さて今日は株式投資本オールタイムベスト25位
敗者のゲーム原著第6版 (チャールズ・エリス著、日本経済新聞社)
の好評第3弾です。
さて今日は、この本のベストの部分である 第3章 それでも市場に勝ちたいなら を中心に見ていきましょう。
タイミングに賭ける取引がうまくいかないことは、過去に何度も立証されてきた。。。運用の歴史を見ると、市場が大底から回復する最初の1週間に、株式リターンのかなりの部分が獲得できることは明らかである。しかし、一般にタイミングに賭ける人々は、その時にはすでに手持ちをゼロにしてしまっているので、最もおいしい部分を手に入れることはできない。
このエリスの洞察は深いですね。でも、ツイッターを見てもブログを見ても、「いや、俺だけはマーケットタイミングを計れる。」と言う自信に溢れた投資家の方々ばかりです。ところが、そんな彼らの10人中9人までは10年後には市場から黙って静かに退場しているのもまた厳然たる事実なんですね。
市場の動きはあまりに早く、多くの投資家が頭を切り替えて対応する暇がない。相場の動きに賭けて利益を出すのは無理な話だ。。。
年老いた(old) パイロットや、向こう見ずな (bold) パイロットはいるが、向こう見ずで長生きしたパイロットはいない。同じように、市場タイミングで繰り返し成功を味わった投資家もいない。欲望や恐怖心にかられた選択は、たいてい遅すぎるか、間違っている。
「成功した、そして年老いたパイロットになりたい。」
私はこの本の第3版を17年前、ピヨピヨのひよこ投資家になったときに読んだその瞬間からずっと思い続けてきました。そして今でも全く同じ目標に向かって、毎日勉強をつづけながら市場で戦っています。
過去109年間で、ベスト10日を逃しただけで、この間の利益の3分の2を失う。
長期的に見て投資家が失敗する原因の一つは、激しい下げ相場に遭遇してパニックに陥り、上記のような最大の上げ相場に参加する機会を自ら放棄してしまうことだ。
投資家は、「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせなければならない。。。相場のタイミングに賭ける投資は間違っており、決して考えてはいけない。
「稲妻が輝く瞬間」に市場に留まっていなくてはならない。
これこそが、私がエリスの本書から得た最大の教訓でした。投資家1年生の時にこの本に出合えたことは本当に幸運でした。そして私は彼の教えを守り、これまでの17年間、良い時も悪い時も常に「フルインベストメント」を貫いてきました。そしてだからこそ、私は「一度も稲妻の輝く瞬間を逃すことなく」 ここまで静かに歩き続けて来られたのです。
1980~2008年の間でベストの何日かを逃した場合のリターンへの影響
何回見ても身が引き締まります。私達投資家はどんなに大荒れだったとしても、何回波に揉まれようとも、「市場と言う荒海」 に常に留まり続けなくてはならないんですね。(続く)