みきまるの優待バリュー株日誌

2020/06/24(水)18:15

2019~20主力株概況39位、クックパッド。

優待株について(3748)

 さて今日は2019~20主力株概況シリーズです。      39位 2193 クックパッド (東1、12月優待) ◎◎~◎◎◎      ​​ PF時価総額39位の上位銘柄は、料理レシピ専門サイト最大手のクックパッドです。尚下記で使用している画像データは、基本的に会社ホームページからの引用となります。  現在の株価は361円、時価総額387億円、PBR1.66、自己資本比率は85.9%と鉄壁、今期予想PER72.20、配当利回り0%(0円)、総合利回り2.8%(0+10=10円、優待はヤフオク平均落札価格の1000円で換算)で、優待は自社サイトプレミアムサービス利用料6カ月間無料クーポン1枚(1年以上継続保有の場合1年間無料クーポン1枚)などです。 ​​      ​​​​​ クックパッドは経営陣による内紛や近年の業績低迷・無配転落がありそれらが嫌気されて株価は2015年の高値である2808円からは一時なんと10分の1、いわゆる 「逆10バガー」 を達成しました。また底なしの株価下落が続く中、クックパッドが持つ潜在ポテンシャルの高さに魅入られた多くの凄腕投資家の方々が参戦し、儚く散っても行かれました。 (上記データはSBI証券より引用) ​(上記データは四季報2019年2集 P190  東洋経済新報社より引用)​​​​​​​​​​  しかしながらクックパッドは財務状態が非常に良く、下記の通りバランスシートは「ほぼ現金の塊」です。現金及び現金同等物231億円から負債合計24億円を引いて差引207億円もあります。一方で本日6月24日現在の時価総額は387億円なので、ごく単純に考えると、 クックパッドの企業価値は180億円 ということになります。 (上記データはクックパッド第23期有価証券報告書P43~44より引用)​​​  ただ クックパッドは料理レシピサイトでは国内最大のガリバーであり、その地位と知名度は盤石 です。それはお家騒動に揺れ、サイト改善が滞り停滞していたこの数年間で見ても 有料会員数がほとんど減っていない 点に端的に表れています。  また2018年には、クックパッドTVが三菱商事と資本提携を行い40億円の資金を調達しているのですが、 企業価値が180億円しかない企業に天下の三菱商事がポンと40億円を出すというのは普通に考えて難しい と思います。  さらに最近では、生鮮食品ECの ​   ​​クックパッドマート​​  が急拡大してきており、ブレイクの兆候もあります。商品受け取り場所である「マートステーション」がどんどんと増えており、6月18日にはローソンでの店舗受け取りも開始されました。  私も実際にアプリをダウンロードして色々見てみましたが、使い勝手も良くかつ新鮮でクオリティの高い食材の宝庫であり、極めて魅力的と思いました。  ​クックパッドマート事業は大化けする可能性がある​  と個人的には感じています。  つまり簡単にいうと、私は、  ​​クックパッドの実質的な企業価値がたったの180億円というのは、常識的にそして多面的に考えておかしい。​​  と思って多めに保有しているという事です。  ただクックパッドには指摘せざるを得ない、非常に気になる重大な懸念材料もあります。それは、  ​会社側が「全く株主の方を向いていない。」​  という点です。それは具体的には 超キャッシュリッチであるのにも関わらず「今後10年間は配当は行わない。」という2018年の唐突な方針変更 や、  ​「ポエム感超新星爆発」のふざけた、怒髪天を衝く直近の決算説明会資料や  株主総会の質疑応答での、ある意味で「少数株主の事などどうでもいいし、適当でいいや。」とも感じられる「木で鼻をくくったような」経営陣の態度​ に現れています。    クックパッドは創業者の佐野陽光氏が4658万株(43.3%)の株式を保有しています。数年前のお家騒動で株式市場に上場していることに嫌気がさしていて、「もういいや、 ​ビックバス&キッチンシンク手法​ を駆使して、費用を先行させるだけ先行させて利益を圧縮し、株価を下げるだけ下げて、どこかでシレっとMBOで市場から退出して、後は自由に好きなようにやろう。」と大学生の学園祭ノリで考えている可能性も0ではないように個人的には感じています。  そしてこれがクックパッドのワーストシナリオ&最大の懸念材料であると考えています。今後も意図的な悪材料連発で仮に株価が200円まで下がったとして、そこに良くある「形式通り+40%のプレミアムを載せてのお手軽&お気軽MBO」という結果になると、我々投資家にとっては「命がけで高いリスクを取って戦ったが、最終的には手に入るものは何もなかった。」という悲惨極まりない、涙ウルウルの壮絶な結末もあり得るからです。  それを疑わせる状況証拠もあります。現在クックパッドの社外取締役は3人いるのですが、 ​​​(上記データはクックパッド第23期有価証券報告書P37より引用)  その内の北川徹氏は、2014年にスターバックスがTOBで非上場化した時の財務担当者なのです。これはただの偶然でしょうか?  ただいずれにせよ、「クックパッド自身が今後株主価値の破壊に積極的に取り組むことさえなければ」という前提付きで、今の株価位置からはもう下がっても最大で40%程度だろうと思います。なぜかと言うと、そこまで下がるとレシピサイトの巨人であり知名度抜群でもあるクックパッドの実質的な企業価値が0円になってしまうからです。  そしてその一方で、今後数年で海外事業や前述のクックパッドマートが成長しうまくマネタイズできた場合には、過去ピークの10倍は難しいにせよ、株価2~5倍程度は十分に期待出来ると考えています。そのため、クックパッドは、  ​負ければ-40%、ただし勝ったら+100~400%​  のリスク・リワード比に優れた、期待値の高い銘柄であると結論付けています。そして、  ​今の位置から株価が大きく下落すれば、上で考察した通りMBOの可能性がどんどんどんどんと高まる​  と思うので、その点も実に魅力的であると感じています。   ​​​​​​​​​​2020主力株概況シリーズ 免責事項 2020主力株概況シリーズ は私が主力で勝負している銘柄について、本当にその価値はあるのか、私を投資家としての次のステージに連れていけるだけの力があるのか、「リスク・リワード比」が優れた最強で最上の頑健な銘柄なのか、何か見逃している弱点はないか、戦い続けるのに絶対に必要な「銘柄としての鮮度」が落ちていないか、などを多角的に検討する目的で書くものです。記事内容は一般的に入手可能な公開情報(ただしIRへの蛇の様にしつこい独自の取材内容を含む)に基づいて作成していますが、同時に諸々のバイアスのかかったあくまでも個人的な見解であり、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものでは全くありません。また市場と個別銘柄の未来がどうなるかは誰にも分からないため記事内容の正確性は保証しません。そのため当シリーズに基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はくれぐれも100.0%御自身の判断と責任の元で行って頂きますよう、伏してお願い申しげます。​​

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