みきまるの優待バリュー株日誌

2020/05/10(日)08:47

2. ディープバリュー投資とその問題点。

株式投資全般(1955)

​​​​ さて今日は株式投資本オールタイムベスト102位 とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法 (チャーリー・ティエン著、パンローリング、2018年)  の第2弾です。  今日は、第2章 ディープバリュー投資とその問題点 を見ていきましょう。  ​ 企業の資産価値に比べて格安の銘柄を買う戦略、すなわちディープバリュー投資。  ウォーレン・バフェットの師であるベンジャミン・グレアムによって理論化された。  グレアムは株価が正味流動資産価値の3分の2以下の企業を探した。。。これらの企業に投資した場合のリスクは、それらのほとんどの経営状態が良くなく、赤字続きの可能性があることだ。​  ​ 市場全体が割高に評価されていて、ほかの銘柄はなんでも上げているときでさえ下げていて、格安銘柄のスクリーニングに引っかかる銘柄は、おそらく安値に放置されて当然の銘柄だ。安いのにはそれなりの理由がある可能性が高い。私が2011年以降に観察したように、それらを買ったら大損をしていただろう。したがって、ディープバリュー投資を考えている投資家は慎重になって、この手法に固有の問題点を意識しておく必要がある。​  ​ ディープバリュー投資の問題点  平凡な企業は株主のために価値を生み出すのではなく、事業価値をじわじわと損なっていく。  バフェットが1989年の株主への手紙で書いたように、「時間は優れた企業の味方をするが、平凡な企業には敵となる。」​  ​ バフェットは手っ取り早く利益を得るために平凡な企業の株式を格安で買うことを、結婚する意志がないデートに例える。その状況では、関係が悪化する前の適切な時期に、付き合いをやめることが重要だ。​ ​ この戦略は投資家にとって精神的な負担が非常に大きい。​  いやあ、グレアム先生になにか個人的な恨みでもあるのか?と思ってしまうほどにザクザクにメッタ斬りしていますね。(笑) これはティエン自身がバリュートラップ銘柄(シアーズ)でとても怖い思いをしたという「私怨」が入っているように思うのですが、 ただそれと同時に、ディ―プバリュー投資が持つ致命的な欠点を非凡に、色鮮やかに浮かび上がらせてもいます。  さて、私のディ―プバリュー投資に関しての考え方は以下の通りです。 1. ティエンがP311で「シラーPERとGDPに対する時価総額の比率を見ると、2017年2月現在の(米国株)市場はかなり過大評価されている」と自らはっきりと認めている通り、現状のアメリカ株は歴史的な高値圏にある。そうした環境下ではまともなディ―プバリュー株が枯渇しているのは当然である。 ​2. ただ「失われた30年」が続き、魅力的で「決してポンコツではない」ディ―プバリュー株がまだまだ多く放置&放流されているここ日本では、大きく状況が異なる。簡単に言うと、 現状の日本ではシンプルなグレアム流のディ―プバリュー株投資手法は依然としてワークする と考えている。​ ​​3. ティエンの言う 「ディ―プバリュー株投資は投資家にとって精神的な負担が非常に大きい」と言うのは実際その通り。 なので、私は株価ヨコヨコのつまらない期間をなるべく楽しく過ごすために、魅力的な優待が付いた銘柄のみを選択するという、​優待ディープバリュー株投資​ を提唱している。  (続く)​​ ​​​​

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