多少あったので、これからは自分がゴールに向かっていく事を心掛けながらプレーしよう、と。他のみんながどんどんゴールを狙っていけば、もっといい形ができると思います。

―ワールドカップでの激戦を終えた直後の7月から8月中旬に掛けての1ヶ月半で10試合を消化。体力的なことに関しては?

森島 確かに試合数は多いですが、今はチームが組んだスケジュール通りシーズンを送っているので、毎回充実して試合に臨めています。しかし、試合をしてからの移動が多いなという実感はあります。試合後の移動は飛行機になるのですが、今年ほど飛行機に乗っている年はないですね。実は、飛行機があまり好きではないので…。飛んでいるというのがちょっと気持ち悪いし、あんな重いものが浮いているというのが怖い(笑)。ウチの選手でも飛行機に乗る時、結構ドキドキしている人が多いですね。特に外国人選手はみんな手に汗かいています(笑)。


常に「勝つ」という気持ち

―以前、知り合いのセレッソサポーターが持っていた森島選手のサインを見せてもらったのですが、「心・技・体」と書かれている、と彼が説明してくれました。なぜ「心・技・体」なのかお聞かせ願えますか。

森島 サッカー選手として、「心・技・体」をバランス良くこなせれば一流の選手になれるという意味で書いています。Jリーグに上がる前くらいだったと思いますが、木村和司さん(※3)から「心・技・体」と書かれた色紙を頂いて、それからはそれを座右の銘にしました。もちろん、現時点で「心・技・体」のすべてが上手くいっているとは思いませんし、まだまだ上をめざそうという気持ちはもちろんあります。

―いざ実際に試合や練習に臨む時の心構えは?

森島 練習の成果が試合に生かされるので、実戦の試合でどのようなプレーをすべきか常に意識しながら練習しています。試合では、その練習で作り上げたプレースタイルを発揮できるように心掛けています。でも、普段の練習ではできないことが試合になると観客の声援に乗せられて、できてしまうということもたまにあります。

―「ワールドカップ効果」でたくさんの方がスタジアムに訪れるようになりましたね。

森島 たくさんの方々に応援してもらい、励まされることで、僕だけじゃなく他の選手たちもグラウンドの中で思い切ってパフォーマンスできますし、みなさんの期待に応えようという気持ちが一段と強くなって、それがプレー面にとても良い影響を及ぼしてくれます。初めてセレッソの試合を見に来てくれた人、ずっと応援してくれている人に関係なく、たくさんの方々に応援してもらっているという事が、選手にとってものすごく励みになります。

―最後に、残りのシーズンに向けての抱負をお聞かせください。

森島 残り試合すべてにおいて、常に「勝つ」という気持ちをしっかり持って試合に臨みたいと思います。そのためにも、練習も含めて試合でどんどん声を出してチームを引っ張っていって、最終的にチームの目標をしっかり達成してJ1に上がるということを頭の中で思い描きながら、残りのシーズンを戦っていきたいと思います。


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取材の翌々日となる8月21日、長居第2陸上競技場でJ2リーグ第26節セレッソ大阪対アビスパ福岡戦が行われた。再三のチャンスを逸し、アビスパの猛攻をGK下川の神がかり的なセーブで難を逃れていたセレッソを救ったのは、キャプテン森島だった。後半26分、途中出場の濱田が放ったロングシュートはゴールポストを叩き、ゴール前に詰めていた森島のもとへ。ヘディングで押し込んだ森島は、ゴール裏に陣取るサポーターたちの前で、何度も拳を握り締めていた。この虎の子1点を守りきったセレッソは、同じくこの日ヴァンフォーレ甲府と対戦した首位大分トリニータが負けたことによって、首位との勝ち点差を3に縮めた。

試合後、ヒーローインタビューを終えた森島が向かったのはロッカールームではなく、ゴール裏だった。周囲に響き渡る「モリシ!モリシ!モリシマ!!」コール。サポーターたちの激励に応えるべく、森島は何度も腰深く丁寧にお辞儀した。そんな律儀で誠実な姿勢から、人々は彼を「Jリーグいち腰の低い選手」と形容する。しかし、セレッソを、森島を温かく見守る人たちは知っている。セレッソの勝利のために苦難を厭わず、ただひたすらに走り続ける彼こそが、本当の森島だということを。
そして、彼が行く道の先には必ず、皆の願い――「J1復帰」があるということを。



※1 2002年J2リーグ第26節を終えた時点で、首位は勝ち点55の大分トリニータ。続いて勝ち点54のアルビレックス新潟。三位がセレッソ大阪で勝ち点は52。
※2 次のセレッソ大阪対アルビレックス新潟戦はシーズン終盤の11月16日(土)。会場は長居スタジアム。
※3 元日本代表で現在はサッカー解説者の木村和司氏は、森島選手と同郷(広島県)で、森島選手が小中学校時代に所属していた大河(おおこう)FCの先輩にあたる。森島選手公式ホームページ「morishi.net」(http://www.morishi.net/)参照。





 




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