|
カテゴリ:株式投資全般
しばらく前の日曜日の寛いだ朝の事ですが、ツイッター上で、
投資家には悪党好きが多い という話題がありました。これは自分のアイコンを悪党キャラクターにしていたり、映画やドラマ・ゲーム内で登場する悪役への強い愛情・思慕を示す投資家の方々が非常に多いことから始まった議論でした。 私は「これは実に面白い視点だなあ。」と思ってその話題をのんびりとモーニングコーヒーを飲みながら目で追っていたのですが、その時にハタと「あっ、これ言われてみると、自分にも完全に当てはまるな。」と思い当たりました。 例えば自分は映画を見ていて、魅力的な悪役が出てきた時に、「最後には正義が勝つんだろうけど、悪党の方が勝つシナリオだったらいいのに。そういうことは現実には良くあるし、そもそもその方が絶対もっとストーリーに深みが出て面白くなるのに。脚本俺に書かせてくれないかなあ。」と感じることが良くあります。 また私は漫画のゴルゴ13の大ファンなのですが、主人公で超A級のスナイパーである デューク東郷 は良く考えてみると、 お金を貰って人を撃ち殺しまくっている わけなので、これは誰がどう見ても悪党中の悪党です。でもゴルゴ13は長年大人気を誇るベストセラーでとても人気がありますし、デューク東郷は凄く磁力のある人間ですよね。 さて話を元に戻して何故投資家には私自身を含めて悪党好きが多いのかというと、そもそも「悪党」と言うのは、 世間全体から見れば絶対的な少数派 であり、 目的達成のためには手段を選ばない非情さや意思・決断力の強さが必要 であり、 善人によるルール=常識で物事を判断することは逆に危険 であり、 常に生き延びるのに必死 でもあり、つまりは、 悪党と我々投資家が置かれている状況はほとんど同じ だからです。 また「悪党」は、生命エネルギーが強く、常に危険に取り囲まれていてだからこそ「生=live」を実感しているので快活でユーモアがあり、周りに敵が多いからこそ逆にファミリーや親しい友人への愛情には過剰なくらいに溢れ、常に生存本能全開で極限の状況下で生きているので異常に頭が切れる場合が多く、また一般人が知らない何らかの「秘密の情報」に詳しく、要は「人間」としての魅力に溢れ、総合的に見て魅惑的な存在です。 つまり我々投資家が「悪党」に惹かれるのは、両者に多くの共通点がある事、私達が良好な成績を維持し続けるのには、自らの内部の「悪党」が囁く声に真摯に耳を傾け続けることが必要なためです。 5%の少数派が残りの95%の富を収奪する厳しい世界で生き残り続けるには、独特の哲学が必要 なのです。 ちなみに超名著である 千年投資の公理 の中で、著者のパット・ドーシーは、以下の様に述べました。 大泥棒のウイリー・サットンは銀行を襲う理由を聞かれて、「そこにお金があるからだ」と答えた。投資家もぜひこの言葉を覚えておいてほしい。つまり、一部の業界はほかよりも構造的に利益率が高く、そういうところにこそ堀はある。長期資金は、そのようなところに投入すべきだ。 これはまさに、 泥棒のススメ ですね。(笑) そもそも ウォーレン・バフェット 、 ジョージ・ソロス 、 スティーブ・コーエン 等の世界の超凄腕の大物投資家達を思い浮かべてみても、皆歴戦の苦労が顔面に歴史として刻まれ、いい意味での「悪党顔」をしていると思います。私も是非市場で長生きして「札付きの立派な悪党」になりたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 15, 2019 02:26:34 PM
[株式投資全般] カテゴリの最新記事
|