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カテゴリ:株式投資全般
さて今日は株式投資本オールタイムベスト第48位
大逆張り時代の到来(原題:Predicting the Markets of Tomorrow ジェームズ・P・オショーネシー著、パンローリング社) の第2弾です。 今日は、素晴らしい出来栄えである 第2章 どこで決定を下すかで勝負は決まる を見ていきましょう。 下記は1927年にS&P500(S&P500指数は、スタンダード&プアーズ ファイナンシャル サービシーズ エル エル シーが開発した株式インデックスで、ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca、NYSE Amex)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を浮動株調整後の時価総額比率で加重平均し、指数化したもの)に投資した1ドルが2004年にいくらになったかを示したグラフです。 この78年の間に1ドルが2000ドル以上に増えている ことを示しています。 米国株に長期投資するメリットをこれ以上なく分かりやすく示したグラフであり、有名な ジェレミー・シーゲルの株式投資 でも似たようなグラフが取り上げられています。そして最近はこのグラフとシーゲル博士の著作をその理論的根拠・精神的支柱として「米国大型株に長期投資する」というコンセプトの投資ブログが「雨後の筍」の如くに爆発的に増大しています。そしてその中には実にクオリティが高くて感嘆・驚嘆しているものも多く、私もいくつかを愛読させて頂いています。 ただオショーネシーは、このグラフに別の角度からの光を投影して興味深い解説をしています。 実は、 多くの投資家に共通する保有期間がある。。。標準的な保有期間は20年 である。。。したがって、過去のリターンを振り返ってみるときには、まず20年と言う保有期間から見ていくのが理想的なのである。 この20年と言うのは、経済的に余裕が出来始める45歳から一般的なリタイア年齢である65歳に相当するので確かに妥当だと思います。それでは 20年移動期間でみたS&P500の年平均実質リターン を見てみましょう。 1947~2004年 1809~1947年 この上の2つのグラフを見ると、S&P500の20年実質リターンがほぼ7%となることが浮き彫りになります。オショーネシーはこれを 「7%のマグネット」 と呼んでいます。 そして7%の平均に対して今の市場がどの辺りにいるのか?が肝心だとオショーネシーは指摘しています。 S&P500を見てみると、 全20年移動期間の実質リターンは0.29%~13.85% とかなり幅がある。。。 過去200年の証拠は明快である。市場は長期平均に回帰する。 リターンが平均を大きく下回った期間の後の期間は、ほぼリターンが高くなる。リターンが平均を大きく上回った期間の後の期間は、ほぼリターンが低くなる。 つまり、どれほど米国株市場が偉大でかつ長期的に見て右肩上がりだとしても、S&P500が指標的に加熱したホットな位置で迂闊に投資をしてしまうと20年リターンが極めて低くなることがある、しかもそういう時期は稀ではなく割と頻繁にある、ということなのです。 そして私は現在のS&P500はちょっとバリエーション的に見て割高過ぎるのではないか?という懸念を個人的には持っています。この日記の下書きを書いている5月12日現在のデータで見るとPBR3.11&PER25.29です。 グレアムのミックス係数 でいえばなんと78.65!となります。グレアム先生の基準では22.5を超える株は買ってはいけない訳で、今は天国にいる先生が現状のS&P500の水準を見たら、もしかしたら驚きで目の玉が飛び出るのではないでしょうか。 そして今、過熱感に溢れたS&P500に投資をして果たして20年後のリターンはどうなるでしょうか? 平均の7%よりも、もしかしたら0%に近い様なミゼラブルな結果に終わる可能性もあるのではないでしょうか? (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 17, 2017 05:18:30 PM
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